第37話 罠だと思ったらそれ自体が!?
歪で歪んだ、独特な城。
塔が無数に存在しており、まるでハリネズミのようだった。
「ようこそおいでくださりました。7代将軍が1人ラガディベルマと申します」
1人の小さな老人がやってきて会釈してきた。
彼の背中には巨大な斧が担がれていた。
「では、こちらへ」
ガルフはごくりと生唾を飲み込んだ。
帝王とはどのような人なのか。
どんな考え方を持っているのか。
玉座に座っていたのは、まぎれもなく人間だった。
「やぁ、俺が帝王のヴィディだよ」
ヴィディと名乗った帝王は純真無垢。
眼鏡をつけており、背丈は自分と同じくらい。15歳くらいなのだろう。
彼はぺらぺらしている服装をしており、とても動きやすそうだった。
「俺はガルフ・ライクドです」
「そうか、良くここまで来てくれたね、では和平条約を結ぼうか」
「条件は?」
「君が死ぬことを条件にしたい」
「へぇ、そんな大それたことを」
「死ななければ、君の国が滅ぶだけだよ、今、七代将軍が5人が向かっている。こう言えば良いかな、彼等は俺のクラッシュガチャで手に入れた駒なのだよ」
「へぇ」
「それは君も同じだろう? 8大魔王だってそんな感じだろう」
「まぁな」
「俺は破壊してガチャが出来る。そうして得た力で帝国を牛耳る事が出来た」
「そうか、それは大変でしたね」
「で。だ、俺はこの大陸を統一したい。だから君が邪魔なんだよ」
「ここで俺を殺せると思うか?」
「ああ、殺せるさ。メレルガラスト、彼を呼んできてくれ」
「御意」
そこにやって来たのは何度も見てきた男。
ハルガド・フォボメットであった。
ローブに包まれていて良く分からないが。
一応世界樹のジュースを飲んできたので、大丈夫だろうけど。
「ガルフ! ここでお前は死ぬ!」
そう言ってローブを解き放つ。
だがガルフは死なない。
なぜか、周りの兵士と七代将軍の2名が眼鏡をつけている。
帝王もだった。
「だが、1度だけではない、また発動出来る。お前の世界樹のジュースは効果が切れているはずだが?」
「その前に殺すだけだ」
またハルガドがローブを包み込もうとする。
ガルフは剣を抜き打ちざま斬撃を放ち。
空撃がハルガドを襲う。
それを巨大な斧が防いだ。
「ふぉふぉ、このラガディベルマが邪魔だてしよう」
「ラガディベルマはね、異世界の滅びの騎士と呼ばれていた老人でね、とても強いんだよ?」
「なぜ、お前達は死なない? 話によるとハルガドの死神ジニアの力で見たものは死ぬはずだが?」
「このリフレクトミラーさ、そこにいるメレルガラストは7代将軍でね、トレジャーハンターみたいなスキルを持ってるんだ。確実に秘宝を探り当てるのさ」
「化け物揃いか」
「だねぇ、じゃあ、死んでもらおうか」
ハルガドがローブを解き放った。
ガルフはこの時死を覚悟していた。
【告知 死亡しました。リサイクルガチャ券を利用して肉体をリサイクルしますか?】
「もちろんだ」
あの時の声だ。だがあの時は神ガチャやらなんやらを使ってて、異世界の肉体が手に入るとかで。
勇者に殺されて体が異世界の体の完全体になったはず。
なぜかガチャが発動されて???が出て。
だが今回は、単純にガチャ券1枚の消費。
「あれ、なんで死なない?」
一応ガルフは血反吐を吐いてて、ハルガドがもう一度ローブを身に着けまた発動。
【告知、死亡しました。リサイクルしますか?】
「お、おのれえええ、何が起きているううう」
ハルガドが絶叫する。
「どうせ、動けないんだから、ラガディメルマ殺してあげなさい」
「御意」
ガルフは死神ジニアの力で死に続け動けない。
だが、体がリサイクルされる。
死神ジニアが巨大な斧でガルフの首を両断した。
はずだった。
【告知、死亡しました。リサイクルします】
首が繋がっていた。
「は、はぁああああ」
ハルガドはさらに絶叫する。
「お、おかしい、こいつ化け物か」
ラガディベルマがまた何度も何度もガルフの首を両断する。
またリサイクルされる。
「ば、化物かなら肉体を消滅させるのみ」
ラガディベルマが渾身の一撃を振るう。
衝撃となってガルフの体が消滅する。
だが、塵からリサイクルされて、そこに立っていた。
「これは、不老不死なのか? 君のスキルなのか?」
「いや、ただリサイクルしてるだけだ」
「そんなチートな」
「ちゃんとガチャ券が1枚消費されている」
「それはどういう」
「俺はあと990回程生き返る」
「む、むりだああああああああ」
ヴィディ帝王が叫び声を上げる。
そして、ただ叫んだ。
「あれを使え!」
「御意、ブルーホール」
メレルガラストが箱から何かを取り出して投げてきた。
一瞬でガルフは暗闇に包まれて。
「地獄の果てまで飛んでいけ、この化け物が」
ガルフは次の瞬間、ゆっくりと目を開けた。
辺りは静けさに包まれていて暗闇の中だ。
空には巨大な亀裂があり。そこから何か仄かな光が見える。カンテラのようだ。
だが、そこは地上にいた時の空にまで達する高さ。
「ここはどこだ」
辺りを伺い、ぽつりぽつりと光が灯る。
1人の老人が椅子に座ってぽつりぽつりと笑っている。
「これまた面白いお客だな」
「お前は?」
「人は古代魔王と呼ぶ」
「そうか、嘘だろ」
「嘘ではない、ここは死神ジニアを封印していたのだが、誰かが着て誰かが解除していった。視察に着たらお前がいた」
「そうか、ここにハルガドが来たのか」
「ハルガドがどうやって地上に出たか知りたいか」
「それが可能なのか」
「ここは暗黒大地とも呼ばれている。病魔地帯ともな、出る方法は肉体を捨てる事じゃ」
「だが、ハルガドには、そうか、ハルガドはローブを纏っていた。肉体がないのか」
「その通り、その肉体はきっと死神ジニアに食らわせたのだろう」
「だがローブを纏えるという事は肉体があると言う事ではないのか?」
「まぁ、そう物騒な剣をしまってくれ」
「すまんな」
「ほう、気配が変わったな」
「すみません、俺は剣を持つと強気になってしまう病気のようでして」
「はっはっは面白い、さてと、肉体を捨てたとしてもそこには輪郭が生まれる物だローブはそれの保護膜みたいなものじゃて、だがお主は肉体を捨てたい訳ではなかろう?」
「はい、早く戻らないと仲間達が危ないんです」
「そうか、それなら、あそこの亀裂から出るといい、あと、ここでは世界樹の力が作用されないから、連絡は取れんじゃろうな」
「あの亀裂から出るには跳ぶしか」
「お主なら出来よう、それに、お主には色々と学ばねばならない事があるようじゃ、まずはこの古代魔王の用意した地下帝国のダンジョンでもクリアして見ぬか」
「そんな暇は」
「じゃが、そんな事を言っても方法はないじゃロウ」
「そうですが、分かりました」
「じゃあ、ついてくるように」
古代魔王の老人。
そこには三つ目の証である目があり。
しわくちゃな顔はどことなくロイガルドに似ていた。
「せがれが世話になっとるようじゃな」
そう呟いていた。




