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Raghorn5:強敵

「ま、また捻りの無いし短いタイトル〜。・・・あれ?作者は?」




・・・こ、ここでぇーす・・・。



「受験が明日に控えてるらしいよ。・・・この人、ネロ並に馬鹿だね。」



「う、うるせぇ!さ、読者さん、さっさと読んじゃいな!」



ネロのご無礼お許しください・・・しょ、小説をどうぞ・・・。



ぁ〜。半端なく遅れてしまいました・・・。ブログにさえ書き込めなくてすみません!

ダンジョンに侵入して早二時間。



未だに最深部に到達していない俺達。



いや〜。この洞窟は深い!そう思いながら、少し体を休めていた俺達。さっきぶっ倒したオーガもそこに倒れたまんまだ。


「ネロ、感じる?空気がさっきと比べて少し重い。きっと奥はもう少しだ。」



確かに、息がしずらい。おそらく最深部は近い。



「さっきのオーガってなんだよ・・・。反則だろ、ありゃ。」



俺はさっきの戦いを振り返ってみた。思えば、テラストーンを持っていなかったらこっちが死んでたと思う・・・。



「確かに並の武器じゃ歯が立たなかったね。僕たちが魔法使えること知ってたのかな?」



「そんなことより、早く奥に進も?もう私、疲れたし・・・。」



もう、かなり歩いてるし、オーガのこともあって、皆疲れていた。さっさと奥に着いて帰りたいとこだが・・・。



「奥にも敵がいるんだよね?さっきのオーガより強かったらどうする?」



「冷静だな、エル。でも当たって砕けろでよくね?」


「要するに勝てなさそうだったら逃げるの?」



いや、そういう訳じゃないんだけど・・・。何、その〜。負けたら死んだのと一緒!みたいな感じの勢いだったんだけどさぁ。・・・やっぱり駄目だよな〜。



「とにかく、進もう。こんなトコで時間無駄にしてもしょうがないから。」


ようやく進みだした俺達は、幸運にも敵に会うことなく最深部に着いた。しかし、敵に会うことなく、といっても場所が場所なので、足場も悪く、何回も転びそうになったりして、一応苦難には強いられた。



そして、なんだかんだ歩いていて、一際目立つ行き止まりに着いた。



「なんもねーじゃねーか・・・。」



俺達はさっきの通路よりも若干広い場所に出た。俺は辺りを見渡した。その場所の真ん中には祭壇があり、何らかの儀式が行われていたようだが。



そして、祭壇の上には・・・。



「あれ、テラストーンじゃないかな〜?」


黒く透き通ったテラストーンが祭壇の上に置いてあった。



「ラッキー!これを取って帰ろうぜ!」



そう言って俺はテラストーンに手を伸ばした。



「待ってよ、ネロ。何も無いなんておかしい!きっとなにか―」



エルが俺を止めたその時だった。突然、地響きがした。そして、俺達がいる場所の向かい側の壁が崩れた。


「な、なんだなんだ〜?」


開いた穴から何かが出てきた。黒い鎧を身にまとった人型の生命体・・・簡単に説明したらこんな感じかな?



「ゥゥ・・・汝、力ヲ示セ。私ガ認メレバコノ(ちから)ノ結晶ヲ授ケヨウ。シカシ、汝ラガ負ケレバ、命ヲ貰オウ。サァ、剣ヲ抜ケ!私ト勝負ダ!」


意味不明な黒い鎧みたいなのが喋ったあと、相手は剣を抜いた。



それに応えるように俺も剣を構えた。



「望むところだ!鎧野郎!・・・・・・う!・・・あ、頭が・・・。」


突然、激しい頭痛が俺を襲い、俺は思わず片手で頭を抱えた。さっきのオーガの攻撃が響いたのだろうか。



それを見たエルとフィーが俺の前に出た。


「ネロ、ここは僕たちに任せて。君は少し、休んでて。」



「エルの言う通りよ。さ、エル。あの黒いのやっちゃいましょ♪」



なんでフィーがあんなにノリノリなのかは知らないが、ここは無理せず仲間を信じた方が良さそう、と考えた俺は、静かに身を引いた。



「気をつけろよ。・・・うっ!」


「ネロ、楽にしてろ。」


「お、おう。」



エルの口調が厳しくなる。エルもあの鎧野郎をなめてはいないはずだ。



ソーサーガンを片手に、エルは地を蹴った。その後にフィーが続く。



「喰らえ!」



エルは鎧野郎の目の前まで接近し、剣の振りを避けてから至近距離で鎧野郎に何発か銃弾を浴びせた。



「ゥォオオオオ?」



鎧野郎は少し唸った。



「効いたか!?」



エルはもう一度、銃弾を浴びせた。



「効カナイ!」



鎧野郎は今度は怯まず、エルの体にパンチを当てた。


「ぐぅお!?」



エルは後ろに吹っ飛ばされ、壁に頭を強打し、気絶した。



「エル!くそ、フィー、やっぱり下がれ!お前が敵うような相手じゃない!」


「ネロ。私は逃げたくない。ネロもエルも戦ったんだから私も戦う!」



俺は何度もフィーを止めたが、彼女はその場所を離れようとしなかった。




「フィー!・・ぅ!頭が!」



「ネロ、任せて!」



フィーは俺の忠告を無視して、鎧野郎に接近した。



「はぁぁぁああぁあ!!」


フィーが剣を思いっきり振り回す。



金属音が何回も鳴り響いた。



「や、やっぱり強い!」



フィーが若干圧され始めた。相手の剣圧が徐々に上がってきていた。



「ソノ程度ノ(ちから)カ、汝。」



「くぅ!ぅぅ!」



フィーは必死に耐えるが、もう持ちそうにない!



