第30話 勘違いの果てに豹変領主は……
「他国からこう言われてるそうですよ、ガルフ領主豹変しすぎ!」
ゼーニャが玉座に座るガルフの耳元に告げる。
ガルフは何のことかよくわからずに聞いていたのだが。
ガルフ王が誕生してから1週間が経過している。
なんと前の王はあまりにも隠し事が多すぎて、民衆はある種のマインドコントロールを受けていたそうだ。1つ1つ紐解いていくと。
「国民から徴収した税金を使用して建物を建設していたとされるが、実は貴族達の遊びに使われていたと言う事がばれてしまいましたんですなぁ」
タカオ宰相がにこやかに告げる。
「タカオさすがよ」
「調べれば証拠が沢山出てきて驚きました。自分のようなせこい人がいてよかったです」
「それは嬉しい事なのか?」
ガルフが尋ねると。
「主君はいつも通りのほほんとしていてくださいな、汚れ仕事はこの宰相にお任せあれ」
そんな事を言っているがタカオ宰相は金ぴかのアクセサリーに身を包んでいた。
なぜなら約束通り10億金貨を好きに使えるからだ。
「8大魔王なんてつけられてたけど皆元気かな」
「皆さんそれぞれの役目を感じて働いている事でしょう」
ゼーニャではなく賢者ナタリーが告げる。
その隣では聖女ジーラが微笑んでいる。
「やる事が山積みとなっています。まず、破壊された建物等、死体が各領地から消滅した事、それに伴って色々と不備が出ている事、あと王都であるここの建物がほぼ全壊な事。リサイクルガチャを使う時が来ましたね」
「あ、うん、あとなんだけどさ」
S==ジョブ種製作ハウス
S==強化酒の泉
S==勇者の剣
S==神の墓場
S==生きた図書館
「これらなんだけどさ、ジョブ種製作ハウスと強化酒の泉で出来た代物を、みんなに配りたいんだ」
「なるほど、名案ですね」
「そして、この国にジョブ概念を定着させて、さらなる発展を、さらなる能力強化だ。勇者の剣についてはまだ抜けそうな人いなさそうだしね。生きた図書館はよくわからないし、神の墓場の条件もクリアできてるのかもわからない」
「そういえば、神の墓場の1つが空いていたそうですよ」
「それが本当なら大変な事かもしれませんわ」
聖女ジーラが呟いた。
「神が1人放逐されたという事ですわ」
「それって危険かな?」
「そりゃーもちろん」
聖女ジーラが考えて。
「ガルフ様をもう1人追加と考えたらわかるかしら」
「今物凄く共感できたわ」
ゼーニャが頷きながら笑い。
リンデンバルク執事長が紅茶を持ってきて、ガルフの玉座の台座に乗せた。
「さて、ガルフ様、情報整理といきましょうか」
リンデンバルク執事長がメモ帳をすらすらと読み始めていく。
1 ミヤモトがライス領地にて米栽培の発展を
2 アキレスドンがディスドン領地で異世界ロボット技術を応用して最高型ゴーレム建設を
3 パトロシアがバラガス領にてエリクサなるもののさらなる栽培を
4 アーザーがテイマド領地にて闘技場を利用して武道大会を始めた事を
5 ウィンダムがバフム領地にて魔法学校の学長になり、魔法の発展を
6 クウゴロウがフィグル領地にてモンスター牧場を建設したことを
7 ババスがマール領地でパンドラの書物を見つける為にダンジョン攻略を始めた事を
8 ロイガルドがデストニア領地で大地の裂け目へ冒険者を集っている事を
9 ギャロフ領地は世界樹の酒とジュース増産計画を続けている
10 バフォメット領地は食べられる鉱物を名産物へと
11 ライクド領地にある炎のダンジョンと無限のダンジョンからの資材やら素材はいかれた5人のパーティーが未だにやっている事を
12 ハルガドの居場所が見つからない事を
13 隣国ギビンデルク帝国に不穏な動きがありと
14 ガルフ王が豹変王だと言う事が噂され始めている事を
「と、14項目ありますが、理解いただけましたかな」
「んー分からないけど分かった」
「はぁ」
リンデンバルク執事長がため息をつく。
「まぁなんとかなるでしょ」
この領地には無能な国王がいる。
だがひとたび剣を握れば彼は最強と化した姿へと豹変する。
「いま、俺がやらないといけないのはリサイクルしてガチャ券を輩出して、ひたすら国を、いやガルフ王国をさらに強化する事だと思うんだよね!」
「その通り」
「リンデンバルク、色々と迷惑かけるけど、サポートをお願いね、さてと、これからが楽しみだー」
「御意でございます」




