激闘!炎の霊操者
半数以上の霊が消えた頃だった、唐突に前方から繰り出された紅い衝撃に、俺は避ける間もなく吹き飛ばされた。
「がっ・・・・」
攻撃をモロに受けた俺は、後ろにあった壁に叩きつけられた。
「ぐ・・・ぁ・・・・」
「慶!?」
「慶君!?」
「仲間の心配より自分の心配した方がいいんじゃねぇのか?」
姉御と朱音が声のした方を睨んだ。
俺も、痛みを堪えつつ、立ち上がりながらその方向を見た。
そこには、奇妙な服装に、帽子をかぶった、黒髪の男が立っていた。
(人型の霊なんて、聞いた事ねぇぞ・・・)
「行くぜっ!!」
その瞬間、直径1メートル近くはありそうな巨大な火の玉が朱音を襲う。
しかし、姉御もその隙をつき、男に銃弾を放つ。
朱音も火の玉を避け、反撃にでようとする、が、その時既に敵はその場から消えていた。
「何処っ?!」
姉御には、敵の動きが見えていた(?)らしく、姉御の指した方の家の屋根の上に乗っていた。
(なっ・・・一瞬であんな所まで・・・)
「ただの敵じゃないみたいね・・・」
「そうみたいだな」
「そんな事より、今はヤツを倒す事に専念した方がよさそうだ」
「それもそうね」
「話は終わりか?」
男が問う。
「ああ、終わりだ」
答えると同時に、俺は駆け出し、前方に大きく跳んだ。
俺たち霊滅師は、霊力と魂の力のコントロールができる。
それらをうまく活用すると、もともとの人間の数倍にも及ぶ運動能力を引き出せる。
つまり、卑怯(?)な手を使えば、運動の競技なら、いくらでもいい記録が出せるって事だ。
まぁ、霊との戦闘以外で、武器と力の使用は認められてないけどな・・・。
そして、敵との間合いを詰める事には成功した。
後ろで朱音と姉御が武器を構えている。
敵の頭上から、剣を振り下ろす。
「紅蓮刀!」
男がそう叫んだかと思うと、俺の剣は、紅く燃える太刀によって弾かれていた。
(コイツも剣を・・・!?)
男は、そのまま刀で斬りかかってくる。
「うぉっ・・・・・・・・危ねぇ・・・(汗」
その攻撃を体すれすれで防ぎ、一度構えなおし前へ突き出す。
しかし、男はその突きをも刀で払い、すかさず攻撃してくる。
(隙が大きすぎた・・・・避けきれねぇ?!)
やられた、と、そう思った瞬間、後方から放たれた弾丸によって、その太刀筋はわずかにずれた。
コレならかわせる、そう思った俺は咄嗟に身を捻り、回避した。
他の霊と戦いながらも、俺の方に気を配ってくれていた姉御に感謝しつつ、再び構えなおす。
「お前、なかなかやるじゃねぇか」
男が言う。
「アンタもな」
俺はそう返した。
「俺は、霊魂軍・炎の霊操者、レイド・グランだ、お前は?」
「俺は、霊滅師、式折慶だ」
「そうか、上から撤退命令が出たんでな、俺はそろそろ帰るとしよう」
「霊の後始末は頼んだ! じゃあな」
そう言って、炎の霊操者と名乗る男は、遠くへと消えて行った。
テストとか色々あって、また更新がおそくなりました・・・(汗
1ヶ月に一度は必ず更新しようと思っています。
これからも、どうぞよろしくお願いします。