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Raghorn10:この手の表現、好きな人は好き

タイトル長いですね。

しかも何が起こるか分からない。



タイトルセンス無いッス(汗)



まぁ何はともあれ、どぞ。

「ぅぅううう・・・。」



どうも、なんだか今日は腹の調子がイマイチなネロだ。



「大丈夫かい?ネロ。授業の時からずっとうなってるけど。」



エルが心配してくれてる・・・。違うんだよエル。これにはちゃんとした理由があるんだよ。



「あ、アハハハハハ。ネロなら大丈夫よ、きっと。」


あ、原因が喋った。



「お、おい。元はといえば誰のせいだと思ってんだ!う、うぅぅぅう・・・。」

「さ、さあ?」

「お、お前ぇええ!」

「何かあったの?二人とも〜。」

「「うるさい。」」

「すみません。」

別にエルが悪い訳ではないのだが。とりあえず黙らそうと思って。



「フィーふざけんなよ!?お前の変なミスのせいで昨日からずっとポンポンがこの調子なんだよ!」

「アンタのポンポンなんて知るか!アンタが飯を求めたからくれてやったまでよ!」

「砂糖を塩と間違えるならまだこうはならない!お前他にもミスっただろ!?」

「ぎくっ!そんなことはないはずよ!」

「いや、『ぎくっ』て怪し過ぎるわ。」

「まぁそんなことはおいといて、バイトしよ?ね?ね〜?」

「ふざけるでないわ、小娘。今、我が腹の調子が悪ぅことに気付かぬか!」

「さぁ、行こう!エルも早く!」

「あ、うん。」

「お、おい!ちょっと待てよ!まだ腹の調子―うぁあぁあああぁ!」



でも結局我慢してバイトすることになった。―ああ、神よ。これは一種の試練なのか?どうなんだ!?




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「あ、先生。どうも。」



なんだかんだで受付についた。



「はい、何の御用でしょうか?」

「バイト、無いッスか?」

「今空いてるバイトでしたら、下水道のモンスター討伐ですよ。それ以外は今日は無いですね。」



下水道って。臭いじゃん。


「えぇ暗いじゃん!」


フィーが嫌がる。



「なんか出そうじゃないか!」


・・・なんかエルはエルで言ってるし。



「いや、でもやらせてください!」

「アンタ正気?」

「俺はたかが暗いくらいで正気を失わない。」

「ネロ〜。絶対に出るってぇ。」

「エル、今回は出ないって。出るシチュエーションは古い屋敷ぐらいだから。」

「あ、そうか。ならいいや、行こう。」



なんかあっさり説得出来ちゃったな。



「ちょっと待って!暗いのどうすんの!?」

「お前屋敷の地下大丈夫だったじゃん。」

「あっ、そういえば。―ってあれは楽しんでたから!」

「へぇ。フィー楽しんでたんだ。」

「あ、いや、エル、違うの!これはその・・・。」

「行こう、ネロ。」

「そうだ―なぐぉぉお!?」

「な、なぐぉぉおって・・・。」

「い、行くんですか?三人共。」

「あ、はい!行きます!」

エルは(俺の腹痛による悲痛な叫びを無視して)さっさと申込書に必要事項を記入して、下水道への鍵を受け取った。



「さぁ、行こう。」




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


色々と苦労しながら、僕たちは下水道への入口についた。



あ、言葉遣いから察して欲しいんだけど、エルです。


僕は渋るフィーと苦しむネロをここまで強引に連れてきた。

「やべーよ苦しいよ苦しいよ〜・・・。」

「嫌だ嫌だ臭いの嫌だ〜!!」

「二人ともうるさい!しっかりしなさい!」

「無理なんだ!病人しっかりしろって無茶だ!」

「暗いのはもう怖くないから!」



前者はしょうがないけど後者は尚更しっかりしてよ・・・。



「もういい、泣き言はききたくない!扉開けるよ!」

「うっわ今日エルちゃん厳すぃ〜。」

「うぐっ、気持ち悪っ!」

「ネロ駄目ぢゃん。」

「誰のせいだ!」

「来たのはアンタじゃん。」

「食わせたのはお前だ。」


この人達の喧嘩を無視して扉を開ける僕。



「こっちは作ってやっ―う、うぇえぇええぇ!?」

「ちゃんと丁寧に頼ん―ほぐぅあああぁオエッ」

「うぅ臭い!」



全滅。



強烈だ・・・。凄まじい匂いだ・・・!頑張って言い表すならば、トイレの床を隅々まで拭いた雑巾を賞味期限が一ヶ月くらい過ぎた牛乳に漬け込み、そこに凄く古い油を垂らしたような・・・!



