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誰も守れない英雄の話

作者: ドキツトム
掲載日:2026/02/08



第一章 灰の帰還


 爆発音より先に、嫌な予感が来る。


 灰原衛士は、夜の山肌を滑るように駆けながら、その予感を「経験則」と呼んで切り捨てた。

 切り捨てないと動けない。

 切り捨てないと、足が止まる。


 八咫烏――日本において、存在しないことになっている特殊部隊。

 任務は化学兵器拠点の制圧。

 奪還ではない。制圧。

 つまり、多少の損耗は織り込み済みだ。


「衛士、正面通路の熱源、四。右に二」


「把握」


 耳奥で隊員の声が跳ねる。

 衛士は短く返し、崖側の死角へ身体を寄せた。

 夜は深い。だが暗視具の緑の中では、敵の息遣いまで白く見える。


 爆薬班が壁にチャージを貼る。

 秒読み。

 衛士は一度だけ、背後の若い隊員を見た。まだ二十にも満たない顔。唇が乾いている。


「隊長」


「なんだ」


「終わったら……結婚するんです」


 こういう話を出す隊員は、大体死ぬ。

 ジンクスなんて嫌いだ。

 だが、何度も見てきた。


「帰れ」


「え?」


「生きて帰れ。話はそれからだ」


 若い隊員が笑って頷く。

 その瞬間、起爆。


 壁が裂け、閃光と爆圧が胃を殴る。

 衛士は先頭で飛び込み、銃床で一人目の顎を砕き、二人目の手首を蹴り折る。

 通路奥に罠線。起爆コード。

 視界の端で、若い隊員の足がそれにかかる。


「伏せろ!」


 衛士は反射で隊員を突き飛ばした。

 次の瞬間、世界が白く飛んだ。


 鼓膜が破れるような高音。

 肺の空気が押し出される。

 床を転がる身体の向こうで、誰かが叫んでいる。

 自分かもしれない。


 焼けた臭い。血。粉塵。

 視界が黒く狭まり、最後に見えたのは、倒れ込んだ若い隊員の無事な顔だった。


 ――よかった。


 そう思った瞬間、意識が落ちた。



 次に目を開けたとき、天井は石造りだった。

 梁に吊るされた乾燥薬草が、微かな甘い匂いを落としてくる。


 衛士は跳ね起きた。

 傷口が悲鳴を上げる。胸、脇腹、左肩。応急手当はされている。

 周囲確認。窓一、扉一、武器なし。

 敵意――なし。


「よ、よかった……! 目が覚めたんですね……!」


 白い修道服の少女が駆け寄ってきた。

 年は十五、六ほど。茶色の髪を後ろで雑にまとめ、目の下には寝不足の影が濃い。

 泣きそうな顔で、それでも必死に笑っている。


「ここは?」


「セントラ村の神殿です。川辺で倒れていたあなたを、みんなで運んで……」


 少女の言葉の途中で、外から鐘が鳴った。

 一度、二度、三度。

 警鐘だ。しかも焦っている。打ち方が荒い。


 少女の顔から血の気が引いた。


「また、来た……」


「何が」


「狼です。群れが……村を……」


 衛士はすぐ立ち上がる。

 少女が慌てて腕を掴む。


「無理です! あなた、まだ……」


「動ける」


「でも――」


 衛士は少女の手をやさしく外した。

 震えている。

 怖いのに、見知らぬ男の心配をしている。


「名前は」


「え?」


「君の名前」


「リディア、です」


「リディア。外は俺が見る。君は中で怪我人を受け入れる準備をしてくれ」


 リディアの唇がわなないた。

 それでも、彼女は頷いた。


「……死なないでください」


 衛士は一瞬だけ目を細める。


「善処する」



 村は小さかった。

 川沿いに家が二十ほど、畑、風車、神殿。

 守りやすくもあり、破られたら終わりでもある。


 森側から狼の群れが下りてくる。十数。

 その奥に、人影。

 衛士の目が細くなる。狼だけじゃない。


「全員聞け!」


 衛士の声が広場を切り裂いた。

 村人たちが振り向く。恐怖で足が止まっている。


「男は荷車を橋に横倒しにしろ! 二重に!

 女と年寄りは濡れ藁を焚いて煙を出せ!

