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兄と妹  作者: ゆなり
31/39

28 反省しています

 父が帰宅すると、兄が仁王立ちで待っていた。

 腕を組み高圧的に見下ろしてくる息子に、父はニヘラッと笑みを向けた。

「ただいま?」

 と挨拶するも冷え冷えとした眼差しは変わらない。

「説明してもらおうか」

 父はダラダラと冷や汗をかいていた。

「あの馬鹿を泊めるなんて何を考えてる」

「えっと~」

「娘を怯えさせて部屋に閉じこもりっきりにさせるのが目的か」

「う、やっぱり、そうなっちゃった?」

 父の不用意なその一言に、凶悪に眉が跳ね上がった。

 一気に危険域にまで跳ね上がったその怒りのボルテージに父は心底戦いていた。

「やっぱり?やっぱりと言ったのか?」

 地を這うように低いその声。

「どういうつもりだ。当然、俺が納得いくように話してもらえるんだろうな」

 未だ玄関の三和土(たたき)に立ったままで、室内に上がることなく息子に詰問されていた。

「えっとね、家に他の男の子がいる状況に慣れてもらおうかなって~」

「……ほう?」

「ほら、男の子が苦手でとてもじゃないけど、一緒に暮すなんて無理だよね。だから、」

「……」

 無言のその圧力に、

「お父さん、プロポーズしちゃった☆」

 父はてへっと可愛らしく言ったが逆効果だった。

 兄の腕が伸び、父の頭を鷲掴みにする。

 握力だけでギリギリと締め上げてきた。

「い、いたたたたた、痛い!?」

「物事には順序ってもんがあるといっただろう!この馬鹿父がぁ!!」

 青筋を立てた兄は父を叱り付けた。

「ご、ごめんなさい~!」

 父は涙目で謝っていた。

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