表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終焉少女  作者: 羽栗明日
3/6

幕間1

「どうだい、彼女の話は。何か思うところがあったかい?」

 三人の男に老婆が語りかける。

 若い男と老いた男は特に反応する様子はなかったが、幼い男は何かを言おうとして少し顔を上げた。

 しかしそのままゆっくりと下げると、先程までと同じように俯いた。

 その様子の真意を知ってか知らずか、老婆は話し始める。

「まだ話は終わっていないからね。私が話すのはあと二つ。それをすべて聞いてからでも遅くはないだろう」

「ここは」

 先程までずっと黙っていた若い男が口を開いた。

「ここは何なんだ。俺の知っている場所なのか」

 強い口調で老婆に問いかける。

 けれどもその様子に気圧される様子はなかった

「ここかい? ここはね、あんた達それぞれに心当たりがあるんじゃないのかい」

「心当たりは、ある。だが……こんなに朽ち果てているとは」

「僕も、心当たりはあります」

 幼い男も話し始める。

「でもここが僕の知っている場所かどうかの判断はつきません。そして、」

 顔をあげて老婆を見る。

「あなたが誰なのかも」

 二人の男に鋭い視線を向けられても老婆は全く動じなかった。

「私が誰でここがどこかだって? わざわざ聞かなくてもあんた達はわかっているだろうに。その質問に答えるのはとても簡単だけれども、それを答えてもあんたたちは納得できるとは思えないねえ」

 柔らかな笑みを浮かべながら老婆は話す。

 幼い男と若い男はそれっきり黙ってしまった。

「さて、それじゃあ話そうかね。二人目の“彼女”の話をね」

 老いた男は黙っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