 子どもは神殿裏、走るな、転ぶ、歩け!」


「だ、誰だお前は!」


「今は誰でもいい。死にたくなければ動け!」


 怒鳴りは嫌いだ。

 だが、恐怖で固まった人間を動かすには、時に必要になる。

 数秒の遅れが命取りになる。


 最初の狼が跳んだ。

 衛士は地面に落ちていた薪割り斧を拾う。

 重心が悪い。切れ味も鈍い。

 それでも、十分だ。


 半歩だけ引いて軌道を外し、狼の首筋へ斧頭を叩き込む。

 骨が軋む音。

 二匹目は踏み込みで腹へ蹴り、着地に合わせて後頭部を割る。

 三匹目、四匹目。

 群れは勢いで来る。勢いを殺せば、獣は脆い。


 煙が流れ、狼の嗅覚が鈍る。

 村人の投石が顔面に当たり、陣形が崩れる。

 衛士はリーダー格の喉を叩き潰し、群れの統率を奪った。


 狼は吠え、森へ引く。

 だが終わりじゃない。

 奥から今度は人間が出てくる。

 皮鎧、粗末な剣、錆びた槍。二十以上。


 盗賊だ。


 村人の誰かが泣き叫ぶ。

 衛士は深く息を吸った。


「まだ終わってない。橋から先に入れるな」


 盗賊の先頭が笑う。

 歯が欠けている、四十前後の男。


「よそ者が英雄気取りか? いいから女と食糧寄越せ」


 衛士は斧を構え直す。


「断る」



 橋は狭い。

 狭所戦は、数の不利を削る。


 先頭の斧男が振り下ろす。

 衛士は内側へ潜り、手首へ刃の背を叩き込んだ。

 斧が落ちる。

 腹へ膝。

 顎へ柄頭。

 男が崩れる前に次へ。


 後ろの槍兵は突きが雑だ。

 焦りが早い。

 衛士は槍先を流して橋欄へ押し込み、肩を外す。

 痛みで叫ぶ声が、後続の足を止める。


「今だ、押せ!」


 村人たちが荷車をさらに押し込み、橋の口を半分塞ぐ。

 投石が雨のように飛ぶ。

 濡れ藁の煙が視界を濁らせる。


 盗賊側にとっては地獄だ。

 前は詰まり、後ろは押し合い、視界は悪い。

 衛士はその混乱だけを狙って刃を入れる。

 急所ではなく、武器手、膝、足首。

 殺しすぎると恐怖が暴走して余計に荒れる。

 逃げ道を残して崩すのが、最短だ。


 十数分で、盗賊は敗走した。

 数人は村人が捕らえた。


 興奮した男たちが口々に叫ぶ。


「殺せ! こいつらのせいで!」


 衛士は一歩前へ出る。


「殺すな」


「だが!」


「いま必要なのは復讐じゃない。情報だ」


 縄で縛られた盗賊の胸ぐらを掴む。


「誰の指示だ」


「……し、商人だよ。王都の……」


「名前」


「知らねぇ……けど、印が――逆さの百合……」


 衛士の視線が盗賊の短剣へ落ちる。

 鍔に、確かに逆さの百合の刻印。

 ただの山賊じゃない。売買のルートがある。


 村人たちはざわめき、恐怖と怒りを同時に滲ませる。

 衛士は短く言った。


「村長、神殿に全員集めろ。今夜は見張りを三交代。

 捕縛者は生かす。口を割らせる」


 村長は迷いながらも頷いた。

 誰もが気づいている。

 この男がいなければ、今夜ここは終わっていた。



 夜更け。

 神殿の裏庭で、衛士はようやく腰を下ろした。

 傷が鈍く痛む。

 痛みは生きている証拠だが、証拠だからといって嬉しくはない。


 リディアが湯気の立つ椀を差し出した。

 野菜の薄いスープ。塩気が少し足りない。


「ありがとう」


「味、ないですけど」


「十分だ」


 リディアは衛士の向かいに座り、膝を抱える。

 火の光が、彼女の横顔を幼く見せた。


「衛士さんって、兵士さんなんですよね」


「ああ」


「……たくさん、戦ってきたんですか」


 衛士は答えに詰まる。

 戦ってきた。

 勝ってきた。

 守ってきた。

 そして、守れなかった。


「まあ、それなりに」


「私、今日……はじめて人が死ぬところ見ました」


 リディアの声が震える。

 彼女は手を強く握り、爪が白くなる。


「怖かったです。足が動かなくて。

 なのに、衛士さんは迷わないんですね」


「迷ってる」


「え?」


「迷ってるけど、止まらないだけだ」


 リディアはしばらく黙ってから、小さく笑った。


「それ、ずるい励まし方です」


「励ましてない」


「励まされました」


 その言葉に、衛士は言い返せなかった。



 翌朝、王国兵が来た。


 磨かれた鎧。整った隊列。

 悪くない。だが実戦の匂いは薄い。

 先頭の若い士官が書状を読み上げる。


「灰原衛士。王命により王都へ同行せよ。

