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第31話 ガルフ王国の噂話

 ガルフ王が素晴らしい人間ではない事を民は知っていた。

 どちらかと言うと無能と言われても可笑しくない事を知っていた。

 そんな風に思われている事もガルフは知っている。


「ガルフ様ー」


 そんな黄色い声で祝福されたとしても。

 彼等の考えている事は分かっている。


「はぁ、今日もリサイクルだろ」

「はいですー」


 本日も王様は民のご機嫌伺いに出向き、いらない物をリサイクルする為に働く。


「ガルフ王は人が良い!」

「ガルフ王は無能だけどとても良い人!」

  

 が定着してきているが。

 本当の彼を知っている一部の人達から言わせれば。


「ガルフ王こそ恐怖で支配する王様」

「ガルフ王こそ勇者を背後から串刺しにする卑怯者!」


 とかとか噂が流れている。

 

「俺はどこからどう見ても心がひ弱で、冒険活動が得意な王様なんだけどなー皆もそう思うだろう?」

 

 10歳前後の子供達が巨大な樽を持って遊んでいる。


「ジョブ怪力マンの強さ見せてやるー」

「俺なんてジョブ樽屋さんだぞー」


 となりの男性は右手だけで巨大な建物を支えている。


「あぶねーぞお前、ちゃんと支えてろよいくら強化酒の力があるからって、なめちゃーいかん」


 女性が本を速読している。


「強化酒で脳を強化したのよ」

「はやいな」


 ガルフ王が提言した通り、この国ではジョブが存在する。

 それはジョブの種を食べるからで。もちろんジョブを変更する事だってできる。


 ジョブの種ショップで売られているジョブの数は数千を超える。

 強化酒の種類は百種類程だったりする。


 これまで、色々なものを消すためにリサイクルガチャを使用してきた。

 ガチャ券だけでも既に100枚は揃えている。

 まだ使いたくないのは連打でガチャを回した方が楽しい気がしていたという物。


「ガルフ様、ミヤモトさんから緊急で来てくれと、世界樹の酒の効力から届きましたわ」


 ゼーニャが教えてくれる。


「なぜに俺に直接やらないかな」

「忙しいと思ったのでしょう、この首都は任せてください」


「ああ頼むよ」


 かくして、新しい難題? に向かって突き進み始める。

 ミヤモトがいるライス領地へと。

 ひた走る。


★ ライス領地


 ガルフが到着すると、ミヤモトが屋敷で待っていた。

 彼は神妙な顔をしてガルフを招待すると。


「まぁ座ってください」


 ただ。黙って座布団と呼ばれる敷物の上に乗る。

 胡坐と呼ばれる座り方で座り。


「これを見よ、ついに寿司が出来たんだ!」

「なんだそれは」


「生魚と酢飯を合わせたニホンジンの最強の食べ物だ」

「ほほう、生魚を食べるとは自殺行為か」


「それがよーちゃーんと魚も虫がつかないように育てる方法ってもんがあんだよな」

「魚を育てる? 釣るのではなくてか?」


「養殖っつんだぜ、それに魚の部位によっては虫が少ない場合があるし、嫌ならあぶるなりすればいい」

「うまいのか?」


「食ってみろ」


 ガルフは寿司と呼ばれる代物に手をかけ、ごくりと食べた。

 口の中で魚の脂が染みわたり、次から次へと感動を生み出していく。


「こ、これは」

「すげーだろ、ライス領地の名産品にする」


「賛成だ」

「そこで問題だ」

「なんだ」

「米なんだがな、俺は冒険者ギルドマスターってのもあったんだけど今は放逐してるだろ? 暇な冒険者を畑作業させて賃金を定着させるってのも考えたんだが良いか?」

「全然構わないが」


「よし、それなら即座に米を大量生産しよう。農民達の手では足りなくなってきててな」

「それは面白そうだ」

「だろ?」


 ミヤモトはこれまでの経緯を饒舌に語った。

 まずミヤモトに反感を持つ奴等を叩きのめす事から始めたらしいが、それが功を総じて、皆の意識開拓になったそうだ。


「俺の考え方は古臭いって言われたけど、それが原点らしいな、男たるもの武士の気持ちってな」

「そうかそれは良かった」


「そうだ。腐っちまった米とかあるから、リサイクルしてけよ」

「そ、そうか」


 ガルフはミヤモトがいるライス領地から出ていく前に全てのいらない物をリサイクルしてガチャ券100枚を手に入れていた。


「そろそろ、コレクション機能とか考えないとなー」


 ガルフには物をコレクション化する事で力を得るという機能がある。


「200枚のガチャ券は心臓に悪いな」


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