17話 覚悟は決まった
盗賊達は俺や小鳥達には気付いていないな。
そりゃ極力気配を消して徐々に仕込みをしてるから興奮してる盗賊が気付くわけもないか。
よし、仕込み完了。
小鳥達も察してくれたように頷いてくれた。
最近の小鳥達との無言の意思疎通も精度が増してる気がする。
絆が出来てきたって思っても良いんだろうかな?
さて、作戦開始だ!
盗賊共の足元に根っこは忍ばせた。それを一気に巻き付かせている。
フフフ、見事にまぁ混乱して焦ってんな!
そんなボロっちい剣なんかで俺の根が切れるかよ!
俺の根を切りたきゃ、あの物騒な魚くらいのもんは持ってこいや!
ハッ! ざまぁみろ!
自分達は襲われないとでも思っていたか、愚か者ども!
小鳥達、今だ!
小鳥達の群れが弾丸のように俺が拘束した盗賊達を撃ち抜いていく。
うわぁ……。やっぱりショッキングな光景……。
でも、俺は自分でこの手段を選んだんだ。後悔なんかしてやるもんか!
盗賊の殲滅自体は即座に終わったよ。
盗賊がどうなったかって? 小鳥達の餌になってるよ。
とりあえず、それはどうでもいい。とにかく女の人とその子供だよ!
……あ、やっぱりもう無理だね、これは……。
くそ!! 薬草とか治療に使えるものを吸い取れていれば……!
……何か言ってるけど、ごめん。俺こっちの言葉全然分かんないんだ……。
……最後の言葉になるかもしれないのに、想いを受け取れないのが悔しい……。
え? 子供を託す様に差し出してきた……?
こんな得体のしれない木のモンスターなんかに、そんなこと……
あ……うん、その言葉そのものの意味はわからないけど、気持ちは伝わったよ。
”助けてくれてありがとう。子供の事をどうかお願いします。叶うなら私もこの子と共に……”
多分、そんな意味だったんだと思う。それを最後に女の人は息を引き取ったよ……。
うん、叶える義理はない。だけど、俺はそれを受け入れようと思う。
だから、女の人を吸い取ることにした。
それで俺の体の一部としてこの子と共に居れるだろう。
人を吸うことには、元人間としての躊躇いあるさ。だけど、この女の人の想いを受け入れると決めた。だから実行に移すんだ。
あぁ、そうか。この人は魔法使いだったんだ。
子どもも見てみれば、耳が長い。これってもしかしなくてもエルフだったりするのかな?
あ、小鳥達は盗賊を食い終わって戻ってきた。
よし、ボロっちいけど、武器や防具は俺が吸い取っておこう。
色々とありがとね、小鳥達。
お礼にクラゲ風の葉っぱをーー
葉っぱの種類を変えた瞬間に食い尽くすのね。流石だね、君たち。
とりあえず、エルフの子どもは意識を失ってるし、どうやって連れて行こうか?
あっ! あれ使おう!
バカでかい食虫植物っぽいやつの特性で幹が開閉出来るから、その中で休ませよう。
うん、洞っぽい感じ。
使い道なんかないと思ってたけど、意外と使い道あったね、これ。