 拒否する場合、武力をもって拘束する」


 村人がざわつく。

 リディアが衛士の袖を掴んだ。


「連れて行かないで……」


 士官が眉をひそめる。


「君、王命だ。邪魔をするな」


 衛士は士官の目をまっすぐ見た。


「同行はする。だが条件がある」


「条件?」


「この村の防衛手順を引き継げ。

 見張り三交代、橋の防壁維持、夜間灯火制限。

 できないなら、俺はここを離れない」


 士官の顔に苛立ちが浮かぶ。

 命令系統を崩されるのは面白くない。

 けれど、村人の視線が痛いほど刺さっている。


「……わかった。引き継ごう」


 衛士は頷いた。

 去り際、リディアがまた袖を掴む。


「約束してください。帰ってくるって」


「生きていれば」


「それ、ずるいです」


 衛士は一拍置いて言い直す。


「帰る。約束する」


 リディアの目が少しだけ明るくなった。



第二章 王都の温度


 王都は、遠目には宝石みたいに綺麗だった。

 近づくと、傷だらけだった。


 城壁内の大通りには香辛料と花と笑い声。

 一本裏に入れば、泥と飢えと喧嘩の声。

 同じ国のはずなのに、息のしやすさが違う。


 謁見の間は冷たかった。

 王は老いてなお眼光を失っていない。

 その右に宰相。整いすぎた顔。温度のない眼。

 左に騎士団長。寡黙な巨漢。


「灰原衛士」


「はっ」


「そなたの戦果は聞いている。王国騎士団に加われ」


 命令。

 衛士は膝をついたまま答える。


「従います。

 ただし、兵の命を無駄にする命令には異議を申し立てます」


 ざわ、と空気が鳴った。

 宰相の目が細くなる。


「無礼だな」


 王は手で制した。


「よい。正直者は嫌いではない」


 その瞬間、衛士は理解した。

 この国は、王だけでは回っていない。

 そして、王だけが本当に国を見ているのかもしれない。



 演習場で、衛士はすぐ注目を集めた。

 副団長レオニスとの模擬戦。

 三合目で木剣を喉に突きつける。


 周囲がどよめく。

 敵意。賞賛。嫉妬。期待。

 ぜんぶ慣れている。

 慣れていても、好きにはなれない。


「強いね、あなた」


 背後から女の声。

 振り向くと、赤みのある栗髪の女騎士が立っていた。


「イレーネ。第一遊撃中隊」


「灰原衛士」


「知ってる。噂がうるさいから」


 彼女は笑う。

 笑い方が軽いのに、目の奥は鋭い。


「あなた、強いけど、顔が死んでる」


「よく言われる」


「治す方法、知ってる?」


「知らない」


「じゃあ私が教えてあげる。

 ちゃんと飯食べて、ちゃんと寝て、ちゃんと誰かに愚痴る」


 衛士はわずかに口元を動かした。


「難題だな」


「一個ずつでいい。まず飯」


 イレーネは有無を言わせず食堂へ引っ張っていく。

 途中で合流した大男がライナス。

 奥で無言で弓の手入れをしているのがカイル。


 この三人と組んだ最初の訓練で、衛士は不意に思った。

 背中を任せるのは、怖い。

 でも、ひとりより、少しだけ呼吸が楽だ。



 西部戦線への派兵が決まった。


 初陣の兵が多い。

 不安は隊列にそのまま滲む。


「隊長、正面から押せば勝てますよね?」


 若い兵の問いに、衛士は首を振る。


「勝てるかどうかじゃない。何人で勝つかだ」


 衛士は地図を広げる。


「正面は囮。主攻は南側道。

 弓兵は敵魔導兵の手首を狙え。詠唱を潰せ。

 補給車は破壊、食糧は回収。

 焼き払うな。明日ここで飢えるのは敵じゃなく民だ」


 兵たちは最初こそ戸惑ったが、実戦で理解する。

 戦術は、奇跡より再現性が高い。


 夜襲では松明を禁止した。

 光は敵にも味方にもなる。

 闇を味方にした側が勝つ。


 結果、連戦連勝。

 兵は衛士を「勇者」と呼び始める。


「やめろ」


「でも!」


「俺は兵士だ。勇者じゃない」


 それでも呼び名は消えない。

 英雄を欲しがるのは、いつの時代も同じだ。



 異能が芽吹いたのは、三度目の会戦だった。


 敵の大斧兵が突進してくる。

 避けきれない角度。

 その瞬間、衛士の手の中に、見えない“重み”が集まった。


 振るう。

 空気が軋み、地面が沈み、敵列がまとめて崩れる。


 周囲が凍りつく。

 衛士自身も、呼吸を忘れる。


「……いま、何を」


 わからない。

 だが、使える。

 使えるなら、使う。


