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25.もしかして俺って強いの?

サンダーバードの幼生は俺を訝しるどころか、退屈しのぎの珍客を迎え、歓迎ムードで接してきた。

俺は、地球上で目覚めるであろう化け物を倒す為にこの世界へ来ている事。そして俺に力を貸して欲しいと伝えたが・・・。

幼生は、『化け物とはどんなもの?』 、『イフリートがなぜ従っているの?』、『どうやって此処にきたの?』、『地球ってどんなとこ?』、『その地球ではどんな食べ物があるのか?』等など、 逆に質問責めにあい、その大半は食べ物の事だった。

駄々っ子から質問責めにあう様な感じで一つづつ答えてあげた。見たこともない地球のスイーツに心躍らせ、『地球に連れていってくれ〜』と地団駄踏み始めたので、「大きくなったらな」と取り敢えずはぐらかす事とした。

(まぁ精霊は自在に世界を移動できるし、地球にも来れるよな・・・嘘はついてない・・・よな・・多分)


落ち着きを取り戻した幼生は、先程とは打って変わり真面目に話しを切り出した。

『ところで、先程お主の言うた“神”とは何だ? ルキフグスか? それともルシフェルか?』


「否、名前は知らないが、金髪の女の子だ」

そしてルシフェルから聞いた神と天使と悪魔の事をそのまま幼生へと話した。


『成る程な。 ・・・母上の記憶にも確かに在るようだな。 我らにとってはどちらも何ら変わりはなのだがな。寧ろ分けるのであれば、創り導き育てる事を是とする者と、競い殺し合う事でより強き者を生み出す事を是とする者の違いで分ける方がしっくり来るのだがな』


『だが・・・地球で魔物を誕生させようなど直接手を下すのを是とせぬ者たちの仕業とも思えぬな・・・』

それ以上は言葉をつぐみ、己が考えに自問自答しているようだ。

暫く様子を伺っていると、どうやら答えが出たらしい。


『事態はおおよそ理解できた。 地球という所にも興味が湧いてきたし、お主に協力しても良いぞ?』


『母上の様な力は無いがな、まぁ気長に200年ほど待ってくれ!』

200年って・・・


「そんなに待てるか! あー サンダーバードが仲間だったらチョーつぇーと思ったのに。期待外れだった・・・」


『期待外れだとー!!! これでも雷属性最強の精霊ぞ! 儂自身は未熟なれど、儂と契約する者は全ての雷属性の魔法が使える様になるという事だぞ! それでも期待外れかー!!!』


「マジか・・・ それは失礼しました・・・。 では、早速契約を。お願いします」


『よかろう! だが、その前にお前の名は何じゃ?』

契約に名前は必要だからな。


『では翔、これからよろしく頼むぞ! では儂にも名前をつけれくれぬか?』

確かにサンダーバードは長すぎるし、親と混同しそうなので、色々提案してみたが、尽く却下。

サンダー、ビリー、雷鳥、来来軒・・・


「いい加減妥協しようぜ・・・ じゃぁ ラーズってどうだ?」


『おぉぉ 強そうで良い名前じゃ! それで行こう。 これより儂はラーズじゃぁぁ!』


契約も無事終わり、と言ってもラーズが『良いよ』って言っただけだったんだけどこれで雷属性も得たわけだ・・・!? 多分・・・そうだよねぇ。


「ラーズ、雷属性の魔法ってどんなのが在る? 俺に教えてくれない?」


『おぉ良いぞ。 まずはライトニングはどうじゃ? 手をこう出してじゃな・・・掌に雷の球を作る様にイメージしてじゃな・・・・敵に向けて真っ直ぐに突き刺す様に放つのじゃ!』


教わった通り、右手を出して・・・「ライトニング!」


バリバリバリ・・・

右手から三重の魔法陣が現れ、多数の稲妻が絡みながら、掌を差し出した先へと放たれた。


『さっすが翔じゃな。第3位階の魔法を容易く修得するとは。 普通は失敗を繰り返しながら修練を重ね使える様になるというに・・・威力も常人の使うライトニングを遥かに凌駕しておる』


そこから、いくつかの雷属性の魔法をラーズに教えてもらった。雷属性の魔法は、範囲魔法の類が多く肉体を持つ魔獣などには、麻痺などの追加効果も在る様だ。第8位階魔法迄教わったが、それ以上は魔力の消費が激し過ぎるとの事だったので、またの機会とする事になった。実のところ、かなり疲弊しており魔力の回復が急務だったりするのだ。


