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プロローグ:平凡な日常

初執筆です、拙い所もあるかと思いますが、よければお楽しみください。

 死というものは襲い掛かって来る

 それは、本人の意志に関係無く

 時に無差別的に

 時に差別的に

 時に区別的に

 無意味に

 有意義に

 偶然のような必然で人は死ぬ

 衝撃で、圧力で、切られて、打たれて、殴られて、飢えで、水で、毒で、人で、土で、災害で、老いで、病気で、自分で

 だから、俺は死ぬ事を恐れない

 必ず来る結末を、俺は恐れない




8/6

 重鈍で分厚い雲が空を覆う、今にも大雨が降りそうな天気なのにまだ雨は降っていない。

 そんな可笑しな天気を、加賀 王摩(カガ オウマ)は窓際の自分の席から外を見ていた。


「天気予報が外れたな」


 天気予報では今日は曇りのち雨で昼ごろには土砂降りの予報と言っていたのだ。

 それなのに、昼ごろになってもまだ雨は降らない。

 天気予報はあくまで予報でしかないと再認識した。


 今日は夏季登校日で学校に来ていた。

 学校に登校し、黙祷して少しの授業をして帰るそんな日だ。

 とはいえ、その授業も午前中だけで済む。


「さて、雨に降られないうちに帰るか」


 まだ世間は夏休み、教室にはもう人はほとんど居ない。

 唯一残っているのは、授業中に寝てしまった男子とそれを必死に起こそうとする女子だ。

 俺? 俺は、「可愛い小動物」という本を読んでいて気が付いたら放課後だったっていうだけだ。


 荷物と言うほどの量では無い荷物ををまとめて帰りの支度をする。


「委員長、そいつ起こさないでもう帰ったらどうだ?」


 男子を起こそうとしている女子にそう言う


「そんな訳にはいかないよ。起きて誰も居なかったらビックリしちゃうでしょ?」


 彼女は小鳥遊 美奈子(タカナシ ミナコ)このクラスの委員長だ。

 見た目は、垂れ目に長い三つ編み、大きな身長に大きな胸、括れた腹、安産型な尻と色々とインパクトがある人間だ。

 友に聞いた話によると身長は170越え胸はFだとか。

 余談だがそいつは女子の身体測定の結果を見た罪でボコられていた。アーメン

 しかし、色々インパクトのある見た目だが、面倒見の良さと大人しい性格のせいで学級委員長を押し付けられた可哀想な人だ。

 今回も、寝過ごしている奴が見過ごせなかったのだろう。


「自業自得だと思うがな・・・」

「そんなこと言わないで、起こすの手伝ってよ」


 そして、今委員長が起こそうとしている男子は富田 幸太(トミタ コウタ)

 見た目は、大きな目、跳ねた髪、小さな身長ともうすぐ18才になるとは思えないほどヤンチャそうな見た目をしている。

 本人曰く140は低身長では無いそうだ。俺はそうは思わんがそっとして置くべきなのだろう。何せ、その身長を馬鹿にしたチンピラ共総勢10人を全員病院送りにする事が出来るぐらい強い。らしいというのは俺は見ていないからだ。


「しかし、よく寝ているな」

「うん、寝るのはいいんだけどね・・・あ、授業中に寝るのはダメだよ?

 ただ、このままだと何時までも寝てそうだから。」

「だから起こすと」

「そういう事」

「なら、起こせば良いじゃないか」

「できるなら、そうしてるわよ。

 知っているでしょ?富田君一度寝たら梃子でも起きないの。」


 知っている、なんでも地震でも起きなかったとか言っていた気がする


「なら、俺にどうしろと」

「何か、起こす秘策みたいのはない?」


 無い訳では無い。ただ、その方法は少し面倒なのだ。

 俺が教えようか教えまいか悩んでいると。


「お願い!」


 委員長が頭を下げてきた

 色々とデカいから迫力がある。身長もデカいので行き成り頭を下げられると怖いモノがある。


「はぁ・・・分かった」


 流石に女子に頭を下げられて何もしない訳じゃない。


「加賀君、ありがとう」

「礼はこいつが起きてから言え」


 

 そう言って俺は富田の耳元に近づき小声で「富田って昼寝しないと体がもたないとか子供っぽい」と呟く


「誰が子供だ!」


 すぐに飛び起きた


「おはよう、富田君」

「ん?委員長と加賀か・・・おはよう」

「早くは無いから、おそようだな」


 どうやら、まだ寝ぼけているようだ


「ああ・・・そうだな。ところで俺を子供扱いした奴がいると思ったんだが・・・・気のせいか?」


 っち、寝ぼけてないのか


「なんだ、まだ寝ぼけているのか?お前を馬鹿にしたらどうなるか分かったモノではないからな」

「そう・・・だよな気のせいだよな」


 誤魔化そうとしたがまだ、少し疑っているか?まあ、誤魔化せない程ではないか。


「ほら、そんな事よりもう放課後だぞ。俺たち以外はもう誰も居ないぞ。お前が起きるまで待っていてくれた委員長に感謝しろ」

「そうか、もうそんな時間か・・・ありがとう委員長」

「気にしなくていいよ。だって委員長だもん」

「そっかならいいか」

「お前は気にしろ」


 ほんと、こいつは懲りないな


「じゃあ、さっさと帰ろうぜ」


 そう言って富田は素早く荷物を纏める


「今の今まで寝ていた奴が仕切るな」

「あはははは・・・・」


 富田が準備を終え帰ろうとした時だった


「あ?」


 いきなり目の前が歪んだ

 立ち眩み等の視界の歪みでは無く、目の前の空間がいきなり捩じれる。


「え?え?」

「何だこりゃ・・・」


 二人の方をみると二人は歪んでいない。そして、二人のリアクションを見るとどうやら二人も同じように見えるらしい。

 もう一度、歪みを見るとその歪みは先ほどよりも大きく歪んでいる。さらに、その範囲も広くなっている。いや、今も徐々にだが大きくなっている。

 心なしか広がるスピードも少しづつだが広がるスピードも早くなっている。


「なんか・・・ヤバくない・・・?」


 誰がその言葉を言ったのか解らない。ただ、目の前の者が今の自分の理解できるモノではないと思った。

 早く逃げなくては、そう思っい後ずさった次の瞬間歪みが爆発したかのように早く広がり、俺達のいる所にも歪みが広がり歪みが俺達に襲いかかる。


「逃げ・・・


 そうして、俺達は歪みに飲み込まれた。


誤字脱字、質問等がありましたらコメントにどうぞ。


2015/06/10 委員長の胸のサイズをEからF変えたのと少し書き足しました

2015/12/21 後々の展開の違和感を無くす為に書き足して置いた方が良さそうな部分があったため書き足しました。

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