 重くする。軽くする。

 拳に質量を載せる。

 足を羽のように軽くして、刃だけを山のように重くする。


 戦況は一気に傾いた。

 歓声が上がる。

 衛士の背中には、見えない荷が増える。



 凱旋後、王都で短い休暇が出た。

 イレーネが城壁の上に衛士を連れ出す。


「下、見て」


 夕暮れの王都。

 橙色の光に屋根が染まり、人々の声が風に混ざる。


「この景色を守ってるんだよ、私たち」


「……そうだな」


「でもさ」


 イレーネは欄干にもたれたまま、前を見た。


「守るって、綺麗な言葉じゃない。

 守るために、見捨てることもある。

 それを、あんたはもう知ってる顔してる」


 衛士は沈黙した。

 リディアの顔が頭をよぎる。


 イレーネは続ける。


「だからお願い。

 自分を責めるの、ほどほどにしな。

 あんたが壊れたら、守れるもんも守れない」


 衛士はしばらくして、やっと言った。


「努力する」


「うん。それでいい」



 休暇は三日で終わった。

 次の命令が来る。


 東方の盗賊討伐。


 西部戦線が不安定な中、主力の衛士隊を外す。

 不自然だ。

 カイルが低く言う。


「これは政治ですね」


 衛士は肯定も否定もしない。

 ただ命令書を折りたたみ、立ち上がる。


「行くぞ」



 東方は静かすぎた。

 静かすぎる場所は、だいたい罠か、手遅れの前触れだ。


 いくつかの村を救い、盗賊を掃討し、拠点を潰した。

 そして急報が届く。


 西で帝国が再侵攻。

 北でも同時蜂起。

 王都からの命令は「即時帰還、王都防衛優先」。


 衛士の胸が冷える。

 西。

 セントラ村がある方角だ。


「隊長、どうしますか」


 ライナスの問い。

 衛士は地図を見つめる。


 王都は持つ。

 西の村は持たない。

 計算は明白だった。


「……王都へ戻る」


 その言葉は、喉を切る刃みたいだった。



 王都防衛戦は勝利した。

 被害は大きいが、落ちはしなかった。

 だが衛士の心は晴れない。


 戦後、衛士は命令外で少数隊を編成し、西へ向かった。

 走り続けた。

 間に合え、と祈りながら。


 間に合わなかった。


 セントラ村は焼けていた。

 教会の扉は破られ、祭壇は血で汚れ、子どもたちは机の下で折り重なっていた。

 衛士の足が止まる。


 神殿の奥。

 リディアがいた。


 白い修道服は赤黒く染まり、顔には暴力の痕。

 目は閉じている。

 まるで眠っているみたいに、静かだった。


 衛士は膝をつき、震える指で彼女の髪を整える。

 何か言おうとして、言葉が出ない。

 やっと出た声は、ひどく掠れていた。


「……すまない」


 その一言が、刃みたいに自分を刺す。

 約束した。帰ると。

 帰った。

 遅すぎただけだ。



 墓を作った。

 村人たちと一緒に、石を運び、穴を掘り、名を刻む。

 雨が降る。

 土が重くなり、手が泥にまみれる。


 リディアの墓標の前で、衛士は長く立ち尽くした。

 花を供える手が、止まらない。


「隊長」


 カイルがそっと傘を差し出す。

 衛士は首を振る。


「濡れてる方が、ちょうどいい」


 ライナスが歯を食いしばって言う。


「……俺ら、間に合わなかったな」


 衛士は答えない。

 答えられない。


 雨音の中、衛士は心のどこかで誓った。

 次は、絶対に守る。

 その誓いが、どれだけ脆いか知りながら。



第三章 武神


 帰国後、休む間もなく辞令が下る。

 ベール帝国との全面戦争。


 敵戦力の報告書に、ひとつだけ赤字があった。

 世界十傑――武神ヘイラー。


 その名を見た瞬間、幕舎の空気が重くなる。

 十傑は、戦場の理屈を壊す存在だ。


 衛士隊は前線補佐に配された。

 最初の数日、戦況は悪くなかった。

 衛士の戦術で補給線を守り、夜襲で砦を奪い、撤退戦を最小損害で収める。


 夜、焚き火のそば。

 イレーネが衛士の隣に腰を下ろす。


「ねぇ」


「なんだ」


「まだ、夢に見る?」


 衛士は火を見つめたまま答える。


「見る」


「誰を?」


「全員」


 イレーネは何も言わない。

 少しして、水筒を差し出した。


「飲みな。ぬるいけど」


 衛士が受け取る。

 その沈黙が、慰めだった。



 地獄は、報告から始まる。


「前線壊滅! 団長戦死! 副団長戦死!

