第26話 8領地同時侵略開始①
「皆に集まってもらったのは他でもない100億金貨を稼ぐことに成功した。まぁ、購入した一部の領主は惨殺したが」
ガルフ・ライクド領主は剣をぽんぽんと手に当てながら笑っている。
一同はにこやかにそれがガルフが豹変した姿だと認識している。
「よって、ウィンドルク領地以外、ライス領地、ディスドン領地、バラガス領地、テイマド領地、バフム領地、フィグル領地、マール領地、デストニア領地の8つの領地を侵略したいと思う、担当の将軍を報告しちゃいますね」
ガルフは今から献立のメニューを説明しちゃいます的な雰囲気で説明していく。
「ライス領地はミヤモトさん、ディスドン領地はアキレスドンさん、バラガス領地はパトロシアさん、テイマド領地はアーザーさん、バフム領地はウィンダムさん、フィグル領地はクウゴロウさん、マール領地はババスさん、デストニア領地はロイガルドさんでお願いしまーす。俺は国王に彼等が謀反を起こしたことを説明しにいきます。ゼーニャとリンデンバルク執事長はここに留守で頼むぜ」
【御意】
その場の雰囲気はまるでお茶会。
皆紅茶と茶菓子を飲みながら。
「じゃ、いってくるわ」
ガルフがゆっくりとクッキーを頬張りながら立ち上がる。
その場の全員が散歩にでも行くかのように。
ガルフ以外は侵略を開始した。
★ ライス領地 VS ミヤモト
ライス領主の息子カレイは父親の死を悲しんでいる場合ではなく。
乱れ切った領地を治めるのに必死であった。
「ぐぬぬ、よくもガルフめ、ついに本性を出しおったわ、これから父の仇を打つべく侵略を開始する。米を用意しろ、かつて、異世界から渡ってきた農作物の米を補給し、即座に」
だが、カレイの発言は突然の言葉で耳を疑う。
「人が1人、本城に向かって走っています。見たこともない恰好で、恐らくガルフ領主が8大魔王とされるミヤモトという男です」
「なんだとおおお」
8大魔王。それはガルフの側近8名を指さす。
その1人とされるのがミヤモトと呼ばれる伝説に名前を残す人物。
「おかしいんだよな、伝説だとかなり前だから爺になってるか、死んでるかなんだよ、なのになんで、あそこにいるミヤモトは青年なんだよおおおお」
カレイが城壁に移動して叫ぶ。
「弓兵、殺せええええ」
かつて、異世界からやってきた人物が弓の技術革新を測ってくれた。
その為にライス領地は弓が得意な者で溢れていたのだが。
ざっと1000名くらいの弓兵がミヤモト目掛けて矢を放つ。
だが、全ての矢をミヤモトは両断してしまったではないか。
「は、はあああ」
「ダメです。早すぎます」
「魔法の弓だ!」
その時だった。
1本の刀が飛んできて、まっすぐにカレイの隣の男性の首に命中してしまう。
カレイは悲鳴を上げて、城壁の壁に隠れる。
「はぁはぁはぁ」
「だ、ダメです。今城壁を登ってがあかああ」
カレイは直視していた。
1人また1人と両断されていく姿。
斜めに斬られたり、縦に斬られたり。
「人を豆腐みたいにいいい」
異世界から伝わった豆から作る豆腐。
「あれはかなりうまいな、お、まじか、ここコジロウが作った故郷が、お前、コジロウとそっくりだな」
「は」
「まぁ、さいなら」
その時、カレイ領主の命運を決めたのは、手元にあった米袋。
「お、お前、米あるのか」
「は、はい」
「なら、食わせろ、そうだなー米をライクド領地に届けてくれるのなら、生かしてやる」
「は、はい」
「よーし、兵士は全員殺しちまったな、じゃあお前だけだいくぞ」
「は、はいいいい」
かくして、たった1人の異世界の男にこの領地は潰されてしまった。
★ ディスドン領地VSアキレスドン
「どうやら、叔父は殺されてしまったらしい、だが我らには関係がない、学術書は正直だ。かつて異世界よりやってきた研究者達は、この領地に新しい技術を運んでくれた! それがロボットの技術じゃ」
ディスドン領主が甥のパラメスドン博士はにこやかに指を振った。
全知全能。
指だけで動かす事が出来るロボット集団。
