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第十話 鉱物資源ゲット


 昼食を終えると、エリックたちも休息したおかげで、体調はかなり回復してきていた。


 肩を貸せば歩けるようになったエリックに午前中に作った防壁を見せてやる。


「はぁああ。これが神の使徒の力か……凄すぎる……この最果ての村に防壁ができているとは……」


「エリックさん、これで夜も安心して寝られますよ~。ツクル兄さんがゴーレムも作ってくれてますし、周辺の魔物は近づく前に狩ってくれるみたいです~」


「ゴーレム!? そんなものまであるのか! ああぁ、イクリプス様、ツクル様、ありがとうございます」


 肩を貸していたエリックが崩れ落ちるように膝を突いて祈り出した。


 ちょっとだけ『ビルダー』の力による刺激が強すぎたかもしれない。


「いやいや、これくらいで驚かれたら、困りますよ。もっと凄いものも作りますので」


「もっと凄いですと……」


 エリックの黒い瞳が驚きで見開かれる。


 いい歳のおじさんなのだが、驚いた顔は子供のようなあどけなさを感じるのは、何故なんだろうか。


「ええ、もっと凄い物を作ろうと思いましてね。今からルシアとその素材を集めてきます。ついでに夕飯の食材も確保してくるんで、エリックさんたちはもうしばらく休憩しててくださいね。体調さえ戻ればやって欲しいことは色々とあるので」


「そ、そうですか。また、倒れてツクル様にご迷惑をお掛けするわけにもいかないですし、休憩させてもらいますが……もっと凄い物とは……」


「素材集めて完成したらエリックさんにもちゃんとご報告しますよ。ささ、部屋に戻りましょう」


 この最果ての村は寝具すらまともにない寒村であるため、早く一定水準の村まで開発して、エリックやルシアたちの環境を整えてやりたい。


 俺たちはエリックを部屋に帰すと、留守番という名の休息命令を出し、素材収集の準備を終えると、村から北に一キロ程度進んだ場所にある鉱山地帯にまで足を延ばしていた。


 ゲームでプレイした時はここの【鉄鉱石】と【銅鉱石】には、大変お世話になったな。


 クリア優先で先に進んでいった奴等は、ここに眠る膨大な【鉄鉱石】と【銅鉱石】を手に入れられず、中盤で資源に苦戦する奴等もいたからなぁ。


「多分、この辺りの山を削ると【鉄鉱石】と【銅鉱石】が手に入ると思うんだ。あの小山なんかちょうど良さそう」


「村からこんなに近い場所に鉱石が採れる場所があるなんて……」


 ルシアはあまり外を出歩いたことがないようで、初めて訪れた鉱山地帯を眼にして周囲をキョロキョロを見回していた。


鉱石が山肌に見えているちょうどいい小山を見つけたので、周囲に魔物がいないことを確認してから、ルシアを麓に待たせて山を登る。


一〇メートル程度の高さの山の頂上に立つと、地面を【石のつるはし】でぶっ叩く。


一叩きで一メートル四方が掘られて土ブロックや【粘土】、【砂礫】などに変化していく。


 その内、鉱石や【石炭】の層に当たり、【鉄鉱石】、【銅鉱石】、【石炭】も素材化を始め、インベントリの中に次々と収納されていた。


 俺が今行っている掘り方は、頂上から順番に採掘をしていく露天掘りだが、掘った物は重さのないブロックや素材に変化するため、土砂を棄てる手間が無い。


 そのため、小山の採掘は異常なスピードで進んでいくのだ。


 一〇メートル級の小山を採掘しつくすのに一時間足らずで完了していた。


 これも、【石のつるはし】を大量に準備して採掘の効率が高まっていたからだ。


 その作業を見ていた現地人であるルシアが、またまた呆気に取られていた。


「ふぅ……一山削り終わったね。【鉄鉱石】と【銅鉱石】がかなり手に入ったよ。あと、【石炭】も。これで、鉄製の武器や道具。銅製の鍋釜や食器が作成できるようになったし、色々と作れる物も増える」


 惚けたように立ち尽くしていたルシアの鼻を軽く摘まむ。


「ひぐぅ。ひゃああ!! 相変わらず、ツクル兄さんの作業は魔法みたいな感じですね~。小山とはいえ、これだけの規模の山を掘り返そうとしたら、たくさんの人手がいるんですよ~。さすがツクル兄さん」


 実は採掘中に貴石の一つである【ルビー】も一緒に採掘されていたので、銅製の台座にルビーをあしらったネックレスを密かに制作して、ルシアにサプライズのプレゼントをしようと画策していた。


 ルシアが喜ぶ顔を思い浮かべると思わず顔がにやけてしまう。


「ツクル兄さん? どうかされましたか?」


 いつの間にか含み笑いをしてしまった。その姿を不思議に思ったルシアが声をかけてきていた。


「ん? ああ、大丈夫だ。思ったより多くの鉱石が手に入ったからね。嬉しかったのさ」


「そうですか……。なら、いいんですけど……」


 距離感が近くなったとはいえ、男の欲望を前面に押し出してしまえば、彼女に嫌われてしまうかも知れないからだ。男子として時には自重も大事。


「さて、鉱石は手に入れたから、夕食の食材調達とルシアのご希望品である調味料を探しにいくか」


「【塩】だけだと味の幅があまりないですからね~。それに、甘い物をこしらえるには、【砂糖】も欲しいところですよ」


「甘い物かぁ。俺も甘党だし、まず【砂糖】を手に入れようか……。確か、もう少し北に【テンサイ】の自生している所があったなぁ。そこには、毛長牛がいるけど、火属性に弱いからルシアの魔術で倒せそうだし、行ってみようか」


「今晩は『牛肉』のステーキ食べられそうです~。うち、張り切って魔物退治します!」


 採掘では役に立てなかったと思っているルシアが、杖をブンブンと振り回して魔物を倒すアピールをしていた。


 パタパタと左右に揺れるフサフサの尻尾がなんだか、可愛らしくてとっても尊い。


「ルシア大先生の魔術に大変期待しておりますので、よろしくお願いしますよ」


 採掘を終え、日が暮れる前に夕食と調味料素材を手に入れるため、俺達は更に北ある草原地帯へと歩いていくことにした。


ゲットアイテム


【粘土】【砂礫】【鉄鉱石】【銅鉱石】【石炭】【ルビー】

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