表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

二週間の休暇

この章では、待ちに待った二週間の休暇が始まります。和樹とハイミヤの静かな二人の時間、そして突然の来客——泉の恋愛相談によって賑やかな一日へと変わっていきます。サラと泉の関係、そして和樹の家族との温かい再会。二人の「言葉だけの夫婦」という関係が、少しずつ確かなものになっていく様子をお楽しみください。笑いあり、照れあり、そして家族の温もりあり——Season 2らしい穏やかで幸せな一話です。

「全校生徒の皆さんにお知らせします。本日より二週間の休暇に入ります。有意義な時間をお過ごしください」

スピーカーからの校長先生の声が廊下に響き渡った。

ハイミヤ・山城と結城・和樹は並んで家路についた。玄関のドアを開けると、和樹はそっとドアを閉め、ハイミヤをドアに寄りかからせてキスをした。

離れた瞬間、ハイミヤは頬を染めて言った。

「…最近、積極的すぎじゃない?」

「なんでダメなの?」

和樹はそう言いながら彼女をソファへ連れて行き——

ピンポーン。

チャイムが鳴った。

「…和樹?」

聞き覚えのある声。ハイミヤはため息をつき、立ち上がった。

「ほら、行って。怒らないで」

「怒ってないけど」

ドアを開けると、泉が立っていた。

「なんで怒ってるの?」と泉が首をかしげる。

「どこから見て怒ってるように見える?」

「…まあいいや。助けてほしいんだ」

ちょうどそこへ、着替えを済ませたハイミヤが顔を出した。

「どうしたの?」

泉は深刻な顔で話し始めた。

「先輩、助けてください。父さんが……サラと別れろって」

「え?」ハイミヤが驚く。

「サラのことを幼稚だって。うちの家族には合わないって言うんです」

ハイミヤはしばらく考えてから言った。

「一度、サラちゃんを家に連れて行ってみたら?ちゃんと向き合えば、きっと伝わるよ」

泉は和樹を見た。

「先輩はどうやってご両親を説得したんですか?ハイミヤ先輩を認めてもらえたのって……」

和樹は少し笑った。

「うちのお母さんは最初からハイミヤのことが好きだったよ。俺はただ、ハイミヤに一緒にいてほしいって頼んだだけ」

泉は目を丸くした。ハイミヤは顔を赤くして、桃みたいになった。

「…じゃあ連れて行くだけでいいってこと?」

泉はすぐにサラに電話した。しばらくして彼女が来ると、二人は揃って家へ向かった。

「うまくいくといいね」とハイミヤが見送った。

夕食後、和樹が食器を洗っていると、ハイミヤを軽く持ち上げてこう言った。

「あと六ヶ月で俺たち、十九になるね」

「それで?」

和樹はにやりと笑った。

「冗談だけど——大人になったら色々できるね」

ハイミヤは真っ赤になった。

「もう!まだ十九になってもないのに!」

和樹は笑った。「冗談だよ」

ハイミヤはほっとして、二人は並んで眠りについた。

翌朝、和樹が先に目を覚ました。床にハイミヤの上着が落ちていた。

——え、まさか——

そっと毛布をめくると、彼女はゆったりとしたトップスとショートパンツ姿で静かに眠っていた。和樹は安心して、彼女の頭をそっと膝に乗せた。眠ったまま、ハイミヤはかすかに微笑んだ。

和樹は起こさないよう立ち上がり、部屋を片付け始めた。

八時半。

「ニャーーーー!」

大きな猫の鳴き声のような声が寝室から聞こえた。

扉を開けると、ハイミヤが両腕を広げていた。和樹は笑いながら彼女を抱き上げた。

「お茶、飲みたい」

「はいはい」

温かいお茶を渡すと、ハイミヤは嬉しそうに一口飲んだ。

「おはよう」

「おはよう」

和樹が顔を近づけた瞬間——スマホが鳴った。泉からだった。

ハイミヤが吹き出した。「二回目だよ」

「わかってる」と和樹が電話に出た。

「先輩!作戦成功です!両親、サラを認めてくれました!」

「そうか、よかったな」

電話を切ると、今度こそ二人だけの時間が戻ってきた。

しばらくして、和樹のスマホに今度はお母さんから着信が来た。

ハイミヤがさっと取った。

「もしもし、お母さん!」

『あら、娘!こっちに来なさい』

「はい、明日行きます!」

電話が終わると、和樹は呆れ顔で言った。

「俺への電話だよね、それ」

ハイミヤは舌を出した。

「奥さんには権利があるの」

「まだ書類上は四年先だけど」

ハイミヤは彼の膝に座り、胸を張った。

「だからこそ、奥さんはもっと大切にされないと」

「誰から守るの?」

「…未来の旦那さんから」

和樹は目を細めた。「何されたの?」

ハイミヤは泣き真似をした。「お母さんに言いつけるから」

「……好きにして」

二人は笑いながら荷物をまとめ、和樹の地元へ向かった。

家に着くと、お母さんは和樹より先にハイミヤを抱きしめた。

「二人とも可愛い!ねえ、もしかして赤ちゃんは——」

ハイミヤは真っ赤になった。

「ま、まだです!二十歳を過ぎたら、必ずお母さんの願いを叶えますから!」

隣に立っていたお父さんが和樹に小声で言った。

「いい子をもらったな」

和樹は静かに微笑んだ。

「彼女が選んでくれたんです。俺はただ、彼女の心をもらっただけで」

次の第八話では、和樹の実家での滞在が続きます。いくつかの展開が予想されます——

予想される見どころ:

お母さんとハイミヤの「嫁と姑」コンビが暴走?和樹そっちのけで二人だけの世界へ

お父さんと和樹の静かな父子の会話——息子の成長を認める場面

泉とサラから「報告」の連絡が来て、ハイミヤが大喜び

実家の古いアルバムで和樹の子供の頃の写真を発見、ハイミヤが大爆笑

帰り道、夜空の下で和樹がハイミヤに「四年後」の約束を静かに語る場面

穏やかな休暇の中に、二人の未来への一歩が刻まれる——そんな第八話をお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