だがそこに問題が発生する。
【警報警報。ゴーレムの大軍が攻めてきました】
ロボットの1体が告げるが。
パラメスドン博士はにこやかに。
「そんなものは兵士達に任せて、我らは研究ぞ」
【警報警報、兵士29839人全滅】
「は、はやいいいい」
「やぁ、そのゴーレムは君が作ったのかいのう?」
「ドワーフが何しに来た」
そのドワーフは研究所の片隅に立っていた。
だがその傍らには見たことも無いゴーレムが立ちすくんでいた。
「ふむ、ロボットというよりかは、異世界にある鉱物に頼りきりのものだな、魔法を組み込めば面白いものが出来るじゃロウに」
「お、お前は、ゴーレムと言えば、確かドワーフ伝説のアキレスドン、お前なのか」
「そうじゃが? この領地を滅ぼすように言われたが、お前面白そうだから生かしてやろう」
「生かしてくれるのなら、ぜひとも俺を弟子にしてくれ」
「良いじゃロウ、じゃが、この無限製造なる動力源の機械とやら、わしにくれんかのう?」
「もちろんでございます。アキレスドン様」
「おーし、楽しみが増えた。まぁ鉱物があればなんとでもなるんじゃがな、わしのスキルで」
かくして、ロボット技術、異世界からやってきた鉱物の無限製造機を手に入れたアキレスドンは。
その日より研究に没頭しだした。
★ バラガス領地VSパトロシア
大樹の里と呼ばれるほどの領地のバラガス領地。
現地の民は木々の恩恵を受けて育っていく。
「なんだと、バラガスおばさまが殺されたなんて信じられないわ」
「はい、クラガス様、どうやらガルフ領主が殺したようですわ」
「うぬぬぬぬ」
バラガス領地は女性貴族が多くいるとされる。
クラガスもその女性の1人なのだが。
「緊急よ、バラガスおばさまの仇うちよ、エリクサを準備なさい」
「御意でございます」
エリクサとは怪我を一瞬で治す草と呼ばれている。
世界樹の葉っぱと違うのは、あれが病気系や不老不死なら。
エリクサは怪我や致命傷などだ。
「現在、巨大な大樹がこちらに向かってまして」
「は、はぁあああ」
「鑑定スキル持ちの人達が言うには、あの伝説が戻ってきたと」
「まさか、あのパトロシア様が! 全軍武器を捨て土下座なさい!」
「御意」
クラガスは城壁城壁に上ると。
ゆっくりとゆっくりと土下座を始める。
全兵士が土下座をし続けている。
その中で大樹が鎮座しながら、1人の乙女が下りてくる。
「やぁ、皆さん、お久しぶりですわね、ですが、その人達はきっとうちが見てきた人達の子供達よね」
「パトロシア様お待ちしておりました。エリクサの準備が出来ています」
「あら、奇遇ね、その研究について託して置いて良かったわ、じゃあ案内して」
パトロシアとクラガスがゆっくりとした歩調で歩いていきながら。
辿り着いた荘園。
そこには草影色の雑草が鬱蒼と生えている。
「素晴らしいわ、じゃあ、あなた達はガルフ様の奴隷となる事を誓う?」
「は?」
「だから、うち、ガルフ様の下部だから、あなた達が配下である事が気にくわないのだから奴隷となる事を誓う?」
「は、はい、奴隷で構いません」
「よろしいわ、じゃあ、この土地はガルフ様のものですからね、あなたは領主じゃなくただの肥料となります」
「あの、意味が」
「あれ? あなた達はうちのしもべかもしれない、でもね、ガルフ様にたてついた事、忘れていない事かしら?」
「や、やめて、くださいいいいい」
クラガスが逃げようとすると。
辺りの草草が兵士とクラガスに巻き付いてくる。
栄養を抜き取られてしまい。
1人また1人とミイラのようになっていく。
「あがあああああ」
一瞬にして一夜にして、バラガス領地の全てがエリクサの為の肥料となり果てる。
「なんと素晴らしい草なのかしら?」
死の直前。
クラガスは確かにそれを見ていた。
パトロシアが微笑んでいる姿を。
「う、うづくぎじい」
砂と化したのであった。
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