 武神ヘイラー、出現!」


 伝令の声が裏返っていた。

 司令部が騒然となる。


 宰相が冷たい顔で言い放つ。


「ここで退けば、徴兵で民を出すことになる。

 誰が行く」


 沈黙。

 誰も目を上げない。


 衛士は前に出た。


「俺が行く」


「無謀だ!」


「無謀かどうかは行ってから決まる」


 衛士は振り返り、仲間を見る。


「来たくない奴は来るな」


 ライナスが鼻で笑う。


「いまさら置いてかれる方が怖えよ」


 カイルが矢筒を締め直す。


「合理的ではありませんが、賛成です」


 イレーネは剣を肩に担ぎ、いつもの調子で笑った。


「隊長の面倒、誰が見ると思ってんの」


 胸の奥が少しだけ温かくなる。

 それが、最後に感じた平穏だった。



 前線。

 こちら二千。向こう三千。

 数だけならまだ戦える。

 本当に問題なのは、ヘイラーがいることだ。


 衛士は特殊部隊時代の戦術に切り替えた。

 分断、偽装撤退、夜間浸透、司令系統切断。

 序盤は理想的に進む。


 敵右翼が崩れ、中央に穴が空く。

 兵たちの顔に「勝てる」が浮かぶ。


 その瞬間、戦場の空気が変わった。


 巨躯の男が、ゆっくり歩いてくる。

 鎧は傷だらけ、眼だけが異様に静か。

 巨大な斧を片手で担ぐ。


 武神ヘイラー。


 ただ歩くだけで、前線が割れる。

 盾ごと斬られる。

 兵がまとめて薙ぎ倒される。


「下がれ!」


 衛士の叫びをかき消すように、悲鳴が連なる。

 イレーネが歯を食いしばり、突撃した。


「てめぇぇぇ!」


 ヘイラーは視線すら変えず、斧を一閃。

 イレーネの脇腹から血が噴いた。


 彼女の身体が回転して地面に叩きつけられる。

 動かない。


 衛士の中で、何かが切れた。


 まただ。

 また守れないのか。



 衛士はヘイラーの前に立つ。

 理性は焼け、身体だけが凍るほど静かだった。


 踏み込む。

 斬る。

 重力を刃に乗せる。

 空気が裂ける。


 ヘイラーがはじめて斧で受ける。

 火花が散る。

 押している。

 だが、次の瞬間、武神の反撃が来た。


 重い。

 ただ重いだけじゃない。

 技の芯が鋼みたいに硬い。


 斧の一撃が衛士の肋を砕き、肺から血が逆流する。

 膝が落ちる。

 視界が揺れる。


 土に手をついたまま、衛士の脳裏に顔が流れた。

 若い隊員。

 リディア。

 倒れたイレーネ。

 笑っていたライナス。

 黙って茶を淹れるカイル。


 守れなかった。

 守れなかった。

 守れなかった。


 ――だからどうした。


 内側の声が、低く響く。

 悔やむのは生き延びてからだ。

 ここで倒れたら、また同じだ。


 衛士は立ち上がる。


 重力の制御が、ひとつ奥へ沈む。

 重い軽いだけじゃない。

 「落ちる」「進む」「止まる」という法則の接続が、わずかにズレる感覚。


 ヘイラーが目を細めた。


「面白い。貴様、世界に嫌われる力だな」


「嫌われてもいい。守れるなら」


 衛士は地を蹴る。

 慣性を裏切る加速。

 斧の軌道の外から内へ、さらに外へ。

 連撃。

 武神の防御が追いつかない。


 ヘイラーも力を解放する。

 地面が裂け、衝撃波が兵を吹き飛ばす。


 それでも衛士は止まらない。

 守るための戦いは、理屈じゃ退けない。


 最後の一合。

 衛士は武神の斧を受け流し、体勢の「成立条件」そのものを崩すように、首筋へ刃を滑らせた。


 ヘイラーの巨体が膝をつく。

 次いで、倒れる。


 静寂。

 それから、敵軍の崩壊が始まった。



第四章 笑わない騎士団長


 凱旋は盛大だった。

 世界十傑を討った男。

 新たな十傑。

 英雄。

 民はそう呼ぶ。


 衛士は何も感じなかった。

 王の前に膝をつき、叙勲を受け、騎士団長の任命を受ける。

 拍手は遠かった。


 夜、ライナスが酒瓶を差し出してくる。


「飲め。少しは楽になる」


「ならない」


「だろうな」


 ライナスは隣に座って瓶を傾けた。


「でも、俺らはお前が生きてて助かった」


 カイルも来て、静かに言う。


「責任感は美徳ですが、自己処罰は無意味です」


 衛士は返事をしない。

 二人はそれ以上何も言わなかった。

 それがありがたかった。



 新任務が告げられる。

 魔法学院から帰国する姫、エイナの護衛。


 港で初対面。

 エイナは長い黒髪を風に揺らし、衛士を見るなり眉を上げた。


「あなたが新しい騎士団長?

