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第38話 ガルフ王死すの情報

 ガルフ王国に激震が走った。

 

「嘘よ!」


 ゼーニャが叫び声を上げていた。

 その知らせを受け取ったのはギビンデルク帝国からの伝書鳩からであった。


 そこにはガルフ王が暴れて、しかたなく殺害したとの事、これからそちらへ侵略しに行くことが書かれてあった。


「嘘よね」


 賢者ナタリーが必死に世界樹のジュースの力で連絡を取ろうとするも。


「まったく返事がない……そもそも繋がってる気配がない」


「そんな、ガルフ様に限って」


 聖女ジーラが涙をぽつりぽつりと流す。


「まずは、泣いている場合ではないという事よ、とりあえず、皆に連絡して、敵軍は1週間後に到着すると思う、だから皆を3日以内に召集するのよ」


 リンデンバルク執事長が血相を抱えてやってくる。


「ガルフ様が、嘘でしょー」


 リンデンバルク執事長の隣にはかつてウィンドルク王国の騎士団長であった

 オメガバッシュとギギャとビビィがいた。


「彼等は死んでなかったのね」


「どうやらガルフ様が暴れていた時、税金を金庫に収集していて助かったようです」


「良かったわ」


「今、この国が危機だと知り来ました」


 オメガバッシュがゼーニャに首を垂れる。


「とりあえず、皆を集めて」


 3日後


 そこにはミヤモト、アキレスドン、パトロシア、アーザー、ウィンダム、クウゴロウ、ババス、ロイガルドがいて、オメガバッシュにギギャとビビィがいて、ゼーニャ、賢者ナタリー、聖女ジーラ、5人のいかれたパーティーメンバーとリンデンバルクと蛮人王カザロとその妹のルメロがいた。


「希望は捨てるな、あのガルフ様が簡単に殺されるはずがない」


 ミヤモトがそう呟くと。


「その通りじゃて、わしのゴーレム達で捜索に向かわせているのじゃ」


 アキレスドンが呟く。


「草草に語り掛けています。ただガルフ王が死ねば自然物がガルフ王の死体を包み込むはず、そういった情報がないのです、生きているとも言えますわ」


 パトロシアがそう言う。


「空間方程式を使って、ガルフ様の居場所を計算しているんだが、ギビンデルク帝国の方角から歪な空間の歪みを感知している」


 ウィンダムが空間計算をしながらそう言う。


「モンスター達に臭いをかがせているんだが、どうやら、あの亀裂の下から臭うらしい」


 クウゴロウがそう言う。


「まずは作戦を練りましょう、相手は5人の7代将軍クラス。とんでもない戦闘が想定されます。まずは軍略ですわ」


 ババスが本を掴みながらそう朗読する。


「まぁ、亀裂の下にいるなら、親父がどうにかしてくれるだろうし、気に入られるだろうなガルフ様なら、でも親父である古代魔王が地上に出てくることだけは避けてもらいたい」


 ロイガルドが呟く。


「なぜ、古代魔王が地上に出てはいけないのですか?」


「うーん、ババス説明してやってくれ」


「そうですね、古代魔王は天界天使と仲が悪くて、天界天使は彼が地上に出てくることを嫌うのですわ、そうね、このババスとロイガルドが殺し合ったようにね」


「それなら納得、よーし、まずは、それぞれ戦争の準備をしてちょうだい、ガルフ様なら自力で戻って来るでしょう」


「そうですね」


 リンデンバルク執事長が頷き。


「光の目のスキルでも確かに亀裂から若干ガルフ様の光を感知しましたわ」


 聖女ジーラが朗らかに歌うように告げると。


「では解散!」


 ゼーニャが呟くと。


「そういえば、勇者の剣がライクド領地から消えたらしい」


「それは誰かが選ばれたという事?」


「そのようだぞ」


 これはアーザーからの情報であった。

 ゼーニャは一体だれが勇者の剣を抜いたのかとても気になっていた。



★ 

 魔王とは自然災害のゆえんから来ている。

 ある魔族にある力を宿されると魔王が生まれる。

 魔王が生まれると城が自然に生まれる。

 魔王城が生まれれば、そこに魔族が生まれる。

 魔族は自然の産物とされるが、異世界からの産物と認識してよい。

 異世界から魔族が自然発生し、こちらの世界に渡ってくる。

 彼等は人間に害をなす事が当たり前。


「そう聞かされておるじゃロウ? ガルフや」


「そう聞いております」


「実際はそうじゃ、わしは異世界、地球からやってきた。そこでは当たり前のように文明が発達し、人々は銃と呼ばれる道具や戦闘機と呼ばれる道具を使って人殺しをしていたのじゃ」


「そうですか」


「わしは、この世界に来たとき魔族になった。力が宿り三つ目族になった。城が生まれた。そこに配下の魔族達が生まれた。我らは人間に害をなすとされているが、本来は人じゃ、なぁ、ガルフやお主も同じじゃな」


「どういう」


「お前とて力を使い、城が生まれた。そして配下が生まれた。そういう事じゃろう?」


「ああ、確かにそう思います」


「魔王とはそういった存在なのじゃよ、つまり魔王と言う概念は人間が敵を作る為の方便じゃて」


「そういう事なら、かつて伝説と言われた人達はなぜ魔王を滅ぼすのでしょうか」


「魔王が悪になるように仕向けられる、そう、悪になるように周りが追い詰めるのじゃよ」


「なるほど」


「さてと、ここが地下帝国のダンジョンだて、ここからは1人で進むがよかろう。地の果てまで続いておるからのう、幾多のダンジョンと地下深くで繋がっておる。とはいえこのダンジョンから地上に出る事は出来んがのう、一方通行あちらからこちらにはこれるがこちらからあちらには行けない。そういう原理だじゃのう」


「ここまでありがとう、古代魔王、名前は何と言うんですか」


「そうじゃな、かつてはこう呼ばれていたよ山田五郎と、だが今はヤマガルド覚えておくといいい」


「山田さんか、なら、ヤマガルドさん、今後ともよろしく頼む」


「それは出来ん相談じゃが、無事戻ってきたら、酒でも飲もう、いやお主は子供か牛乳でよかろう」


「そうしてもらえると嬉しい」


 ガルフは地下帝国のダンジョンを見渡す。

 巨大な塔。だがその塔は地下深くに食い込んでいる。

 まるで巨大な蛇が突き刺さっているようにぐねぐねしている。


 扉を開けた瞬間。

 そこは修羅であった。

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