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Raghorn9:お邪魔

久しぶりです・・・すみません。



今回はタイトルから見て分かる通り、真面目じゃないです。



まぁ笑ってくれたら幸いです。


・・・笑えなくても笑ってくださいね。



それではどうぞ〜。

今までに戦いでピンチに陥ったことなら何度かある。


しかし、こんなピンチは初めてだ。



「は、腹減った・・・。」


どうも、そんなピンチに現在進行形で直面ingのネロだ。



さっき冷蔵庫の中を覗いてみたが、何も無いことに気付いてしまった。そして、その事実をつきつけられた俺は外食しようと財布を手に取ったところ、異様に軽いことを知り、中を見てみると・・・。



「お金無いじゃん。」



まさか金欠だったとは思いもしなかった。



そんな事を経て現在。そろそろ空腹も限界に達しそうなところ。



「しまった。こんなことなら学校残ってバイトすりゃ良かった・・・。」



ラグホルンでは依頼の他に、一年生でも受けられるバイトがある。主に害虫駆除などのようなものばかりなので安心して受けることが出来るが。



「でも今から学校行っても多分閉まってるだろうしなぁ。」


現在午後九時。そう、気付くのが遅すぎた。



「よし、こうなったらあの手しかない!」



そしてやってきました同じマンション隣の部屋。



俺はインターホンを押しまくる。



ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピン―「うるさい!!」

ガチャバキィィッ

「ぐはっ!!」

ドシャアアッ



「アンタ一体何時だと思ってんのよ可愛い可愛い乙女のバスタイムを邪魔しおって!」

「お前俺なんかのためにわざわざ途中でお風呂中断して真っ裸で出てきてくれたのか!」

「ば、馬鹿ちゃんと服着てるわよ!」

「ちっ。」

「で、何の用で来たのよ?」

「あぁ、まぁこれは真剣な話な?」

「う、うん?まさかっ。・・・な、な、何よ?」



何を動揺してんだ?コイツ。


「いや、俺はただ飯を恵んで欲しくて。」

「・・・。」

「あ、あの〜。フィオナさん。聞いてます?」

「・・・なに、ご飯?ご飯が欲しいの?」

「うん。」

「はぁ。わかったわ。入って。」


フィーはため息をついてから俺を部屋に通してくれた。



それにしても綺麗に片付いた部屋だ。隣の部屋とはおお違いだ。



「ずいぶん片付いてるなぁ。いつも掃除してんのか?」

「そうよ。逆にアンタ、女子の部屋が汚かったら嫌じゃない?―ってアンタ何の躊躇いもなく女子の部屋にあがったのね。」

「まぁフィーだったら汚くても汚れてても何ら不自然じゃないしな。それに躊躇いもなくあがったんじゃなくてお前が通してくれたからあがったんだ。」

「アンタさりげなく酷いこと言うわね。・・・それに屁理屈だし。」

「屁理屈じゃない正当な理由だ早く飯を用意してくれ。」

「アンタそれ絶対頼んでる人の態度じゃないわね。どんだけ図々しいのよ。」

「まぁまぁ、いいだろちょっとぐらい〜。」

「くっ。ムカつく〜。」



あーなんて嫌なヤツなんだ俺は。とか思いながらテーブルの近くの椅子に座る。


「しっかしなんでお金がないことに今、気付くのよ。どんだけ鈍いのアンタ。」

「しょうがないだろ。財布を見ることなかったんだから。もっとお金があると思ったんだよ。だから冷蔵庫の中身も補充しなかったのに。」

「馬鹿ね。」

「うるさい。だから明日バイトしてくる。お前も付き合うか?」

「いいの?そろそろしなきゃなーって思ってたところなんだけど。」

「んじゃあエルも誘うか。」

「幽霊と無関係の仕事があるといいわね。」

「アイツ騒ぐからな。幽霊の時だけ。」



そうこう話してる内に、フィーが手際よく料理を作る。


そしてあっという間にご飯を作り終えた。


「早いなお前。」

「見直した?」

「うーん。まぁちょっとは・・・。」

「そこは素直に『はい』って言いなさいよ。」

「俺ひねくれてるから無理。」

「いやひねくれてるとかそういう問題の前に感謝の意を示しなよ。」

「ぇえ・・・。コホン、えぇ本日はまことに急ながらこのような粗末ではあるがどことなく旨そうな料理を即席で作って頂き、本当に(以下略)。」

「以下略するな。ていうか感謝というよりけなしてるわね、私が作った物を。」

「悪かった悪かった。ありがとうな、フィー。」

「どういたしまして。さぁ、邪魔だから早く食べちゃってくんない?」

「分かった分かった。・・・パクリ。モグモグ。・・・ん!んぐぐぐ!」

「美味しい?」

「う、う、うげぇ!」

「え!?」

「クッソまじぃよこれ!なに、なにいれたお前!?」

「え、そんなハズは!・・・パクリ。モグモ―不味い!なにこれ!?」

「お前まさか砂糖と塩を間違えたとかいうベタなミスじゃないよなぁ?」

「ああぁ!砂糖と塩を入れ間違えた!」

「うっわやっちゃったよこの人・・・。」

「ショックだぁ。いつもはこんなことしないのに・・・。」

「なんか悪いことでもあったか?」

「アンタが来た。」

「それは悪いことじゃなくて厄介事だろ?」

「なにさりげなく自虐してんのよ。しかもあんま意味としては変わらないじゃない。」

「まぁ確かに。」

「さぁ、じゃあこの料理食べて帰って。」

「え?」



なんか今この人スゲー恐ろしいことを言ったような・・・。



「いや、だからせっかく作ったんだから食べて帰りなさいよ、って言ったのよ。」

「お前、殺人を犯すつもりか!?」

「違うわよ!」

「じゃあ単に人を犯―」

「それを言うな!」

「―すつもりか!?」

「・・・。」

「まぁお前には無理だよな、さすがに。じゃあ、またな!」

「いや、逃がさないわよ。食べて行きなさい。」

「断る。」

「食べて。」

「嫌だ。」

「なんで?」



いやお前なんで?って・・・。



「死ぬから。」

「じゃあ死んで。」

「ストレートというか無茶苦茶な!」

「じゃあ食べて。」



しょうがない。ここまで来たら。



「わぁったよ!もういい!根性で食ってやる!」

「お、偉い。やっぱり男ね!」


そして・・・。



「げぇえ!」

「な、なに二口目で吐き出してんのよ食べなさい!」

「いやマジでこれ以上は無理だ・・・。」

「アンタさっきの根性どこいったのよ!?」

「二口目で胃液となった。」

「アンタ根性無さすぎ・・・。」

「嘘だよ、せっかく作ってもらったんだし、食うよ。」



俺は強がってそういい、二時間かけてその料理を完食したのだった。



俺は部屋に戻り、そんなこんなで眠りについた。



次の日にあの料理が俺を苦しめるということも知らずに・・・。

「ぐぅ〜。まずかった。あれは駄目だ凶器だ科学兵器だ・・・。」



「とっても気に入ってもらえたみたいね。また作ってあげるから来てね〜。」



「え!フィーなんか作ってくれるの!?」



「やめとけエル!お前死ぬぞ!」



「料理作ったげる!」



「ホントに?ヤッタァ!」


その後、エルの姿を見た者は、一人もいなかった・・・。



「笑えない冗談だな・・・。」

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