プタンロード盟主伝(粉暦1年~50年)
港の潮の匂いは、いつもより濃かった。
朝靄に包まれたエルモラ港の防波堤から、私は帆を畳んだばかりの艦隊を見下ろしていた。海は穏やかで、波は静かに船腹を叩く。それはまるで、長い戦乱の後に訪れた束の間の安らぎを祝福するようにも思えた。
「提督、そろそろです」
背後からの声に振り返ると、副官のリュシアンが立っていた。まだ若いが、海戦での胆力は私が最も信頼するものだ。
今日は、百年以上続いた対立に終止符を打つ日だ。150の組織が一堂に会し、「プタンロード統一盟約」に署名する。大陸史の転換点になる――はずだった。
朝靄に包まれたエルモラ港の防波堤から、私は帆を畳んだばかりの艦隊を見下ろしていた。海は穏やかで、波は静かに船腹を叩く。それはまるで、長い戦乱の後に訪れた束の間の安らぎを祝福するようにも思えた。
「提督、そろそろです」
背後からの声に振り返ると、副官のリュシアンが立っていた。まだ若いが、海戦での胆力は私が最も信頼するものだ。
今日は、百年以上続いた対立に終止符を打つ日だ。150の組織が一堂に会し、「プタンロード統一盟約」に署名する。大陸史の転換点になる――はずだった。