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魔王の元教育係ですが勇者の仲間になりました☆  作者: レーゼ
人間世界へやってきました☆
12/31

旅立ち

新章、開幕です!・・・tkここからが本当の本編です。

前章から4年後で、ラナは19歳になっています(前世の年齢もあわせると36歳ですが)。

ちなみにルーキフェルは15歳。

「何を考えてるの?」

「・・・ロウと初めてあった時のことだよ。ルー様と2人で、奴隷競売場(オークション)にのりこんだんだっけ」


魔王城を眺めながら、私はロウの問いに答えた。


今でも昨日のことのように思い出せる。


あれは4年前。


あの後、城に帰ったら案の定ばれてて、怒られるかと思いきや『さすが殿下』だなんて言われて。

トレニアには『ずるいですわー!』って言われたっけ。


「もう、行く?」

「・・・いいの?」

「うん」


懐かしくて、私の大事な思い出のひとつになっている。


「ばいばい、魔王城。ばいばい、ルー様」


10年をすごした魔王城に、立派に成長した教え子に、別れを告げる。


ここにくることはもう二度とないかもしれない。


ルー様にあうことはもう、二度とないかもしれない。


そう思うと少し悲しかった。






私の名前はラナンキュラス=オリベ=アシアティクス。


魔族と人間の親をもつ半人前の魔族だ。ちなみに両親は行方不明である。

この世に生を受けて早19年。2日前までは、次期魔王候補最有力のルーキフェル=ブラッドリー殿下の教育係だった。


私の隣を歩くのは人狼のロウ。

4年前魔王城のマンドラゴラの畑を荒らした人狼少年である。現在16歳。


あの日、人狼の群れにロウを帰そうとしたのだが、ロウはそれを拒み、恩人である私を主と決めた!と叫んだのである。

で、人狼の(アルファ)が、群れを救った私にならロウを任せられるとかいいだして、今に至るのである。


ロウという名前は私が名づけた。

(ロウ)、なんて安直にも程があるけど、いい名前が思いつかなかったのだ。許してくれ。


ロウはあれよあれよと大きくなり、人化できるようになった。

しかも人化したら銀糸の髪の神秘的な外見で、魔王城の掃除婦(キキーモラ)やら現魔王専属の侍女(サキュバス)やらをばったばったおとしてくださった。

おかげで皆の私を見る目は更に冷たくなった・・・・ひどい。


そんなロウだが私に忠実で、もふもふだし、強いし、もふもふ(大事なことなので2回いいました)なので私には勿体無い従者なんであった。

魔法は使えないがすばやいししなやかだし、満足ですとも。ルー様はなぜかロウのことが気に入らないらしかったけど。



そんなことはさておき。


私は今、魔王城のある暗黒大陸をでて、人間の大陸をめざしている。


私は15年間魔王城にいた。

暗黒大陸をでたのは、人狼達を救いだしにこっそりぬけだしたあの1回きりだった。


勿論、あの生活に不満なんてなかった。

ルー様の教育係は楽しかったし、周りには疎まれていたが気にならなかったし。前世への未練も今ではあまりない。


でも、どこかで薄々感じていた。

魔王城の私の居場所が、なくなりつつあることを。


現魔王デスデモーナ様は、魔王稼業を引退することを考えているらしい。デスデモーナ様は吸血女王(ヴァンパイアクイーン)

吸血鬼(ヴァンパイア)は長命種だ。強い者なら1000年以上生きることもあるという。


しかしだ。


デスデモーナ様はかれこれ500年以上、三大魔王の1人として暗黒大陸に君臨してきた。

13歳の時に即位して、500年以上を魔王として、縛られてきた。もう限界なのだろう。


魔王候補は4人。ルー様とその弟のミカディオン殿下。トレニアの兄であり淫魔(インキュバス)のデジロ。そしてデスデモーナ様の姪のユウィフィール様だ。

ミカディオン殿下は10歳になったばかり。年齢的にも実力的にもきっと魔王にはなれない。

デジロはルー様に心酔している。選ばれてもルー様に王位を明け渡すだろう。ユウィフィール様はまだ魔力を制御できていない。


消去法でも、ルー様が魔王になるのは確実だった。


ルー様が即位すると同時に、トレ二アとの婚姻も進められるだろう。

そうなれば私は邪魔になる。

トレニアの侍女のイルジーナが泣きながら訴えてきた。


それに、私がルー様に教えられることはもうない。


ルー様やトレニアの邪魔にはなりたくない。

それに、新しい世界をみてみたいとも思っていた。



だからこそ私は、ロウと2人きりで旅立ったのだ。














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