⑧同じ夢。
真白「んー。。。」
ママ「まーちゃん?ママよ!わかる?」
ママ「あなた、まーちゃん、目を覚ましたわ!先生を呼んできて!」
パパ「わっわかった!!」
先生「真白さん!わかりますか?ここ病院ですよ。あなたは1週間前、事故に遭ってここに運ばれてきたんですよ。」
真白「んー?翔は?」
ママ「まーちゃん、大丈夫?翔ってだれのこと?」
真白「えっ!!まーにゃんとちゃーたは?」
パパ「まーちゃん、夢でも見てたんじゃないか?」
真白「私が助けた猫ちゃんは?」
ママ「そんな猫いなかったわよ。たしか、救急隊の人から猫を助けるために道路に飛び出したとは聞いたけど。。。」
真白「うそ?なんで?翔はどこ?会いたいよ。」
先生「真白さんはかなり強く頭を打っているのでまだ、混乱してるのかもしれませんね。でも、安静にしていればよくなりますからね。」
ママ・パパ「はい。ありがとうございます。」
ママ「まーちゃん、ほんと、目が覚めてよかったわ。」
ママとパパは安心したのか今日は一旦帰っていった。
てか、私、夢見てたの?うそでしょ?でも、たしかに翔はいたはずなの。
それから1週間が経った。今日からリハビリをすることになった。。。
私は早く退院して、翔を探しに行きたいので一生懸命リハビリを頑張った。
2週間後退院できることになった。
やっと、翔を探せるんだ!病院の廊下を歩いていると見覚えのある名前があった。
「前島 翔」
えっ!!うそ?まさか?翔?私はとっさに病室に入った。するとそこには眠ったままの翔がいた。
「翔??私よ!真白よ!わかる?」
すると、誰か入ってきた。
「あなた誰?翔のお友達?」
翔のお母さんだ!
「あのー、翔くんはいつから入院してるのですか?」
「もう、3年になるわ。このまま目を覚まさないかもしれないの。この子ね、猫を助けてその代わりに車に引かれちゃったのよ。どうしようもない不良だったのに、本当はすごく優しい子でね。。。」
「知ってます。猫は、どうしてますか?」
「翔が命懸けで助けたんですもの。大事に飼ってるわ。他に、犬1匹、猫ももう1匹いるけどね。」
「もしかして、翔くんが助けた猫ってちゃーたって名前ですか?」
「えぇ。。。何故それを?」
「私も1ヶ月ほど前、猫を助けようとして事故に遭って1週間眠ったままだったんです。その時、夢を見たんです。」
私は翔のお母さんに夢の話をした。
翔のお母さんは驚いていたけど、信じてくれた。
今度は私が翔のこと目覚めさせるわ!
「お母さん、毎日、翔くんに会いに来てもいいですか?きっと、目を覚ましてくれると思うんです!」
「ありがとう。私も信じるわ。」
私はそれから学校の帰りに毎日、翔に会いに来てたくさん話しかけた。
「翔、目が覚めたら一緒にワンスケのお散歩行こうね!」
私が翔に会いに来てから、1ヶ月ほど経とうとしていた。。。
いつものように翔に話をしていると、翔の指がかすかに動いた!
「翔!翔!私よ!真白よ!わかる?」
翔の手をギュッと握ったら、翔も弱々しい力で握り返してきた。
「ちょっと待っててね!先生呼んでくるから!」
先生「翔くん!わかりますか?!」
翔がうっすら目を開けた。
翔のお母さんもあわてて病院に駆けつけてきた。
「翔!お母さんよ!わかる?」
翔がうなづいた。
先生「これは奇跡ですね。もう、大丈夫でしょう。さっそく明日、いろいろ検査してみましょう。」
翔の母「わかりました。先生ありがとうございます。」
真白「よかったぁ。翔が、目を覚ましてくれて。」
翔の母「真白さんのおかげだわ。3年も眠ったままだったのに。。。」
真白「いえ。本当によかったです。今日は目を覚ましたばかりだし、また明日来ますね。」
翔の母「真白さん本当にありがとう。」
私が帰ろうとすると、翔が弱々しい声で私を呼んだ。
「ましろー。」
「私のことわかるの?」
「あったりまえだろ。」
私の目から大粒の涙が溢れた。
「ありがとう。私を見つけてくれて。また、明日来るからね。」
「おぅ!」
目を覚ました翔が、私のことわからなかったらどうしようかと思ったけど、ちゃんとわかってくれてよかった。でも、翔は3年間も、眠ったままだったのに私と同じ夢見てたのかな??翔が、元気になったら聞いてみよう。それに、早くまーにゃん、ちゃーた、ワンスケに会いたい!きっと話すことはできないんだろうけど。。。でも、翔は3匹と話できるのかなぁ?