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朝飯は簡単に

県境でふて寝をした翌日。

ジャックやルーナに囲まれて何とかもふもふで心を癒すことに成功する。


「今日は県央を目指す!そして、結界を発動している要を排除し県から出られるようにする!」


「俺はメグルの上にゃん!」


「わおん!」


「早速妾に乗っていくか?」


朝一で今日の目標をみんなの前で宣言した。早速とばかりにジャックは俺の上で猫キャップに変化し、ルーナは元気のいい返事。玉藻も俺が乗りやすいように背を屈めてくれる。


「乗り気なようで何よりだが、朝飯はいらないのか?」


腹が減ってはなんとやら。まずは腹ごしらえに何か食べような。


「ジャックとルーナは昨日のスーパーで自分たちで選んだカリカリにするか。ゆっくり食べろよ。玉藻は何食べるんだ?っていうかサービスエリアで何食べてたんだ?」


「妾か?妾が食べるものは人の子と変わらないぞ?昨日も何やら美味そうな匂いがしたから寄っただけだしの」


「それじゃあお揚げが特に好きとかそう言う事もないのか?」


「なんじゃそれは。お揚げとやらは美味しいのかの?」


「お揚げだけで食べることは珍しいが、美味しいと思うぞ?味が良く染み込むし、うどんの上に乗せたきつねうどんとか定番だな」


うどんの話してたらうどんが食べたくなったな。赤いで有名なきつねうどんでも食べるか。

ガスコンロにヤカンをセットしてお湯を沸かす。お湯を注いで五分待つだけで出来上がり。


「美味そうな匂いよのー」


「玉藻もこれ食べるか?」


「よいのか!?なんだか理性を奪われそうな匂いがして、先ほどから我慢するのが大変だったのじゃ!」


今にもよだれを垂らしそうな顔で、食べたいって思ってるのが丸分かりだったからな。狐はやっぱりお揚げが好物なのな。


「代わりにこっち食べるか」


赤いを玉藻にあげたからではないが、緑で有名なかき揚げそばを食べるとしようか。

お湯を注いで再び五分。きつねうどんも好きだが、こっちのそばも美味しいんだ。カップ麺自体がたまにしか食べないってこともあるんだが、忙しい時に重宝するよな。


「それではいただきます。……ん?どうしたんだルーナ?」


いざ食べようとした時に、そばを見つめる瞳に気づく。改めてみると綺麗な青色だな。


「わぅん?」


「美味しいの?って聞いてるにゃん」


「俺は美味しいと思ってるが、ルーナが食べられるかは疑問だぞ?犬って食べられない物結構あるはずだろ?」


確かネギとか食べちゃまずいんじゃなかったっけか?エビも食えるのか?危なそうだし、そんな見られても上げられないぞ?


「わぅん?わおん!」


「玉藻は良くて何で私は駄目なの!って言ってるにゃ。確かに同じイヌ科にゃん。メグルが昨日言ってたにゃー」


そう言われればそうなんだが、玉藻は自分で人と同じもの食べれるって自己申告してきたしな。

それとキツネがイヌ科なんて口に出してたか?


「お前様。ルーナ様が食べたいと言っておるのだ。はよ渡さんか!」


「って言われてもな。これネギ入ってるし、他にもアレルギー物質が入ってるんだ」


「ルーナ様がそんなものでどうにかなるものか。妾の尊敬するお犬様じゃぞ?妾同様人の子の物を食べても問題はずじゃ。何かあるとすれば好き嫌いじゃな」


玉藻の話ではルーナは何か凄い奴なんだと思うが、ルーナって転生してるんだろ?それって今はただの犬ってことじゃないのか?それとも力を手にしたときに問題なくなったのか?


「それじゃあ少し食べてみるか?もし食べてみて駄目ならすぐに吐き出せよ?」


ルーナの目の前にかき揚げそば差し出す。ルーナに渡すか葛藤している間にかき揚げが出汁を吸っていい感じに美味しそうになってる。

俺と玉藻のアレルギー云々を聞いて躊躇っている間にジャックがかき揚げを掻っ攫っていく。


「食べないなら俺が貰うにゃってあっついにゃ!!!」


猫舌だもんな。多少の冷めなんて意味ないよな。


ジャックにメインといっても差し支えないかき揚げを持っていかれたルーナは、これ以上持っていかれてはたまらない!と思ったのかそばを食べ始めた。おいしそうに食べてんね。


早速二食分も水を消費するとは思わなかった。これ以上の消費は避けたい。総菜パンで我慢するか。


それぞれが朝飯を食べ腹を満たした。

今度こそ県央に向かって移動を開始する。


「ジャックー!そろそろ行くぞー」


少し離れていたジャックを呼ぶと、走り寄ってくる勢いそのままにジャンプし変化しながら頭に着地。変化になれてきたな。


「ルーナも大丈夫そうだな。相変わらず埋もれて」


昨日は一本で埋もれていたが、今日は二本に埋もれてるんだな。


「そろそろ動くぞ?ルーナ様もお前様も準備はよろしいか?」


「問題ない。県央に向かってくれ!」


俺の合図と共に玉藻が空を翔る。


「こうして空から見ると、魔物ってやっぱり食いもの探してるんだな。道路にちらほら見える小鬼だけど、スーパーやコンビニは結構集まってるように見える。嗅覚がいいのか?それならアスファルトを口に入れないか」


小鬼の生態が分かれば少しは緊張せずに戦えるようになるかと思ったが、何も考えずに食い物を探してる事しか分からなかった。


「まだ小鬼以外の魔物を見てないんだよな。スーパーで小鬼以上の何かをルーナが倒してるとは思うんだが。玉藻は別の魔物って見たか?空翔けてるし、空を飛ぶ魔物とか見てないか?」


「空を飛ぶ魔物は見ておらぬな。遠くの方に天狗の奴らしきものは見たが、遠くて確認は出来ておらんし。地上でも小鬼のほかは見ておらん。多少大きい奴は見たが、強さも変わらんしな」


天狗か。これまた凄いのが出たな。名も無き天狗ならあれだが、太郎坊、次郎坊とかだったらどうなるんだろうか。いや、八大天狗って神に近いって言うし、魔物としては現れないか?そうなると玉藻も魔物じゃない?もしかして、ゴブリンだと思ったから小鬼を魔物って呼んでるが、これも違うのか?


「お前様よ。そろそろ県央になるが、どこに降りる。ここら辺は妾よりお前様の方が詳しいであろう?」


あっという間に県央に着いてたのか。疑問が出てきたところだが、まずは結界の要をどうにかしないとな。目的を間違えないようにしないと。


「あそこに見える一際高い建物が見えるか?あれがこの県の中央の建物だ。ひとまずそこに降ろしてくれ」

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