 無愛想ね。誰にもモテないでしょ」


 衛士は無言で礼をする。

 エイナが呆れたように鼻を鳴らす。


「ほんとに喋らないのね」


「任務中ですので」


「息をするのも任務?」


「必要なら」


 エイナは一瞬ぽかんとして、吹き出した。


「変な人」



 護衛の日々は平穏ではなかった。

 毒入り茶会。

 馬車襲撃。

 夜会での魔術暴発。

 全部、衛士が無言で潰した。


 ある夜、書庫で二人きりになる。

 エイナは本を閉じ、衛士の左腕の古傷を見た。


「それ、痛む?」


「問題ありません」


「またそれ。

 あなた、問題があることを認めると死ぬ病気?」


 衛士は視線を落とす。

 エイナは少しだけ声をやわらげた。


「ねえ。

 私は守られるだけの人形じゃない。

 あなたが苦しいなら、苦しいって言って」


「……言って、どうなる」


「私が隣にいる」


 衛士は初めて言葉に詰まる。

 エイナは続けた。


「あなたのその顔、嫌い。

 何も感じてない顔」


 衛士の胸がわずかに痛む。

 エイナは視線を逸らし、ほとんど聞こえない声で言った。


「でも、たまに笑うでしょ。

 あれは、好き」


 衛士は返事ができなかった。

 代わりに、ほんの少しだけ口元がゆるむ。

 エイナはそれを見て、満足そうに本を開いた。


第五章 燃える王都


 異変は、訓練場に届いた一通の急報から始まった。


 封蝋は王家の紋。だが切り口が荒い。

 伝令の馬は泡を吹き、騎手の手は血で滑っていた。


「黄都の大軍、三万……! 世界十傑の1人、鬼神が、出ています! 王都が――」


 最後まで言い切る前に、男は地面に崩れ落ちた。


 衛士は地図を掴み、即座に命じる。


「全隊、軽装。補給は最小。

 重装は後続に回せ。俺たちは先行する」


「団長、敵は三万です!」

「だから急ぐ。数が多いほど、初動が遅い。いま戻れば間に合う」


 ライナスが槍を背負い直し、カイルは無言で矢束を二つ増やした。

 誰も反論しない。

 衛士の目を見れば、わかる。これは命令じゃない。祈りに近い。


 ――エイナを守る。


 衛士はそれだけを胸に、馬を潰す勢いで王都へ走った。



 城壁が見えたとき、空はすでに赤かった。


 王都は燃えていた。

 市街の屋根が崩れ、塔が折れ、悲鳴が風に混じっている。

 衛士の喉がひりつく。


「中央門は捨てる。東水路から入る!」


 少数で正門を突くのは自殺だ。

 水路は狭く臭い。だが死角になる。


 先頭で入った衛士は、下水格子を内側から破壊し、路地に飛び出す。

 目の前に黄都兵。十数。

 迷う暇はない。


 重力を刃に集中。

 一閃で先頭三人の武器を砕く。

 続けて踏み込み、喉、膝、手首。

 殺意で押してくる敵を、最短の動きで無力化していく。


「団長! 北区に味方生存多数!」


「後続に救助を回せ。俺は王城へ行く」


 ライナスが叫ぶ。


「一人で行くな!」


「行く。お前たちは民を拾え。

 俺が守ると言ったのは、姫だけじゃない」


 その言葉に、ライナスは一瞬だけ歯を食いしばり、頷いた。


「……死ぬなよ」


「お互いにな」



 王城の内庭に着いたとき、衛士はやっと息を吐いた。


 エイナは無事だった。


 侍女たちを背に、短剣を握ったまま立っている。

 髪は乱れ、頬に煤がついていたが、その目はまだ折れていない。


「遅い!」


 エイナの第一声は、いつもの調子だった。

 それが、どれほど救いだったか。


「申し訳ありません」


「謝る暇があるなら守りなさい」


「……承知した」


 エイナが衛士の顔を見て、ほんの一瞬だけ声を落とす。


「来てくれるって、思ってた」


 衛士は短く答えた。


「来ると決めていた」



 守りの戦いは、衛士の領分だった。


 城内の廊下に家具障壁を組み、矢線を限定する。

 狭所に敵を誘導し、重装を先に潰す。

 魔術師は詠唱前に射抜く。

 扉は開けるためでなく、詰まらせるために使う。


 数時間、王城は持った。

 兵たちは「いける」と言い始める。

 衛士も、ほんのわずかにその可能性を信じた。


 そのときだった。


 内側から、城門が開いた。


 軋む音。

 続いて雪崩れ込む敵兵の怒号。

 味方の顔から血の気が引く。


「裏切り……!」


 カイルが吐き捨てるように言った。

 衛士はすぐ理解した。門を開けられるのは、限られている。


 宰相だ。


 敵は万単位で流れ込む。

 廊下の防衛線が破られ、庭に血が広がる。


 ライナスが衛士の肩を掴んだ。


「団長! 王と姫を!」


「お前はどうする」


