第二十八話・・・混浴なんて、そんなラッキースケベイベントが起きる訳
どもう......空野そらでございます。
最初に、ず~っとお待たせしてしまい本当にすみません!
言い訳をさせていただくと最近なんだかブランク気味で上手いように文字が書けなかったんです。
本当にお待たせしました! 至らないとこがあるかもですが、本編へどうぞ!
——現在時刻19:47
——現在地 混浴風呂
「どうしてこうなった......」
「まあ大丈夫でしょ」
「いや、大丈夫じゃないからすぐに上がろうとしているんですよ!」
目の前に見えるのは湯船を取り囲んでいる石垣のみで、不自然にも背中を湯船の中心へ晒していた。その理由は傍から見れば言わずとも分かる。なぜなら俺の真後ろに亜依さんが居るからだ。
今日一日の出来事が濃ゆすぎて疲れが溜まっていたのか、湯船に浸かっていると睡魔が襲ってきて意識がハッキリとしていなかった。その所為で亜依さんと背中合わせをした段階で気づくことになってしまった。
「兎に角、俺はもう上がるので、どうぞごゆっくり」
「え~? 勿体ない」
「何がですか!?」
その後も浴室から出るまでの間亜依さんは文句を延々と垂らし続けていた。あの人はやはりどこかおかしい、他の人と感性が離れているような。
身内にそんなことを考えるのは不躾か、と思いぱっぱと全身に水気を拭き取ると寝間着に袖を通す。一通り脱衣所を出る準備が整ったところで、貴重品置きの方からブーブーとバイブレーション音が静寂に包まれていた脱衣所に響く。
近くまで寄るとピンクの可愛らしいデザインとデコレーションが施されているスマホと何も施されておらず、男らしい単調なミッドナイトカラーのスマホが置いてあった。
バイブレーション音が鳴っており、振動していたのはその単調なスマホだった。俺はそのスマホを手に取って画面を確認すると、そこには『茶立場』と表示されている。
「ん、どうした?」
「どうした? じゃないですよ! いつになったら電話を寄越してくれるんですか!」
「そんなに時間経っていたか?」
「経ってますよ! もう八時ですよ!? 私九時を過ぎたら寝る予定なんですから」
「凄い健康的だな」
「そういう話じゃないんですよ!」
「って言っても俺は今風呂から上がったばっかだし、後十分だけ待ってくれ、十分くらい経てば落ち着いてるだろうから」
「......分かりました。本当にあと十分ですよ? それを超えたら帰って来たときにぶん殴りますからね」
「はいはい」
ちょっとからかってしまったが茶立場なら別にいいだろうと明後日の方向へ懸念を投げ飛ばし、そそくさと忘れ物がないかだけチェックして部屋まで戻る。
(そういえば舞は一人で部屋にいるんだろうか、亜依さんが来たということはそういうことも考えられるが......急いで帰るか)
恐らく俺の心を見透かすことができる奴がいれば俺がどれほど重度のシスコンだということか分かるだろうが、自分でも酷いと自覚している。だが治すことは大分難しいだろう、だって舞が可愛すぎるのだから、よくシスコンはキモイだとかなんとか言われているがそんなの気にするだけ無駄だ。目の前にいる愛らしいシスターにだけ目をやってればいい。
なかなか変な話になってしまったが、まあいいだろう。と、そんなことを考えているうちに部屋の前に着いた。一応三回ノックをしてからドアを開けることにする。
「帰って来たぞー、誰かいるかー?」
その言葉に帰って来る声はなかった。それで舞はまだ母親のところにいるのだろうと推測し、電話をするためにベランダへ向かおうと足を進めた時だった。玄関と畳部屋を結ぶ廊下の先に白黒のシマウマ模様の服が若干揺れているのが目に入った。
それは今日一日中舞が身に纏っていた服と同じ模様で、もう少し注視して見てみると角から一瞬だけチラッと顔を覗かせる顔も捉えることができた。どうしたものか、このまま舞の罠に嵌ってあげても良いのだが......少し舞で遊ぶ方が楽しいだろう。
「舞~いるのか~?」
それに返事は帰ってこないが、俺の目は見逃さなかった。ビクッと服が震えるのを。
その後も数分間思いつく限りのからかいを舞に披露するのだった。
「ほ~ん? それで20分も遅れたと」
「いや、すまん。これは本当に」
「シスコン」
「シスコンなのは関係ないだろ」
「関係ありありのありですよ!」
「まあ、そんなことは置いてといて、話したいことってなんだ?」
「置いとくって......次会ったら覚悟しといてくださいよ」
「......その本題なんですけど、せんぱいは生徒会で何を探しているんですか?」
「何をってそりゃ、あの場にいたお前は分かってるだろ?」
何を言い出すのかと思いきや分かり切ったことを言い出すので逆にこちらから質問を飛ばしてしまう。すると、電話越しでも伝わるほどに懐疑的な声で、少し声を大にして答える。
「せんぱいは、お父さんが絡んでいたとしてもそう簡単に生徒会に入る訳がないんですよ」
「......そんなことなんでお前が分かるんだ? そこまで長い付き合いだって訳でもない」
「でも、ほぼ毎日せんぱいの事を見てたら嫌でも分かりますよ。生徒会に入ってからせんぱい、少し怖くなっているんですもん。何かを必死に探しているみたいで」
「............」
黙り込む。今の俺にはそれしかできなかった。肯定も否定もしない、茶立場が言っていることが真実か、はたまた戯言か、それを明確にしてしまえば俺と関係を持っている人たちが傷つくだろうから。
「答えてください! 生徒会に入った本当の理由を」
どもう! 後書き担当の空野そらでございます。
さて今回は混浴ということでね、なんでこうなったんだというお話をさせていただくと、
結論から......【深夜テンションなんだなこれが】まあそういうことです。
前回混浴ラッキースケベイベントフラグを立てて置いて回収しないのはどうなのかと思った末、真夜中に大幅に書き直し、深夜テンションで書いていたらこうなってました。
......本当になんでなんでしょうね
と、後書きはここらにしておいて、締めに入るとします。
誤字脱字、感想等は気軽にお寄せください。
ではまたお会いしましょう!
......混浴っていいよね




