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魔王の元教育係ですが勇者の仲間になりました☆  作者: レーゼ
人間世界へやってきました☆
13/31

人間の住む町へ

深い緑の木々が影を作る山道を、一匹の狼が駆ける。

実に見事な銀糸の毛並みがたなびき、琥珀の瞳がきらりと光る。

その背に跨って、薄く笑みを浮かべる軽装の美青年の容姿もあいまって、まるで絵画のようだった。けれどあまりにも早すぎて、誰の目にもとまることはない。

彼らは、凄まじいスピードで山道を下っていった。






「きもちよかったぁ・・・!」



大きくのびをしてからロウの背をとびおりる。

ロウの背に乗って駆けるのは、すごくきもちいい。風が頬にあたって、爽快な気分になる。


「ロウ、みなよ。あれが人間界だ」


私は、ロウを呼び寄せた。

崖からみえる、人間の国。煙突のある中世ヨーロッパみたいな家々がみえる。ファンタジーだ。

以前人狼を助けに人間界に行った時は夜だったから、町並みをみることはできなかった。だから感動する。


「あの国は確か、オールベル王国っていうんだ」

『のどかそうな国だね』

「私の調べたところによると、今代国王が平和主義らしい。あの町はマウンテって名前で、王都からは馬車で10日間くらいの位置にある。ロウなら2日もかからないだろうけどね」

『そうなんだ』

「で、この山はモーア山って言うらしい。モーア山には低級な魔物が住んでいるらしく、時々町を襲うそうだ。だから冒険ギルドもある。・・・私は冒険ギルドに登録するつもりなんだ」


さっきはスピードがはやすぎて、魔物に遭遇しなかったんだけどね。

冒険ギルドに登録して、ギルドカードをもっておけば身分証明になる。そしたら色んな町をスムーズに行き来できる。それに、異世界といえば冒険者だろう。実は、異世界に転生してから密かに憧れていたのだ。

今までの身分上冒険者になることはまず無理だったわけだけど、今の私は自由だ!


「ってことでロウ。あの町で私達は冒険者になるんだ」

『冒険者?・・・なんだかラナ、楽しそう・・・・ラナの決定したことに従うよ』

「ありがとな。・・・もういこうか」

『わかった、乗って」


そう言うとふせてくれるロウ。礼を言って跨ると、すっくと起き上がり、喉を鳴らした。あー、可愛い。首に顔をうずめると、めっちゃもふもふだった。当然である。行きにめっちゃブラッシングしたからな!


「とばしていくぞ!」

『うん!』


私の言葉に頷いて、ロウは崖をとびおりた。



スピードをあげ、崖をとび、伝っておりる。ジェットコースターとかの絶叫マシーンが大好きだった私には、物凄く爽快。変装の為に肩まで切った髪がばさっと後ろへ行き、ついつい笑みがもれる。

崖をおりきって、それでも速度は落ちない。ハイスピードで町を目指す。

このスピードなら、今日中にマウンテにたどり着くだろう。・・・・山の麓だからマウンテって、安直だなぁ。人のこといえないけど。



異世界の町への期待に、胸が高鳴った。

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