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中学生ユーリ~1年生~①

ユーリは地元の第一中学校に入学しました。


同じ小学校だった子は10人ほどでしょうか、クラスに1~2人の割合です。



自己紹介が嫌で嫌でたまらなかったユーリですが、点呼されてあとは紙に書いて掲示する形になったのであまり困ることはありませんでした。



クラブも引き続きダンス部に入ることに決めていたので、のんびり友達を作っていこうと考えていました。



しかし、国語の授業でのこと。


小学校での思い出を五七五で俳句風に作り、発表しなければならなくなりました。



ユーリも楽しかったダンスクラブでの活動から、頑張って五七五を作りました。


“楽しいよ 音とみんなと 踊ること”



(よし・・・できた。これは自信あるぞ!)



発表は出席番号順に進み、ユーリの番が来ました。



「たたた・・・・たったたたっ・・・・たたたたったたたたたた」



初めてみんなの前で発表することもありとても緊張してしまい、卒業式の時のぱたぱた作戦もすっかり忘れ、ユーリは17文字“た”が続いてしまいました。



みんなユーリの方を振り向いてきょとんとしています。



離れた席に座っていた男の子が言いました。



「“たたたたた たたたたたたた たたたたた”だって。だっせ。先生、俺にはあいつが何語を言ってるのかわかりませーん」



みんながどっと笑い出しました。


先生が必死で注意してくれますが、誰も聞いていません。



ユーリは顔を真っ赤にして、うつむきながら椅子に座りこみました。



(また駄目だった、言えなかった・・・恥ずかしいよ・・・みんな笑わないでよ・・・)



この日から、ユーリのクラスでの呼び名が“たたた星人”になってしまい、宇宙人、障害者、とからかわれるようになりました。



「うわ、宇宙人が来たー。さっさと自分の星に帰れよなー。ここにお前の居場所はねーぞ?」



「頭狂ってんじゃねーの?挨拶もできねえとかマジありえねえし。ほらおはようって言ってみろよ障害者」



「ねぇ、なんでガイジなのにウチらと同じ教室にいるの?気持ち悪いんだけどー」



(宇宙人なんかじゃない・・・どうしてそんなこと言うの?あたしは障害者なの?なにも、なにもしてないのに・・・挨拶、あたしだってしたいよ・・・おはようって、こんにちはって、さようならって言いたいよ・・・)




初めはささやかだったからかいも、あっという間にいじめに発展してしまいました。


小学校が一緒だった子もユーリのことをよく知らなかった子ばかりで、かばってくれることはありませんでした。




楽しみだったダンス部も、同じクラスの子が数人いて悪口を流され、居づらくなって、行かなくなってしまいました。



暴力はありませんし物を壊されることはないのですが、言葉による嫌がらせや仲間はずれが続きました。



非常に発覚しにくいいじめの方法です。



家庭訪問の時も、先生はいじめを把握していなかったので、「まだ少し緊張してるところがありますね」くらいで、特に何も言いませんでした。



ユーリは学校に行きたくありませんでしたが、お母さんやお父さんに心配をかけたくなくて、毎日ちゃんと学校に行っていました。



クラスで一番流行ったいじめ方は、とにかく人前でユーリを喋らせて、その最中や後にあざ笑うという陰湿極まりないものでした。



「先生、リーダーは咲野さんなので、訪問先への連絡は咲野さんがしてくれまーす!」



「咲野さん、決まったら私たちに連絡、お願いね。大事なことなんだから、メールなんて手段使わないでよね?」


「要件は短くはっきり言ってくれないと困るよねー」



(ど、どうして、全部、私がしなきゃいけないの・・・?無理だよ・・・)



「みんなさ、あんたの頭のおかしい喋り方に不快な思いしてんだよ。それくらいしたって罰当たんないし。むしろこれで許してあげてるんだから感謝してよね」



「嫌なら死ねば?あんたみたいな気狂い、いてもいなくても変わんないんだよ、ゴミ」



スピーチ、発表会、司会、グループの代表などなど、誰もやりたくない役回りは何でもユーリにさせました。



クラス全員でユーリを推薦するのです。



先生から見れば、ユーリは人望はあるが過緊張な生徒に映ります。



中には「みんなにこんなに信頼されているのに何故そんなにしゃっきりしないんだ。みんなの期待を裏切るつもりか」とユーリを叱る先生もいました。



(誰か・・・誰か助けてよ。あたしできないよ、みんな助けてよ・・・)



誰も味方はいない・・・と、ユーリは思いました。

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