「時間を稼ぐ。得意だろ、こういうの」


 ライナスは笑った。

 泣きたくなるほど、いつもの笑い方だった。


 カイルも弓を引きながら言う。


「論理的に最優先は王族の離脱です。

 感情的には、あなたに死なれるのが一番困ります」


 衛士は首を振る。


「二人とも来い」


「無茶言うなよ」


 ライナスは槍を回し、振り向かないまま続ける。


「お前は守るって言ったんだろ。だったら守れ。

 ここは俺らが何とかする」


 カイルが最後の矢を番えた。


「団長。

 後悔の少ない選択を」


 衛士は、言葉を失った。

 命令を下せば生きるかもしれない。

 だが、ここで全員が動けば全員が死ぬ。


 衛士は拳を握り、血が滲むほど力を込める。


「……必ず、迎えに来る」


 ライナスが笑う。


「遅れんなよ」


 その言葉が、最後だった。



第六章 隠し通路


 衛士はエイナを連れ、王の執務室へ駆けた。


 扉は破られ、室内は荒れ果てている。

 床に王が倒れていた。

 胸元から流れる血が、赤黒い池を作っている。


「……父上?」


 エイナの声が、子どもみたいに細くなる。

 王は薄く目を開き、娘を見た。

 そして衛士に視線を移す。


「衛士……」


「陛下」


「エイナを……頼む」


 王の手が空を掴み、力なく落ちた。

 エイナが膝から崩れ、声にならない嗚咽を漏らす。


 衛士は唇を噛む。

 泣いている時間はない。だが、泣く時間を奪うのも残酷だ。


「行くぞ」


「いや……!」


「ここにいれば死ぬ」


「父上を置いて、行けるわけ――」


 衛士は一歩近づき、震える肩を掴んだ。


「あなたが生きることが、陛下の意思だ」


 エイナは涙で濡れた目で衛士を睨み、そして力を抜いた。


「……命令、しないで」


「お願いだ。生きてくれ」


 その言葉で、エイナはようやく立ち上がった。



 隠し通路の入口まであと数十歩。

 そこに宰相が待っていた。


 私兵を従え、いつもの整った笑みを浮かべている。


「美しいでしょう? この混乱。

 王が老い、国が鈍るなら、新しい王が必要だ」


 エイナが吐き捨てる。


「化け物」


 宰相は肩をすくめた。


「歴史は勝者が書く。私は勝者になる」


 衛士はエイナを背に庇い、低く言う。


「道を開けろ」


「断る。

 あなたは有能すぎた、灰原衛士。

 だから消えてもらう」


 私兵が一斉に襲いかかる。


 衛士一人なら、殲滅できる。

 だが背後に守るべき人がいる。

 動きは制限され、刃は半拍遅れる。


 それでも衛士は戦う。

 前衛の喉を裂き、側面の足を払う。

 重力で三人を床に叩きつけ、通路へ押し返す。

 血飛沫が石壁に咲く。


 最後の一人を倒した瞬間、乾いた音が鳴った。


 短銃。


 宰相の手がまだ煙を上げている。

 その銃口の先で、エイナの身体がぐらりと揺れた。


「……え」


 エイナの腹部に赤が広がる。

 衛士の視界が真っ白になる。


「エイナ!」


 衛士が抱き止める。

 温かい血が掌を染める。止まらない。


 宰相が後ずさる。

 その目に初めて恐怖が浮かんだ。

 衛士の殺気が、人のそれを越えたからだ。


「き、貴様……」


 衛士は立ち上がる。

 次の瞬間、宰相の首が飛んだ。


 何をしたのか、自分でもわからない。

 気づけば宰相は床に転がり、私兵の残党は震えて武器を捨てていた。



第七章 告白


 通路の入口で、衛士はエイナを抱きかかえる。

 呼吸が浅い。血の泡が唇に浮く。


「しゃべるな。すぐ医師に――」


「無理よ」


「無理じゃない」


「ほんと……無愛想」


 エイナは笑おうとして、咳き込む。

 血が溢れる。


 衛士の手が震える。

 止血帯を巻いても、圧迫しても、流出が止まらない。

 戦場で何百も見てきた傷だ。

 助からない位置だと、身体が知ってしまう。


「衛士」


「……なんだ」


「最初に会ったとき、言ったでしょ。

 あなた、誰にもモテないって」


「覚えてる」


「撤回する」


 エイナの指が、衛士の頬に触れる。

 冷たい。


「私、ずっと……あなたが好きだった」


 衛士の息が止まる。


「だから、笑って。

 あなたが笑うと……世界、まだ捨てたもんじゃないって思えるの」


「……やめろ」


「やめない。

 最後くらい、わがまま言わせて」


 エイナは痛みに顔を歪めながら、それでも続ける。


「生きて。

 私の分までじゃなくて、あなたのために。

 ねえ、約束」


 衛士の目から、熱いものが落ちた。

 泣くのはいつぶりだろう。

