8話 試してたらやり過ぎた!?
一つ気が付いた。
根が動かせるという事は、頑張れば移動出来るんじゃね?
って事で早速実験開始〜
土の中で根の先の方を動かないように気を付けて、準備完了!
せーの!
おぉ、ズボッと根が抜けたー!
って、あ、やべぇ!?
太い根が地面から出たらバランスが取れん!?
うおっ!? なんか土の上に出た根がどんどん乾いていく!?
ヤバいヤバいヤバい!!
ふーなんとか元の状態に戻れたよ……。
とりあえず一気に抜くのは無しだね。
下手したら一気に死ぬわ、これ。
ちょっとずつならどうだろう?
10メートル先まで伸ばして、ちょっとずつ根を分けて移動させればいけるか?
とりあえず実験、再び開始〜
そこ、怖いもの知らずとか無謀とか言わない!
あ、移動出来そうだけど、他の木の根に引っ掛かるなぁ……。
……木って吸えるのかなぁ?
ハッ!? 今、俺は何を考えていた?
仮にも今の俺は木だぞ?
同族を殺す気か?
……まぁ、いっか。どうせ会話も出来なうし、助け合う事もないしなぁ……
よし、このなんかピンク色の綺麗な花が咲いてる木を試してみよう!
これ、桜かなぁ?
桜っぽい気はするけど、木の種類の知識ほとんどないからわかんねぇや。
まぁ桜って事でいいや。桜よ、覚悟しろ!
根っこを桜に突き刺して、チューチュー吸い取るぜー!
ふむ、木が相手でも吸えるのんだな。
おー乾いて朽ちた老木にようになっていくねー。
お、なんか成長したっぽいな。
んん!? なんか動物吸ったときの成長とはなんか違和感が……?
大きくなるというよりは、質感が上がった?
あ、なんか花が咲くようになってる?
って、さっきの桜と同じ花じゃん!?
もしかして、木を吸えばその木の性質を獲得出来るのか……?
よし、早速実験じゃー!
……はい、やり過ぎました。
アハハ、周りの木、全部枯れてら。
いや、言い訳させて下さいよ。
これね、推測大当たり! 吸った木の特徴がそのまま反映されるのさ!
吸った数が多けりゃ多いだけ、より濃くなっていってね。
気が付けば片っ端から……テヘ?
いやね、呆れないで。ほんとに凄いんだよ!
意識的にその木の性質に切り替えられるんだよ!
木の実が多い木に切り替えたり、花が綺麗な木に切り替えたり、そんな感じでさ!
木だけじゃなくて普通の植物もいけたのはちょっと驚いたけどさ。
そして、蔦の植物! これが凄い重要だった!
伸縮させて地面を這っていって、本体を移動先にズラしていけば、移動可能なのだ!
この蔦、森中の木に巻き付いててさ。これだけのつもりだったの。でもさ、目の前にあって実行可能なら我慢出来る!?
俺は我慢出来なかった!
反省はしてるが、謝りはしない!
俺が生きて、移動していくためだもの。
世の中、弱肉強食なのですよ!
え? 肉じゃない? そんなのは大した問題じゃないさ。
問題ってのはね、俺が住処を奪ったせいで俺を取り囲んでるモンスターの事を言うんだよ?
……さて、どうしたものか?