何がしたかったんだろう
ツンデレサキュバス登場です。
「完成っと」
チョコレートケーキはうまく焼けたと思う。
ルー様が満足してくれるくらいには。
ルー様の満面の笑みが思い浮かぶ。早く届けてあげよう。
「あら、オリベさん、あなたまだルー様の教育係をしているの?」
厨房からでてきた私に声をかけてきたのはトレニア=ナイトシェード。
ルー様の婚約者候補で、高位魔族だ。
私がルー様になつかれているのが気に入らないらしく、何かにつけてつっかかってくるんだよなぁ。
可愛いことで。
「下等な人間の血の混ざった半人前のあなたが、魔王候補のルー様の教育係なんておかしいと思わない?むしろ教育に悪いわ」
「しかし私が選ばれたのは事実ですので」
私が言い返すと眉をつりあげるトレニア。
折角の美人が台無しですよ?
トレ二アは淫魔の血が流れていて、ロリ巨乳なんである。
将来はグラマー美女間違いなし!
ただ、つり目だし金髪だし典型的な悪役顔なんだよなぁ・・・それはそれでおいしいけども。
「あなたは何もかもが中途半端なのよ。
魔族として半人前だし、女としても半人前だわ!」
「女として、ですか?」
「そうよ!」
びしっと指をさされる。
人に指をさしたらいけないんですよー。
「女のくせになんでそんなに男前なの!?目は切れ長で透き通ってるし、顔は端整で!
胸もなくて細身で見惚れてしまいそうなくらいだわ!女にしとくなんて勿体無い!」
貶されてる・・・・・・・のか?
あれ、これ褒められてる?
「美麗な顔をしているのに、そんな格好では台無しだわ!
ルー様の教育係たるもの自分の服装にも拘るべきでしょう!?」
誉められてる?のかな?
まぁ、確かに私の格好は質素かもしれない。
あくまで身軽さと丈夫さを重視しているからね。見苦しくはないと思うんだけど。
「いいですわね、確かに忠告しましたわよ!」
言い切った!と言った感じのドヤ顔をして、捨て台詞(?)を吐いて去っていくトレニア。
うーん。
・・・・・・何がしたかったんだろうね?
まぁ、いいや。
私が思うにだね、あの子はツンデレ担当だと思うんだ!
ルー様が懐いてる私に嫉妬してつっかかってくるとことかもう可愛すぎる。
背中にちっさくて可愛い翼あって、黒髪赤目のルー様と並ぶとマジで萌える。
ルー様もツンデレ属性だし、お似合いだよねえ。
2人の将来が楽しみです。