人狼救出大作戦
評価していただいていることにさっき気付きました・・・遅いですね。
や、ありがとうございます!
ブックマークも30件こえてました、感激です。
ラナ→奴隷商人に雇われた用心棒
と視点が変わります。
どうも、ラナンキュラスです。
現在ルー様と2人で愛の逃避行・・・・・・ではなく、人狼達をさらった人間を追っています。
ルー様ぶっとばしてらっしゃるんでついていくのが大変・・・・なふりをしつつ結構速度をあげて森をかけていますです
「ラナ!魔力を感じる。あっちだ」
ちなみにルー様、人間の魔力は半径50メートル圏内でなければ感じ取れない。魔族に比べて人間の魔力はかなり少ないからね。私は人間の血が混ざっているからかチートのおかげかわかるんだけど。
つまりルー様の感じている魔力の持ち主は十中八九人狼のものだ。
人間を襲ってる魔族か魔物、またはかなり高位の魔術師か、竜人ってことも考えられるけど。魔族や魔物ならもっと邪悪な感じがするから多分人狼だろう。
「ラナ、速度をあげるぞ。さすがに身体強化をかければついてこれるよな?」
身体強化をかけなくてもついていけますとも。
多分スピードはルー様より上だと思うよ、私。攻撃力とかは劣るけども。
「私はあなたの教育係ですよ?通常の魔族に比べて弱いとはいえなめられては困りますね」
tkこの会話が無駄だよ。もしすでに売られちゃってたり生皮はがされちゃってたらどうすんだ!
「よし」
私の心の声が届いたのか、先程よりも速くなるルー様。
人狼達が無事であることを祈りつつ、私もスピードをあげた。
俺の名はジョン。
奴隷商人に用心棒として雇われている傭兵だ。
雇い主の奴隷商人は亜人を見下しており、奴隷に対して非人道的だ。だが用心深く、俺のような用心棒を十数人雇っている。商人といえばけち臭い奴が多いが、俺の雇い主は太っ腹だ。いけすかない奴だがそこは気に入っている。
雇い主は前々から、町をでてすぐの森に住んでいる人狼達を狙っていたらしい。人狼は強く気高く美しいので、かなり高く売れるからだ。
そこで雇い主は森の入り口付近に住みつく盗賊の頭領ととりひきをし、俺達用心棒と盗賊達に人狼の集落を襲わせたのである。
人狼達は一匹一匹はとても強い。それこそ魔族ぐらいに。
だが、戦闘慣れした数十名の俺達用心棒に、約100名のいる盗賊達。数で圧倒的だった俺達は、人狼達をまんまと捕らえることに成功した。
人狼が最も魔力をおとすという新月の日に、人狼の弱点とされる銀の武器を使った、というのがよかったのだと思う。
雇い主はほくほく顔で、俺達にいつもの倍の報酬を与えた。
俺は人狼に左手の薬指と中指をくいちぎられてしまったが、死を覚悟していたのでこんなことでへこたれはしない。薬指と中指を失ったところで、剣がふれないわけではないからな。
そして、今日。
雇い主は人狼を競りにかける為、奴隷競売場にやってきていた。
俺は競売場の入り口にて雇い主の支度がおわるのをまっていたわけだが。
そこに、2人の人物があらわれた。
1人は10歳程の、美少年。漆黒の髪に深紅の瞳の美少年。高貴なオーラがにじみでており、貴族の子息であることはまちがいない。
もう1人は柔らかいまなざしの、まさに美青年。
柔らかそうなブロンドの髪に薄紫の切れ長の瞳。ローブを着込んでいることから、彼が魔術師だとわかる。美少年のそば仕えだろうか?
あらわれた2人の美男子をついまじまじと見ていると、美青年の方がこっちに近づいてきた。
なぜだ。
「失礼ですが、ここは奴隷競売場ですよね?」
男性にしてはやや高めの心地のいい声で、美青年が話しかけてきた。
頷くと、唇に笑みを浮かべる。
「あなたは、用心棒の方とお見受けします。質問しても?」
「ああ、かまわないが」
「ありがとうございます。あなたを雇っている方は奴隷商人ですか?それとも客でしょうか」
妙なことをきいてくるな、と思いつつ奴隷商人だと答える。
すると美少年の方がピクリと反応した。
「では、本日人狼が競りにかけられるかと思いますが、誰が出品したのかわかりますか?」
「ああ、俺の雇い主だ」
俺の言葉をきいた途端、美青年が笑みを深くした。なぜかそれが恐ろしく思えて鳥肌がたった。
美少年の目がぎらりと光った気がした。