第42話 世界終焉
目の前に君臨する7代将軍が7人。
対してこちらはガルフとギーヴのみ、その他の女性2人はゼーニャの治療に当たっている。
「いつの間にか7人揃ったってわけですね」
ガルフが剣を手にぽんぽんと当てている。
1人はガロンザバス。彼はにやにやしながらこちらを見ている。黒甲冑の鎧が黒光りしている。
「1人はガロンザバスでどうやらゲート系のスキルを使うみたいだ、気を付けろ、1人はヒカリリストでスキルをキャンセルしてくる、1人はメレルガラストでトレジャーアイテムをもってる。1人はラガディベルマで開発系スキルだ。1人はバラストガルド分身系スキル、1人はガダルガダルで束縛系スキルだ。1人がバーダムガーデンで爆発系スキルだ」
「なにぃ」
ギーヴの発言にその場の全員が唖然とする。
「今の俺様のレベルは9999でスキルが無数にある。この世界の人間は1人につきスキル1つと決まっている。だがな、俺様はもうこの世界の人間ではない、なぜかって? 死んでるからな」
「その通り」
空間のひずみから1人の男女ともつかないアダムイヴが出現する。
「見ものさせてらもうよ」
ガルフはこの緊迫している状況をどうするか思案していたのだが。
「はっは、俺はバカか?」
「なんだと、やはり豹変しているのか」
「なんで、俺はいちいち考える必要がある? 目の前にむかつく野郎がいたらぶち殺せば良いんだろうがよ」
「その通りだぜガルフ、腹がたったらぶちのめしやるのが筋ってもんだぜ」
「あのーあそこにガルフ様が2人いるんですが」
後ろで賢者ナタリーが呟く。
「きっと兄弟ですわね」
聖女ジーラが笑っているが、その手は血まみれになっているゼーニャの治療に必死であった。
「るせい」
「兄弟じゃねぇ」
「さっきから茶番を、ハルガド、もし8大魔王がやってきたら即死させろ」
「任せろ」
ハルガドがローブを翻さして。
とことこと外に出て行こうとする。
その時だった。空が爆発した。
「は……」
その場の全員が唖然としていると。
赤色の柱がガルフ領地に落下してくる。
建物が命が死んでいく。
「嘘だろ、リサイクルガチャの券が1万枚を超えた」
それはつまり、多くの人間と多くの建物がいらない物になり。
リサイクルされてしまったという事。
「これもお前の仕業かハルガド、いやヴィディ」
「いや、違うな」
柱が次から次へと爆発していく。
そうして、1人の老人が空に浮かび上がる。そのままこちらに落下してくるではないか。
【申告 あれはこの世界を支配している古代魔王ヤマガルドです】
「あのーどゆこと?」
【どうやら3天使を殺害してしまったようです】
「えー」
ガルフ唖然。
【3天使の力を吸収して世界の支配権を得たようです。これより、世界の淘汰が始まります】
「あのー聞いてます?」
「どうやらこれはまずい状況のようだね」
ヴィディが冷や汗を掻いている。
「お前の神声もやばい事言ってるようだな」
「ヴィディも聞こえてるのか」
「ガロンザバスよゲートを開け、帝国に戻るぞ、今俺がやらなくちゃいけないのは国の死守だ」
「うぉい、俺との決着がまだだろうがよ」
「お前もそんな事言ってる場合じゃないだろ、伝承を思い出せ」
「えーと、魔王が現れる時、城が出来て、魔族が現れてだっけ、もう忘れちまったよ」
「だから、お前、あそこにいるのが世界の魔王なら、いま、ここに出来るのは城だろうがよ」
「あえーと」
「頭わりーな、早く民を集めて逃げないと皆死ぬぞ」
「あのーちょっと分からないのですが」
「行くぞやはり無能領主だ。ガロンザバスはやくしろ」
「御意」
ゲートが開かれて、兵士が慌てて消えていく。
ざっと1万の長蛇の列は何かシュールだったけど。
「ガルフ、俺達も逃げよう」
「え」
「見ろ、地面から城が形成されていく、さらにどこかから魔族が現れてる。転送されてきてるようだ。民は8大魔王って奴等が誘導してるみたいだ。お前は皆に指示するんだよ、うぉら」
「ああ、そうだな、ちょっと剣もちますね、ごほん、てめーら早く民を引き連れて逃げるぞ」
【えーとどこに?】
全員から返事が来たわけで。
「あー」
逃げ場ねーガルフの脳裏で終わりが見えてきたところで。
「よし、下だ」
「確かお前マール領地のダンジョンから落下して死んで、亀裂の下の地下帝国のダンジョンにいただろ」
「ああ」
「つまり、そこに逃げりゃー良いんだよ」
「よし、それしかねー全員に告げろ」
「全員マール領地にあるダンジョンに入り地下深くを目指せ!」
その発言と共に、8大魔王が必死になって動き回るのをなんとなくガルフは感じた。
そうして、ガルフ王国は1夜にして滅んだ。
大地を支配したのは、世界の支配者となった理性を失った魔王、古代魔王ではなく世界魔王ヤマガルドであった。