今日はここで休む事とした。襲ってくる魔物が居らず久し振りにゆっくりと休めそうだ。仮に魔物が来たとしても、サンダーバードが一瞬で片付けてくれるし、これ以上安全な場所は無い。

かなり上空で本来寒いくらいな筈だが、精霊たちが俺の周りの空気を温めてくれている様だ。食べ物も近くの魔物で食えそうな物を用意してくれる。

姿は時折見せる程度だが、俺のそばに居てくれているのだろう。


『翔よ、ところで一休みした後は何処へ行くのであるか?』


「う〜ん それなんだよなぁ。 此処来たのは力をつける為なんだが、どうすれば強くなれるのか・・・例えばルキフグスと同じくらいの力を得るためにはどうすれば良いかがわからないんだ 。それがわかれば、目的地も明確になるんだが・・・」


『ルキフグスと同等か・・・先程翔の話しに出た“神”と同等の者だぞ? 此処で同等の存在となるとエレメント・ドラゴン位じゃろう』


「やっぱり・・・ アレと戦わなくちゃいけなくなるわけか。 ルキフグスも言ってたんだよな・・・ここを出るにはあいつを打ちのめす位じゃないとって・・・」


『では、討ち取れば良いではないか』


「一度見かけだが、アレは化け物でしょ。サンダーバードも十分化け物だけど、戦う気は毛頭なかった。戦闘相手と考えたら、どちらも避けるべきだと俺は思うよ」


『翔、それっていつの話?』


「ここに来てすぐの時」


『じゃよな。 儂が生まれる前の事の筈じゃ。それからどれくらい経ったと思っとる? 今の翔はであればそこそこ行けると思うのじゃがな?』


「それは無い。 ここへ来た時も、サンダーバードの雷攻撃で死にそうな思いしたんだ」


『死んでおらんでは無いか?』


「たまたま、水魔法で防御壁をかけていたから水を伝ってうまく避雷できただけさ」


『・・・翔。それは多少はあるかもしれんが、それだけで防げる雷では無いぞ?アレは。この地には魔物はもちろんのこと、魔人すらもいない事を忘れたか?魔人は勿論魔法を使う事ができるし、防御魔法も然りじゃ。それでも此処には居ない。何故かわかるか? それくらいあの雷は強力なのだ。ドラゴンも近寄らないほどにな』


『サンダーバードは、自らの子に全てを受け継ぎ、死を迎える。それ故に“子”の誕生は同時に自らの死へのカウントダウンの始まりじゃ。子が成長を遂げるまで、全ての魔力を使い果たしその()を守る。故に最強の魔法で危険を排除するのじゃ』


『その魔法を受けて尚、この場にいるお主は間違いなく、魔人よりも強き者。ドラゴンの攻撃にも耐えうる防御力も持ち合わせておろう。 おそらく、ここに来るまでの間に相当な魔物を屠って来たのじゃ無いか?それとお主に付き従う精霊たちも相当数の魔物を餌にしていた様じゃ。仲間の経験もお主の糧となっておる筈じゃ』


・・・俺の気づかない間に本当にそんな事が起こっていたのか? 確かに相当数の魔物と戦ったが、仲間の精霊も俺の知らないところで戦っていたとは・・・しかも、その経験が俺の糧になっているなんて。


『お陰で、儂の贄がちっとも増えぬ。 まぁお主の精霊が常にいてくれるお陰で、土壌は良いがの』

そう言いつつも、少しも苛立ちは無い様だ。寧ろ笑いながら、話してくれている。

「そうか、知らなかったとはいえ悪かったな。ごめん」


『構わぬぞ。今は仲間じゃし、恩恵は皆で共有できる状態だしな。ちなみに、母上のが駆除する経験も今はお主にも分け与えれているぞ!』


えっ


「いや、それはマズイんじゃない? 分けるってことは減るってことでしょ?」


『まぁ多少は減るが、人数割になるわけでないぞ、せいぜい6割か5割の事じゃ。それよりお主の仲間の方がそれ以上に有難い』


まぁそういう事であれば、良いのかな?

「じゃ、目指すはエレメント・ドラゴンという事で! 少し、休ませてもらうよ」


『おやすみ、翔』

ラーズは横になった翔の隣にくると添い寝した。羽毛であればさぞ気持ちよかったであろうが・・・。



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