俺は反射的に鎧野郎に向かって行った。



「うおりゃああ!」



俺は剣を振り上げ、鎧の丁度頭部の部分に剣を当てた。



「汝!我ヲ怒ラセタナ!」


鎧野郎はそう叫び、片腕を掲げた。



「『メメント・モリ』!」


鎧がそういうと、彼の拳から光が放たれ始めた。



そして、それは強い衝撃波を放ち、俺とフィーをその場から吹き飛ばした。



「ぐああぁあぁぁあ!」

「きゃああぁぁあぁ!」



叫び声を上げながら、俺達は壁にぶつかった。



俺にとってはさすがに二度目は辛く、視界が歪み、意識が朦朧(もうろう)とした。


「ぐぁ!ぅぅ・・・ち、畜生・・!」



このままじゃ死んでしまう!まだ俺達は新入生なのに、この敵の強さは何だよっ!



・・・いや、まだチャンスはある・・・。



俺は祭壇の上に置いてあった黒いテラストーンを思い出した。



あれを使えばなんとか助かるかもしれない。さっき鎧が我を倒したらとかほざいてやがったが、そんなのどうでもいい・・・。奪えばいいんだ!



俺はその確率に賭けた。



「!!!」



声にならない叫びを上げ、俺はふらつきならがら祭壇に足を動かせた。



「汝、諦メガ悪イナ。」



鎧野郎がもう近くまで迫ってきている!



「うおぉぉ!」


俺は鎧野郎の剣の一撃を避けてから黒いテラストーンを回収し、地面に転がった。



「シ、シマッタ!」



俺はテラストーンに意識を集中させた。



丁度魔力の注入が終わったところで意識が途切れた。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ラグホルン防衛学院の会議室で会議が行われていた。


「二日目の実践講義で何故新入生のグループがあの洞窟へ向かったのだ?」



「私も詳しくは聞いていない。しかし、これは通常は有り得ない事態だ・・・。」


緊迫した空気の中、ラグホルンの教員が会議室に飛び込んだ。



「さ、さっきの洞窟から生徒達が帰還しました!どうやら安全装置が作動したようです!」

「一年生三人か!?」



そのニュースを聞いて気持ちが高ぶったのか、元々会議室にいた教員が興奮した様子で聞く。



「はい、男子二人と女子一人です!」



「容態は?」



「男女一人ずつが軽傷、そして男子一人が意識不明の重体、なんですが、誰も命に別状はありません。」



「なに?!命に別状がないのか?ということは彼らは番人を倒したのか?」



「そのようです。安全装置によって飛ばされた状態から見ると、バンダナをつけた現在意識が無い新入生が止めをさしたと思われます。」



「なるほど・・・。しかし、何故その場所に向かったのだ?まだこの問題が解決されていないぞ?」


「それは・・・。内部の人間が地図のデータを書き換えて、それを何も知らない教員の手を渡って彼らの手に届いたと思われます。」


「内部の人間になると厄介だな・・・。君達はしばらく調べていてくれ。」



「了解です。」



先ほど入室した教員が会議室を出ていった。



「この問題はフェイト社に近い内に相談するしか無さそうだな。・・・しかし、実に不思議だ・・・。新入生なのにあの番人に勝てたということが一番謎だな・・・。本格的な捜査になりそうだ・・・。」



教員は頭を抱えた。まさかフェイト社に相談するような事件に発展するとは。



厳重な管理を徹底してきたなか、この問題はラグホルンにとってもマイナスにしかならないだろう。新入生に危険を犯してしまったことはラグホルン防衛学院が始まって以来、初めてのことだ。



これ以上の状況の悪化は許されない。教員は上部に報告するために、会議室を出た。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ここは洞窟。



さっき意識が途絶えたハズなのに・・・。視界がボヤける。



澄んだ黒いテラストーンは依然として俺の手の中にあった。しかし、体が動かない。



・・・動かせない。体は勝手な判断で勝手に動き始めた。



俺は・・・いや、『ネロ』は剣を持ち、鎧野郎に接近した。


体が何かに支配されている・・・。



『ネロ』は凄まじい速さで剣を振り、鎧野郎を圧倒した。


たまに鎧野郎も素早く剣を振って隙をついてくるが、『ネロ』はそれを簡単にかわした。そして『ネロ』はまた激しい攻撃を再開する。



また、鎧野郎が隙をつき、剣の振ったが、『ネロ』はネクロソードでそれを受け止めた。だが、鎧野郎の剣圧に『ネロ』は耐えきれず、ネクロソードが空に舞った。



その隙をみて鎧野郎は剣を一気に振り下げたが、『ネロ』は間一髪それを避け、鎧野郎の剣の柄の部分を蹴り上げ、剣は鎧野郎の手から離れた。



鎧野郎が『ネロ』の行動に呆気をとられている間に、『ネロ』は鎧野郎の体を一気に駆け上がり、宙に舞った。そしてネクロソードと鎧野郎の剣を回収し、二本とも鎧野郎に思いっ切り刺した。