 泣き方を忘れていた。


「約束する。

 だから、目を閉じるな」


 エイナは小さく首を振る。


「……あんたは、笑わないと、ほんとに……」


 言葉はそこで切れた。

 指先の力が抜ける。

 体温が、急速に遠のく。


 衛士は声も出せず、ただ彼女を抱きしめた。



第八章 三万の影兵


 城外へ出ると、王都は地獄だった。


 炎。

 瓦礫。

 逃げ惑う民。

 敵兵の怒号。


 衛士はエイナを抱えたまま歩く。

 その目から感情が消える。

 いや、消えたんじゃない。

 感情が大きすぎて、表に出せなくなった。


 足元の剣。折れた槍。割れた盾。

 瓦礫の鉄骨。崩れた門扉。


 衛士の能力が、静かに解放される。

 重力の先へ。法則への干渉。


 金属が震え、浮き上がる。

 欠けた武具と石材が組み上がり、人型になる。

 一体、十体、百体、千体。


 王都の広場を埋める、三万の影兵。


 その輪郭はどこか人間に似ていた。

 槍を構える姿がライナスに、

 静かに弓を引く姿がカイルに、

 前へ出る剣の角度がイレーネに似ていた。


 衛士は何も命じない。

 それでも影兵は理解するように動いた。


 進軍。


 敵兵の列が紙みたいに裂ける。

 悲鳴。逃走。崩壊。

 黄都の陣は総崩れになった。


 その中で、ただ一人、動かない男がいた。

 鬼神。世界十傑の一人。

 異様な圧を纏い、衛士の前に立ちはだかる。


「止まれ、灰原衛士」


 衛士は止まらない。

 鬼神が構える。

 次の瞬間、衛士はその横を通り過ぎていた。


 一拍遅れて、鬼神の左足が膝下から落ちる。

 鮮血が噴き、巨体が崩れた。


 鬼神は地面に手をつき、信じられないものを見る目で衛士の背を見る。


「……なんだ、それは」


 衛士は振り返らない。

 ただ、エイナを抱えたまま歩き続けた。



第九章 緑の丘


 どれだけ歩いたのか、時間の感覚はなかった。


 朝か夕かもわからない空の下、衛士は王都から離れた緑の丘に辿り着く。

 風が草を揺らし、遠くで鳥が鳴いている。


 戦場とは、別の世界みたいに静かだった。


 衛士は膝をつき、エイナをそっと草の上に寝かせる。

 髪を整え、汚れた頬を拭う。

 指先が止まる。

 もう温かくない。


 丘の土は柔らかかった。

 衛士は素手で穴を掘る。

 爪が割れ、指が裂けても止まらない。


 やがて小さな墓ができる。

 衛士はエイナを抱き上げ、そこに横たえる。

 何か言わなければと思うのに、言葉は出ない。


 代わりに、衛士は自分の剣を土に立てた。

 墓標の代わりに。


「……笑えって、言ったな」


 風が吹く。

 草が揺れる。


 衛士はぎこちなく口角を上げる。

 笑顔というには、あまりに下手な形だった。

 それでも、確かに笑った。


 涙が頬を伝う。

 衛士は空を見上げた。


「約束する。

 俺は、生きる」


 誰に聞かせるでもない誓いが、丘に溶けていく。


 遠くで、焼け落ちた王都から黒煙が昇っていた。

 この国はまだ終わっていない。

 終わらせないために、立たなければならない。


 衛士は最後にもう一度、墓へ手を添える。


「また来る」


 立ち上がり、振り返らずに歩き出す。

 背中は重い。

 それでも、足は前へ出る。


 守れなかった名を背負って。


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。


この短編は、

「強くなること」

「守ること」

そして

「それでも失ってしまうこと」

をテーマに書きました。


主人公・衛士は、決して“正しい選択”ばかりを選べた人間ではありません。

彼は仲間を救えず、国を救えず、愛する人も守れませんでした。

それでも最後まで立ち続け、歩き続けることだけはやめなかった。

この物語は、そんな“敗北の積み重ねの上に立つ強さ”を描いたつもりです。


本編では、衛士はまだ「終わっていない存在」として描かれています。

彼の戦いも、喪失も、罪も、ここで完結したわけではありません。

この先、彼がどんな道を歩むのか。

英雄として語られるのか、怪物として恐れられるのか。

それとも、誰にも知られないまま消えていくのか。


それはすべて、本編の中で描いていく予定です。


この短編が、

本編へ向かうための“入口”になれば嬉しいです。


重く、暗く、救いの少ない話でしたが、

最後まで付き合ってくれたあなたに、心から感謝します。


ありがとうございました。


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