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兄と妹  作者: ゆなり
28/39

25 呼ばれざる客

 キャアアアアア

 階下からのその悲鳴に、兄は部屋を飛び出した。

 妹の友人が来るからと、邪魔をしないように自室に引っ込んでいたのが仇になった。

 居間に飛び込むと背の高い男の姿がある。

「あっちへいって!」

 その向こう側には泣きながらお菓子を投げつけている妹の姿。

 抵抗手段がお菓子とはいえ、兄の後ろに隠れるしかなかった少し前までを考えたら、大進歩だった。しかも自分の口で拒絶まで。

 兄はこんな事態なのだが、妹のその成長についホロリときてしまった。

 妹の友人達は大半が黄色い歓声の声を上げている。

「照れ屋さんだなぁ。お菓子を投げつけるのはやめてくれよ」

 ハッハッハとその馬鹿は言う。

 兄は無言でその背後に忍び寄り、腕をそいつの首に巻きつけ締め上げた。

「ぐえっ」

 妹は兄が登場した事にホッと肩の力を抜いた。

「邪魔をして悪かったね。お邪魔虫は連れて行くから」

 兄は首を絞めたままズリズリと後ろに引っ張る。

「会長、その不審者はなんですか?」

 妹の友人の中、ただ一人冷静に事態を観察していたボブカットの少女がたずねた。

 その眼差しには不信感がいっぱいだ。

「この変態はこれでも親類なんだ」

「うぉい、親戚って何だ!未来の弟と言えよ!」

 クビを極められながらもふざけた事を言う。

 妹は激しく首を振った。

「寝言は寝ていえ。むしろ永遠に起きるな」

「ひでえ!ハニーもなんとか言ってくれ~」

 兄の引きずり出そうとする力に抗い、男はじたばたと足掻いている。

 ハニーなどというイカレタ発言に、兄は鳥肌を立てた。

「妹を不気味な呼び名で呼ぶな!つべこべ言わないでさっさと来い!」

「不気味って言うな!この溢れんばかりの愛情をなんだと……絞まってるって!首ホント絞まってる!放して、お願い!」

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