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第六話 推古天皇即位

 〇 推古(すいこ)天皇即位


 炊屋姫(かしきやひめ)が即位して推古(すいこ)天皇となります。

 厩戸皇子は摂政となり四天王寺を建立しました。



 □ 593年 推古天皇が即位する

 □ 593年 厩戸皇子が摂政となる

 □ 593年 四天王寺の建立

 □ 594年 推古天皇が三宝興隆の詔を発布




――炊屋姫(かしきやひめ)が即位して推古(すいこ)天皇となりました。



推古(すいこ)天皇(以下「推古(すいこ)」)「他に大王への成り手がおりませんから、わたくしが即位することにしましたわ」



――日本史上初の女性天皇です。



推古(すいこ)飯豊(いいとよ)天皇がいらしましてよ」



――飯豊天皇とは清寧天皇の次に即位したとされる女性天皇です。ですが、史料により即位したかどうかに違いがありまして、日本書紀では即位していないのと明治時代に歴代天皇を整理した時に外されて歴代天皇一覧には入ってません。ですので、推古天皇が日本史上初の女性天皇というのが公式見解となります。



推古(すいこ)「わたくしが最初となるのですわね。身が引き締まりますわ」



――厩戸皇子(うまやとのみこ)が摂政となったと言われていますが?



推古(すいこ)「この時代に摂政なんて役職はありませんわ。次の大王を指名して皇太子にするなんて制度もないけれど、有力候補には政治経験を積ませることはしますわ。お爺様(継体天皇)は伯父様(安閑天皇)を皇太子扱いして右腕として政務を委任していたそうですわね」



――厩戸皇子に政務をさせているのでしょうか。



推古(すいこ)「政務は馬子が恙なく処理しておりますの。厩戸は四天王寺を建立しておりますわ。丁未の乱で四天王を祀る寺を建てると宣言してから六年も経ってるから張り切ってますのよ。竹田皇子はわたくしの後継者なるべくお勉強中ですわ」



――推古天皇は三宝興隆の(みことのり)を発布しました。三宝とは仏・法・僧を意味し、仏教そのものを表します。四天王寺建立も合わせて仏教国家を推し進めていますね。



推古(すいこ)「仏教は国を一つにまとめるのに便利だと馬子も言ってましたわ」



――竹田皇子はこの頃に亡くなったと思われます。



推古(すいこ)「ああ………親より先に亡くなるなんて親不孝な子」



――残された有力皇族は以下の通りです。


 敏達天皇 ┬ 押坂彦人大兄皇子 ― 田村皇子

      ├ 春日皇子

      └ 尾張皇子


 用明天皇 ┬ 厩戸皇子

      ├ 来目皇子

      └ 当麻皇子



推古(すいこ)「わたくしの血を引く皇子はもういないのですわ。娘婿の厩戸皇子が大王になればわたくしの直系の孫皇子が………」



――厩戸皇子の后となった菟道貝蛸皇女うじのかいたこのひめみこが嫁いですぐに亡くなりました。



推古(すいこ)「娘まで立て続けに………」



――厩戸皇子がショックで旅に出ました。



推古(すいこ)「ふぁっ! ショックで悲しみが吹き飛びましたわ」



――596年頃に愛媛県の道後温泉に聖徳太子こと厩戸皇子が湯治に来たとの伝承が残ってます。



推古(すいこ)「四国まで温泉入りに行くなんて、次の大王は本当にあの子でいいのかしら?」






 〇 帰って来た厩戸皇子


 厩戸皇子は温泉旅行から帰って来た。




厩戸(うまやと)「お久しぶりです、大王」



推古(すいこ)「道後温泉へ行っていたそうね。元気そうでなりよりですわ」



厩戸(うまやと)「はい。帰りに山背国で友人ができたので連れて帰ってきました」



秦河勝(はたのかわかつ)秦河勝(はたのかわかつ)と申します」



――秦河勝は秦氏をまとめる族長です。秦氏は雄略天皇や欽明天皇に協力していましたが、権力を目指ざない独特な立場を維持していました。



厩戸(うまやと)「秦氏は秦の始皇帝の子孫なんですよ」



推古(すいこ)「それは面白い一族ですわね」



厩戸(うまやと)「渡来人を積極的に同族に招き入れて新たな知識と技術を吸収している勤勉な一族なのです。彼らに仕事を頼みたいと思いまして」



推古(すいこ)「馬子の連れてる金剛組だけでは物足りないのかしら。どんな寺を建てたいのです?」



厩戸(うまやと)「新しい宮と四つの寺を斑鳩(いかるが)に造ります」



――こうして厩戸皇子は斑鳩宮(いかるがのみや)斑鳩伽藍群(いかるががらんぐん)法隆寺(ほうりゅうじ)中宮寺(ちゅうぐうじ)法輪寺(ほうりんじ)法起寺(ほっきじ))を建立することになった。秦河勝は厩戸皇子を生涯支えて行くことになる。


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