「うぉおおぉコイツァ無理だぅあああぁあぁ気持ち悪ぃよぉおぉぇっ!」

「死ぬぅう死ぬぅう!」

「う、ぅうるさい!」



みんなが少し涙ぐみながら話す。そりゃそうだ。



「入らないと始まらないよぉ?早く行くよ・・・。」

「死ぬょ?私死ぬ!絶対に!」

「行くしかなぃぉえっ。」

「ネロ、君は本当に大丈夫なのかい・・・?」

「来たんだし行くしかないってぅぉお・・・」



ダメじゃん。



「さぁ、モンスターを倒そうか。フィー、行くよ。」

「嫌だぁあ(泣)」

「自分で(泣)を追加しない!」

「だって―!」



フィーがフリーズした。なんで?



「え、エル!前、前!」



僕は急いでフィーの向いてる方に視線をおく。」



「!!!」



ナニあれ。ナニあれナニあれ!気持ち悪っ!



「コレを倒すの・・・?」

「みたいだね(笑)」

「(笑)じゃないわよ!」



僕達が見たのはもう、なんていうか、簡単に説明するとイモムシ。



・・・難しく説明するとネロと同じくらいの身長で変な毒々しい模様がついており、最後に。



いたるところから触手が・・・。



「ネロ、助けて・・・。」

「ん、どうし―うげぇえっ」

「ヤバいよね?」

「ヤバいどころの騒ぎじゃ・・・な・・い・・・。」

「あれ?ネロ?」



あ、ネロが死んだ。



「ちょっと!ネロ!アンタ私たちをおいていく気!?」

「いや死んだ訳じゃないし。」

「こうなったら似たようなもんでしょうよ。」



確かに。まぁ現に僕もさっきネロが死んだことにしてたけど。



「それにしてもコイツ、強そうだね・・・。」

「まぁ死んだら死んだで楽しいかもね。」



!!?



「死ぬ気満々だね、フィーは・・・。」



まぁ冗談だろうけど。



「さぁ、やりますかぁ。」



フィーが突然、先手を取る。巨大イモムシに向かって、暗闇へと走りだした。



「死ぬなよ〜。」



僕は精一杯のエールを送った。


やがて、フィーが見えなくなり、巨大イモムシのシルエットしか見えなくなったとき。



「先手必っ!ひぃゃぁあぁあ!」

「先手必っ?どうしたフィー。」

「つ、掴まれたいやぁあぁ!」

「えぇ・・・。」



暗くてよく見えないが、何かがもがいている。



「なんとかなんない〜?」

「気持ち悪いなぁ離せよコラァ!」

「・・・仮にも貴族がなんて汚い言葉遣いを。」

「エル、とりあえず助けて。お金ならいくらでも後で渡すから。」

「仮にも貴族が汚い取引をするな!そんなもんなくても助けに行くわ!」



僕はシルエットのある方へと走った。



すると、見事にフィーは掴まれている、というかもはや捕食されそうに。



「ヤバいじゃん。」

「動けないの、助けて!」

「いや、いっそずっとそのままでもいいんじゃない?」

「エル。」

「なんだよ。」

「ギロチン使うわよ?」

「持ってんの!?」

「実家にあるわ。」

「怖っ。まぁそれはともかく助けるから。でもさぁ。」

「な、なによ?」

「そっち系が好きな人にはたまらない絵だよね。」

「ば、ばかぁ!」



フィーがもがく。

おい、尚更思う壺だぞ・・・。



「ちょっと待ってね、今撃つから。」



ジャキ!



ソーサーガンを手にとり、弾を装填する。



そして、巨大イモムシに向けて引き金を引く。



バシュッ!



巨大イモムシの体の一部が弾ける。



「やったか?」

「触手が全然ゆるまない!エル、まだ生きてる!」

「ホントに!?結構当たってた感じの音だったんだけどなぁ。」

「は、早くなんとかしてぇ!」

「まったく貴族の女性は・・・。」

「うっさいわね〜!」



もう一発、ソーサーガンを放つ。



バシュッ!



今度こそ当たってイモムシも死んだハズだ。



「エル早く殺してぇ!」

「あれ?」



死んでない・・・。



「フィー、ごめん。さようなら。」

「ぅおい!待って!貴族を見殺しにするつもり!?」

「フィー、君はとても面倒な人だった。でも今となってはそれもいい思い出だよ。」

「エルぅ!!」



僕はあの屋敷の時にフィーから受け取って返し忘れていたアイスストーンを取り出す。



「喰らえ!」



僕はテラストーンをソーサーガンに填めて、集中し、放った。



バシュッ!

