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3-13 リオン式ダンジョンの過ごし方

 女の子達がちょっと仕事にならない感じなので、ベックが休憩を宣言した。

 蜘蛛で結構時間を食ったのと、女の欲望に当てられて、男共も辟易していたので休憩は歓迎された。


 リオンは、ちょっと失礼といって、コテージを出した。驚く一同。

「な、なんだ、これは」

 ジョンソンが思わず聞いたが、

「コテージです。あ、でも軍用のシェルターに近いかもしれません。女性の方、ご一緒にどうですか?」


「おー、いってみよう~」

「そうね。面白そう」

「お付き合いしましょ」


 そして、上がる感激の声。『トイレ』である。ダンジョンのトイレ事情は切迫している。どこへ行っても、女性にとってトイレは重要事項だ。


 地球の奴は知らないが、ここでは女性用の鎧・防具は装着したまま、用を足せる構造になっている。男でも大の話はあるので、そうしている者も多い。金属プレートの奴は深刻なのだが。


 トイレの他に素敵なベッドルームや豪華大理石製のバスルーム。システムキッチンやダイニング・リビングとかなり広い仕様だ。


 そして女性陣にお茶を振る舞い、リオンは御菓子の製作に移った。今日はフルーツと果汁のゼリー。手で作るのが好きなのだが、今日は魔法で。スライムおやつは散々作ったので、レシピが無くても魔法で製作できる。


 パンっとおやつを出して見せて、拍手喝采。一口食べて、

「うお! 凄い。何よ、これ。こんなの食べた事がないわ」

「本当。滑らかな舌触り。香りも素敵ね」

 あと、無言でかきこんでいる方。


 そして、外でくつろいでる男衆にも振舞う。

 大人たちの反応は微妙だったが、

「やったあー」

「うおお、久しぶり~」


 狂喜する見習い2人組の反応に当てられて、男達も試す。

「うお! こいつは」

「こりゃあ……商売が出来るレベルだな。貴族だって、いや王族だって文句を言わないだろう」

「へーえ」

「むう、わしは酒の方がいいんじゃが……悪くないの」

 さすがにドワーフさえ文句を言わない出来。


 褒められて、にまにまするリオン。マークとジョニーに強請られて、御代わりを置いていく。


「あ、女共にそろそろ切り上げるように言ってくれ」

 ベックは指示を出す。ピクニックに来たわけではないのだ。

「はーい、わかりました」


 女性達も戻り、行軍を開始した。

 思いもかけぬ、おやつにありついたので、全員何か満足げだ。


 すでに開始後3時間となった。ほどなく地下7階へと歩を進めた。中は相変わらず暗い。照明器具を大量に放ってあるので、リオン達のいるところだけは真昼のように明るいのだが。


 芋虫がうようよと蠢いている。女性陣の顔は暗い。こいつも糸を吐くのだが、ねばねばしているだけで役に立たない。相手を捕獲したりするにはぴったりの、いい武器になるとリオンは考えるのだが、この世界ではそうじゃないらしい。


 女性陣がやってきて、両側からリオンの肩をポンと叩く。ちらりとベックを見ると頷く。

アイテムボックスから、箒を取り出すと、柄の方を突き出すと火魔法を派手に噴出した。どうやら火炎放射器のつもりのようだ。芋虫どもは殆ど跡形も残らない。冷却してすぐ通れるようにする。

 そのまま進軍し、さっさと抜けると8階へ。

 

 うっわ。リオンは思わず顔をしかめた。『アイツ』だ。時と空間を越えて、全世界の嫌われ者。俗に言うコックローチとかいう奴らである。カルーチャともいうらしい。


 そして、でかい。1メートルくらいある。リオンは黙って、ガルちゃんの傍により、ぽむと叩いた。ワンコは大喜びで、突っ走りながらゴキブリを弾き飛ばして、壁の染みに変えていった。


 そのまま、ガルちゃんと共に一行は走りぬけた。

「助かったわ~。あれ苦手なのよねー」

「あの、ぬらぬらとしたのが、またなんとも」

「昔、オヤツをしまってあった箱を開けたら……」

 やはり、女性陣には不評なようだった。


 地下9階へと。今度はでっかいミミズの海だった。素材を売れない事はないのだが、安いので割に合わない。通り抜けるのが難儀なだけの誰得ステージだ。再び火炎放射器無双。干からびた黒焦げ巨大ミミズの残骸を風魔法で吹き散らしながら、節目の10階へと突き進む。


 そろそろ、お昼ご飯が近いな。そう思いつつ、目を凝らすと可愛いウサギだ! 思わず駆け寄ろうとしたリオンの腕をマークが、抱きかかえる。

「こんなとこに、可愛い小動物がいるわけないだろ?」


 みるみるウサギの姿は、醜悪な姿に変わっていき、目は爛々と輝いている。ムカっときたリオンはウインドカッターで、あっさりクビを刎ねた。


 このせちがらい世界で幼少より小動物の解体くらいは嗜んできた。獲物の首が飛んで、血飛沫が上がるくらい、なんでもない。自分の首でさえなければ。


 このウサギは少し金になる。めいめいで狩る事になった。危なかったら声を出す事。

魔物とはいえ、ウサギ程度をソロで狩れないようでは、冒険者はやっていけない。マークとジョニーがウサギの反撃を食らって大騒ぎしている。

 あたりのウサギを狩りつくして、丁度お昼時になった。


 アイテムボックスに解体機能を付けておいたので、ばらしたウサギの内臓から、ガルちゃんのご飯を作ってみた。魔法で丁寧に処理したので、これはご馳走になっているはず。おいしそうにパクついてた。せっかくのダンジョンだものね。


 お昼は魔ウサギのスープと串焼き。魔法で作り、風魔法でにおいも外へは出さない。見張りはガルちゃんが担当。それで調理の許可はもらった。魔法調理だけれど。


 サラダ。それにオークサンドだ。何故オークかと言うと、次の11階がオークで、肉の補充が出来るから。正規に調理をしなくても、魔法のクッキングで獲った魔物素材でご飯も食べられるし、材料も持ち込みしてこれるので、豪勢な食事だ。魔物以外の食材なら、魔法で作れるし。


 それにしても、ダンジョンでこんなご馳走が食べれるとは。みんなホクホク顔だ。昼休憩中は、コテージではなくトイレが出されていた。

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