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第八話 冠位十二階と十七条の憲法

 〇 冠位十二階


 聖徳太子は日本で初めての位階制度である冠位十二階を制定しました。



 □ 603年 冠位十二階を制定

 □ 605年 冠位十二階が施行




――引き続きスポットゲストは蘇我馬子と聖徳太子です。



推古(すいこ)「わたくしの出番が少ないですわ。まあ、政治の細かいところは二人にお任せしますわ」



聖徳太子(しょうとくたいし)「ヤマト政権は豪族の連合政権の意味合いが強く氏により仕事が決まっています。これを隋のような官僚制に移行するのが国造りの第一歩です。その為に官僚の位階を十二に分けて制度化しました」



――大徳・小徳・大仁・小仁・大礼・小礼・大信・小信・大義・小義・大智・小智の十二階の冠位が制定されました。



馬子(うまこ)「私は大臣で冠位を授ける立場です。なので冠位十二階の外の身分ですね」



推古(すいこ)「正月にわたくし自ら冠位を諸臣に授けましたわ」



聖徳太子(しょうとくたいし)「これで家柄にとらわれず有能な人材を確保することが出来ます」



推古(すいこ)「豪族の長老の横やりに惑わされずに官僚を大王家が直接指導出来るのはよろしいですわね」



聖徳太子(しょうとくたいし)「中央集権化の第一歩です。あくまで一歩目ですけれどね」



馬子(うまこ)「前回の遣隋使で官僚制がなかったことで蛮族呼ばわりされましたからね。隋と外交をする為にも必要な制度です」



――秦河勝が小徳に叙任じられているが、基本的に大徳・小徳などは臣や連の姓を持つ者に限られて固定身分制を打破するほどではありませんでした。






 〇 十七条の憲法


 聖徳太子は日本で初めての憲法である十七条の憲法を制定しました。



 □ 604年 十七条の憲法を制定




――604年に全十七条からなる日本最初の成文法の十七条の憲法が制定されました。憲法とは言っても官僚に対する心構えを説いたものです。



聖徳太子(しょうとくたいし)「第一条、和を以て貴しとなす。第二条、篤く三宝を敬え。第三条、天皇の勅に従え」



馬子(うまこ)「仏教、儒教の影響もありますが、第一義に和を尊ぶというのが日本的ですな」



聖徳太子(しょうとくたいし)「仏教を日本に導入して国教とするならば日本化していかなければなりません」



推古(すいこ)「悪くはないですわ」



――古くから十七条の憲法は日本書紀の創作ではないかと言われています。



聖徳太子(しょうとくたいし)「心外だなぁ。内容を読めば南朝仏教の影響を強く受けていることが分かるはずだよ。奈良時代の仏教徒は少し思想が違うからね。日本書紀は原文を伝え聞いて書く時にその時代で通じる表現に翻案したのだろうね」



――最初の遣隋使では「政務を午後にするのは文明国がすることではない。政務は朝にするから朝廷だ」と言われたので隋のシステムに会わせることにしました。昭和の頃はヤマト朝廷と呼んでいたのが平成の頃からヤマト政権に代わったのは朝廷は飛鳥時代以降で古墳時代は朝廷ではないということかもしれません。



推古(すいこ)「単なる言葉遊びでどうでもいいですわ。大和夕廷にでもしておしまい」






 〇 法隆寺


 聖徳太子は斑鳩宮(いかるがのみや)を造営して移り住みました。

 世界最古の現存する木造建築物の法隆寺(ほうりゅうじ)が完成しました。



 □ 601年 斑鳩宮を造営

 □ 605年 斑鳩宮に移り住む

 □ 607年 法隆寺が完成する

 □ 670年 法隆寺が火事で消失する




――聖徳太子は斑鳩宮(いかるがのみや)を造営して移り住みました。



聖徳太子(しょうとくたいし)「大王や馬子が新羅征伐をしている裏で宮と寺を造っていた。その寺(法隆寺)が完成しました」



――現存する世界最古の木造建築と言われています。



聖徳太子(しょうとくたいし)「火事で燃えましたけれど」



――七世紀末に再建されたとされてますし、その時代に造られたとしても世界最古です。



推古(すいこ)「木造建築は朽ちやすいからの。よくぞ千三百年も残ったものですわ」



――耐震性に優れており二十一世紀には法隆寺の構造を最新の耐震技術に応用しているそうです。



聖徳太子(しょうとくたいし)「秦氏は未来人、はっきり分かります」



――聖徳太子は予言書である未来記を書き残したとの伝説もあります。「2050年頃、精神を支配する黒い悪魔が来て都を七つに分断する」とか。



聖徳太子(しょうとくたいし)「な、なんだってーっ」



推古(すいこ)「お前が驚くのかい! ですわっ!」


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