パキパキ・・・



「よっし!」



巨大イモムシが凍り始める。・・・と、同時に。



「ひぃやぁぁあ冷たい・・・。」



フィーの体も凍る。



「エル、早くぅ。」

「分かってるよ。」



フィーの体自体は凍結してないので、氷は砕いても大丈夫なはずだ。



しかし。



「これもこれで好きな人にはたまらないかもね。」



氷の中でフィーがもがいてる・・・。



それはともかくして、僕は氷を撃って砕いた。



ガシャアァン



巨大イモムシは崩れ、動かなくなった。



「た、助かったぁ。」



「フィー、良かったね。でもさ、周りをよく見てみ。」

「なんで?・・・えっ。」



巨大イモムシの大群に囲まれてしまったようだ。



しかも、今回は更によく見ることができた。



「フィー、コイツらの体はほぼスライムだ。物理的な力に強い。」

「だからさっき何回撃っても死ななかったのね。」

「でも、もうおしまいだね。」

「この数は死んだ。確定よ。」



最後の悪あがきでもしようかね。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「はっ!」



気持ち悪い!でも起きた!臭い!吐きそう!



俺は何をしてたんだろうか。突然力が抜けて・・・。そういえば!



「エル!フィー!大丈夫か?」



「「大丈夫じゃないよ〜。」」



良かった。・・・ん?



良くないじゃん・・・。



「ネロ!助けて!」

「ネロ、気をつけて。コイツら物理攻撃が効かないから!」

「マジかよ〜。うぷっ、俺勝てねーよ・・・。ってかお前ら何処にいんだ?」

「僕たちのことは、気にしないでいいから!」

「とりあえず私たちのことみる前にコイツら倒して!」

「コイツら?ぁあこの巨大な触手イモムシ・・・キモ!うぷっ!」



ヤバい、吐きそう!てか気持ち悪すぎて!



「う、ΧΧΧΧΧΧΧΧΧΧぇぇ!」



リバースしました・・。



「うわ、ネロぉ〜。」



いや、でもあれ!?すっきり!



「気持ち悪くない!」

「感動はいいから早く倒してネロ!」



さぁ、倒そうとイモムシに近づいて見ると。



「ヒューヒュー。」

「「み、見るな〜!」」



なんでこうなったのかは知らないが、なんかフィーとエルが抱き合った状態で触手に捕まってる・・・。



「お主ら、いつからお付き合いを?」

「「うるさい!早く倒して!!」」

「おー息ぴったりじゃん。」

「ネロ、ふざけてる暇なんてないんだからな!」

「油断しちゃ駄目よ!」



そうだな。フィーはともかくエルが捕まるとなると相当厄介なヤツだ。



テラストーンを使いたいが・・・。



「炎が当たっちまうかもしれないな。」

「耐える、耐えるから!コイツらに食われるだけは嫌だ。」

「同感!」

「分かった、じゃあ行くぞ。」



ファイアストーンをネクロソードに填めて、意識を集中させた。



「はぁぁあぁぁああぁああ・・・。」

「ねぇ、なんかアイツさぁ。めっちゃ集中してない?」

「気のせいだよ、フィー。」

「ぬぉぉおおお!」

「・・・気のせいじゃないよ、フィー。」

「なんで?あんなに力を込めるの?もう十分でしょ!」



力を存分に溜めた。これでいける!



「待ってろフィー!エル!」

「いや、待って!ちょっと待っ―」

「日頃の恨みだーコノヤロー!!!」



デかい火弾がエル達に飛んでく。



「僕たちが何をしたんだ!!」

「私たちは悪くないのにぃ〜!」



チュドーン



「「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ!!!」」



あぁ・・・フィーとエルが燃えてる・・・。



「ムシャクシャしたからついやっちまったぜ!」

「「き、貴様ぁ!」」

「まぁまぁあのイモムシ倒せたし、今日はよしということにしてくれ。」

「「出来るかっ!」」




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「ふぅ。」



エルがため息と共に下水道へ通じる扉を閉めて、鍵をかける。



「く、臭かったぜ・・・。」

「熱かった・・・。」

「良いとこ何も無かった・・・。」



フィー、捕まってただけじゃん。



その後、受付に戻り、バイト代を受け取った。



その頃にはもう、辺りは暗くなっていた。



とりあえず、これでしばらくはなんとかなる。



そして、エルと別れた後の帰り道。



「ねぇ、ネロ。」

「なんだよ。」

「私、また嫌いなジャンル増えた。」

「なに?『蟲』?」

「違う。『触手』。」



あぁ・・・。



多分そのジャンル得意な人は相当な変態以外はいないから大丈夫だよ・・・。



・・・って触手トラウマになってんじゃん!

「フィー。」



「なに?ネロ。」



「これ。」



「・・・・・・。」



「・・アレ?フィー?おーい。」



「駄目だよ、ネロ。目開けて立ったまま気絶してる。」



「マジかよ。ただのこんにゃく、腕にまいただけなのに。」



「相当嫌だったんだね。」



「そうみたいだな・・・。」

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