7話 攻撃手段を手に入れた!
今日は快晴だー!!
いや、ほんとあの大雨は死ぬかと思った。
恐るべし、自然の脅威!
さてさて、隣の木々がごっそりと土砂崩れで流されて行ったままなんだが、その横でずっと居るのも気分悪いなぁ……
とりあえず、土に大量に雨が染み込んでるから吸い取っとこう。
うっぷ、ちょっと吸い込み過ぎた……
あー、なんだかんだで栄養豊富なのね?
今、グンッと体感できるレベルで成長した気がするぞ。
んーそういや異世界物と言えば、ステータス表記とかレベルとかスキルとかあるよなー。
よし、物は試しだ、ステータスオープン!
……反応なしか。
何処からともなく聞こえてくるアナウンスとかはありませんかね!?
……返事ないなぁ。そういうのはないシビア系の異世界かぁ……
でも魔法はあるっぽいよなー。狼が影に潜ってたしさ。
俺もなんか使えんかな……?
あー魔法かどうかは分かんないけど、根がある程度自由に動かせるのは特殊能力かな?
こっちの一般的な木がどんなものかは知らんけど、見える範囲の木は俺みたいなことしてないしさ。
よし、色々と試してみるか!
もしかしたら根以外も動かせるかもしれないし。
とりあえず思いつく木の部位を挙げていこう。
まずは根。
木を支える重要な縁の下の力持ち。これは動かせるのわかってるからスルーで。
次は幹。
ここはどう動かせば良いのか見当つかないや……。
でも栄養補給すれば、かなり傷付いても修復は可能だったねー。充分おかしいわ!
お次は枝だぜー。
ここは多少動かせそうな気がする。って事で、実験開始!
お、動く動く! あーでも根ほど自由自在とはいかないのか。
伸縮はしないのね。
あ、小鳥達、ごめんよ! 止まってた枝を動かしたから一気に飛び立って行っちゃった。
意思疎通が出来ないのも難儀だなぁ……
まぁ野生の鳥と会話出来た事なんか地球で居たときも無いけどな!
とりあえず枝は可動可能って事で、使い方も考えなきゃね。
まぁ、今は何が出来るかの確認が先だー!
そして残す所はあとは葉っぱだ。
なんとなく出来るような気はしてるけど、果たしてどうだろう?
せーの、えいや!
おー、成功だ!
枝を振り回しながら葉っぱを切り離したら、勢い良く飛んでった!
おーよく飛びますなー。
って、あ……。
葉っぱの飛んでった先に熊がいて、腹を軽く切り裂いてた。
距離があったから、軽く切った程度か。
……というか熊よ、またお前か。
今回は正直俺が悪かった。怒るのは分かるさ。
謝るさ、だから凄い形相で迫り来るのはやめておくれ?
って、通じる訳ないよねー!?
だが、俺とて死ぬ訳にはいかんのだよ!
そして、俺の実験台となって死ぬがいい!
ふふふ、葉っぱの乱れ投げ切りが上手くいったようだね。
熊は、あちこち切り刻まれて息絶えたよ。ふふふ、雑魚め。
もちろん、蛇でないなら栄養にさせていただきますとも。根でぐるぐる巻きにして、チューっとね。
……こうやってモンスターを吸うにも躊躇いなくなったなぁ。
これで今のところ出来そうな範囲の検証は終わりかな?
花が咲いたりすればそれでもなんか出来そうだけど、それは咲いてから考えよ。
んーなんとかこの場から移動する手段が欲しいけど、やっぱり木だし無理なのかなぁ……?
成長すればなんとかなるか……?
今の段階じゃなんとも分かんないなぁ……。




