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酒呑みの夕焼け

作者: 蓮薔薇 揺麗

部屋に染み付いたアルコールの匂い


もう何時間もこの部屋に居る


身動ぎすると缶の音が無数に鳴った


頭に降ってきた缶で目が覚める


つまみのひとつもないテーブル


当然箸も置いてない


置いてあるのはナイフと缶


祝い酒が美味しかったかは覚えてない


鞄はいつものように置いて行こう


千鳥足のまま部屋を出れば


不思議と外も部屋と同じ色だった


もうすぐ月が見えるはずだ


月に向かって歩けば家に戻れる


次の依頼までは家に引き篭ろう


寒さを誤魔化す酒は美味しくないものだ

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