刺さった場所に、ひびがはいる。



「ギギャアアア!!」


酷い叫び声を上げ、鎧野郎の体はバラバラに砕け散った。



無事、着地した『ネロ』は、その場に倒れ込んだ。



視界が再び暗くなる。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「ネロ。起きろ。」



真っ暗の中、しばらくして声が聞こえた・・・。聞いたことがあるような声だが、誰の声だかは分からない。



「ネロ、早く。お前が起きないとこっちも何かと不便だ。」



・・・誰だろう。



「誰だ、アンタ?」


俺は思い切って聞いてみた。



「俺はお前の一部だ。さぁ、仲間が待ってる。起きろ。」



・・・さほど質問に答えてくれてないような気がしたが・・・。自分の中の誰かが喋り終えた瞬間、目が覚めた。



「ここは・・・。」



白い天井、そして薬品臭い部屋。



「起きたかい?ネロ。」



ベッドの横にエルが座っていた。



「あ、エル。おはよう。」


とりあえず、俺は挨拶をした。まだ頭が完全に覚醒しきっていない。



「気分はどう?まぁ、どうであれ早く帰らなきゃいけないけど。あまりに気分が酷いようだったら明日まで寝かせてもらうけど、どうする?」


「気分は悪くはないから帰るよ。それよりさ、あの後どうなったんだ?ってかここは何処だ?」



「まず、ここはラグホルンの保健室・医療室。君は意識不明だったから連れ込まれたんだ。僕とフィーはなんともなかったからね。そして、あの後って言うのは洞窟で黒い鎧と戦った後、って事だよね?あの後はどうやら何らかの安全装置が作動してここに戻されたらしい。」



「安全装置〜?なんだそりゃ?」



俺がそう聞くと、エルはため息をついた。・・・なんで?



「ネロは先生の話聞かないんだね。危うくなったら学校に戻ってこれるって言ってたじゃないか。」



「んあ?そうだっけか?」


エルは首を横に振って、またため息をつく。いや、だって頭に無いことを突然言われてもだなぁ〜。



「とりあえず、ネロは大丈夫そうだし帰ろうよ。フィーも一応待ってるし。」



「そうか、じゃあ今行く。」



俺はベッドから離れ、ネクロソードを持ち、エルと一緒に医療室を出た。



「あ、ネロ。大丈夫なの?」



「おう、なんとか。」



「ならいいや。帰りましょ。」



フィーはそのまま校門に向かってしまった。この広く、城みたいなラグホルンをフィーはずんずんと進んでいってしまう。



なんとなく冷たいフィーを追って、俺とエルも校門に向かった。



「二日目からイキナリ災難だったな、俺達三人。」



やっとフィーに追いつき、俺は口を開く。


「そう・・・だね〜。」



「確かに、私達は運が無いかもしれないわね・・・。」



「これから先、こんなことが無ければいいのにな〜。そんな保証、どこにも無いし。」



正直、ちょっと不安になった。仲間までに危害が及ぶことを恐れて。



「大丈夫さ。きっと。じゃあ、また明日!」



エルが交差点を曲がる。



そこで、あることに気付いた。



「フィーって・・・家どこ?」



「え?あのマンション。」


そう言ってなんか良く見覚えのある建物を指さした。



・・・俺のマンションと同じじゃねーか!



「フィー。あのマンションなの?ホントに?冗談抜きで?」



「なんでそんな疑うのよ?私はホームレスじゃないよ!?」



「いや、違う!俺とマンションが同じだったから!」


これにはフィーも驚いた。


「う、嘘!」



「こんな嘘つかねーよ!」


「へぇ〜。困ったな〜。」


「ん?どうして?」



「ネロに襲われそう。」



・・・・・・。



「アホか!」




   〜その後〜



「へぇ。俺とフィーはマンション同じなんだ。」



「そうみたいね・・・。ん?ネロはどこまでついてくるの?」



「あ、俺この階だから。」


「え!私もよ・・・」



俺とフィーは青ざめた。



「「まさか・・・!」」



・・・部屋が隣同士!



「・・・こんな偶然ってあるか!?」



「ま、また明日ね、ネロ・・・。」



ま、まさかフィーが隣に住んでたなんて・・・。ってかアイツ貴族じゃなかったのかよ!



・・・その後のメールのやり取りで、フィーはラグホルンに通うために一人暮らしをしていることが判明したのだった・・・。





次回もよろしくお願いします!



ぁぁあ!明日受験だぁ!



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