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自鳴琴は静かに笑った  作者: おいしい麦茶
3/3

停潮

午後10時までを午前1時までと見間違えてしまいました。

「あれはなんだったんだ?」

 そのフレーズが何度も頭の中を渦巻く。机の上、彼女が取り返した財布をただ眺めていた。弟たちも寝静まった深夜、カチカチと時を刻む音だけが存在する。もしかしたら彼女はものすごい武術でも体得しているのかもしれない。いい加減な推論をしながら部屋の明度を落とし、布団に潜る。重みを増すまぶたに無抵抗のまま、身を休めよ…「びゃあああああ!」…うとした時だった。


「どしたの?」

「こっ、怖い夢みたの!!」弟の勇汰はかみながらもなんとか意思表示に成功する。まだ幼稚園児ですらない弟にとっては多大なる功績と言えるだろう。

「…一緒に寝る?」と提案するも、彼は首を横に振る形で答えた。おそらく謎のプライドが彼の本意を邪魔しており取り除く必要があるようだ。

「絵本読むよ。」

 暗い部屋の中でも小さな勇者の目が輝いたのがはっきりとわかった。家事は大変だが、こういうちょっとしたサプライズがあるのでなかなかやめられない。


「昨日はありがとう。」と兎走をつかまえた少年は言った。昨日感謝の意を伝えるのを忘れたから今、HR前朝一に来たのは不自然ではないはずと言い聞かせながら。「いいよ。」と兎走。その言葉が、昨日の一連の出来事の存在を証明した。少年は一、二度瞬きをする。喉まで出かかった疑問を見失ってしまう。そうこうするうち、彼女は足早に消えてしまった。






「…続いてのニュースです。宇宙研究開発機関RUX(ルックス)は月の公転運動が減速しているとの研究結果を発表しました。」

本当に無知なんですが、アクセス歴のpv数は最後までしっかり見られた回数なのか、それとも間違って開いた分も含まれるのかどうなんでしょうか。

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