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第23話 暗躍する8領主達

 円卓のテーブル。

 ここはライクド領地の外れにある小さな民家の地下室であった。

 優しい黄色い光に包まれて。8人の領主が椅子に座っている。


 左からライス領地のライス卿、ディスドン領地のディスドン卿、バラガス領地のバラガス卿、テイマド領地のテイマド卿、バフム領地のバフム卿、フィグル領地のフィグル卿、マール境地のマール卿、デストニア領地のデストニア卿。


 ここにいないのは、ウィンドルク領地代表で12の領地を統括している国王バルバッサ。

 ライクド領地のガルフ、ギャロフ領地とフォボメット領地は消えている。


「ここに集った皆様方、それがしは死神ジニアと申します」


 全員がごくりと生唾を飲み込む。


「死神ジニア、何者なのじゃ?」


 ライス卿が尋ねると。


「全てをガルフの奴に奪われたものです」


「ほう」


「そのローブを取らんか」


「とってもいいが、死ぬぞ?」


「なぜ?」


「私の顔を見たら、たぶん死ぬ」


「どいう事だ」


「私は家臣に飛ばされてしまったのだが、飛ばされた場所が最悪で暗黒大地の病魔地帯。そこで私は呪いを受けてここまでやってきた、復讐する為だけにな」


 すると、死神ジニアの足元から闇がはびこってくる。

 炎の闇だった。

 それがライス卿にまとわりつく。


「ひ、ひいいいい」


「良いか、顔を見ても良いが死ぬぞ、それでも見るか?」


「すまない、話を続けてくれ、君がハルガド領主の後見人なんだろう、もういないが」


「そうだ。テーブルに置いてある指輪がその証」


「ふむ」


 ディスドン卿がそれを確かめる。


「確かだ。一度火炎侯爵の指輪を見た事がある」


「ふむ」


 その場が頷くと。


「今回、オークションが開かれる。それも各領地からの金持ち達を招待してだ。それはつまり屈強な兵士を沢山入れてもいいという事だ」


「確かに」


「そこで、全ての屈強な兵士と選ばれた冒険者が集い、ガルフ魔王を打ち破るのだ!」


「果たして出来るかのう、あやつゴブリンキングは討伐するわ、邪神卿の陰謀を破壊するわ、小競り合いしていた奴等皆殺しにするわ、蛮人王カザロを下僕にするわ、しかも数日で全てやってるんだが?」


「その為に、作戦は練っている!」


「なんと!」


「ガルフ王の弱点は武器を持たない事、持っていない時が狙い目だが配下が強すぎる。よって、8の領地より8人の選ばれし勇者を集わせてもらった」


「わし達ではなかろう、その為に抜粋せよとの知らせか」


「御意だ」


「その8人でガルフ卿を暗殺すると!」


「その通り、その後が問題だが、この領地には莫大な資源がある。世界樹の酒だってあるからな、不老不死だって夢ではない」


「だとしても、リスクが大きい。ばれたら、わし達一網打尽だぞ」


「その為にこの私がいるのではないか」


「そうだが」


「ハルガドはなぜ君に全てを託した?」


「なぜ?」


「ハルガドはお前みたいな闇みたいな存在に託せるような男じゃない」


 これはマール卿だったが。


「マール卿、死にかけると人は変るのだよ」


 それは意味深の言葉。

 マール卿ははっとなった。


「お前まさか」


「そこまでだ。参ろうぞ、オークションへガルフ卿の命日へ!」


★ 集結 ★


 オークション当日。

 全ての配下が集まったというか偶然集結しただけ。


 領主の屋敷にて、そわそわしていたガルフの元へ。

 久しぶりにパトロシアさんがやって来た。

 彼女は森の女王として君臨し、今や森は巨大なドームになり、ある意味森城になっている。

 次に、アーザー少年がやってきて、覇王の首を持ってきていた。

 話によるとダンジョンからモンスターが消滅したとの事。

 ダンジョンは資源だけが取れる最高の世界となり、次は炎のダンジョン攻略に入ったそうだ。

 ミヤモトさんと5人のパーティー追放者達も戻ってきていた。

 彼等も炎のダンジョン攻略へ。

 アキレスドンさんは食べられる鉱石を元バフォメット領地から見つけ出した。しかも持ってきてくれていた。

 ウィンダムさんはバフォメット領地を復興させ、満足げに帰還。

 クウゴロウさんとロイガルドさんは酒を飲みながらの帰還。

 ババスさんも本を読んでいる。

 賢者ナタリー、聖女ジーラ、ゼーニャメイド長はガルフのすぐそばをそわそわとしている。

 リンデンバルク執事長はお茶を用意し。

 

 ちなみに、ガチャで当てたS級の品々。

 ジョブ種製作ハウス、強化酒の泉、勇者の剣、神の墓場、生きた図書館も領地に建設。

 勇者の剣はいまだ誰も抜けていない。


 蛮人王カザロは少しの間、

 ギビンデルク帝国にいる妹を尋ねに消えた。


「よし、行くか」


 ガルフ・ライクドはオークションを始める為に、自由市場の台座へと向かった。


 まず、台座に向かい、辺りに集まった大勢の人々。

 領民だったり、各領民たちと兵士と名のある冒険者、きっと中には勇者クラスの人や将軍クラスの人がいるのだろう。


「皆さまお集り頂きありがとうございます。これから宰相タカオがオークションを始めさせていただきます。どれも物凄い品々なので、金貨を使ってセリ落としを願いします。では、オークションを始めます」


 宰相が台座にやってきて、1つ1つのアイテムやら武具やらの解説を始める。


「皆さまに配った紙、それに品々の情報が記されています。鑑定スキルをお持ちの方はじかと見てください、その紙に書かれてる内容が本物である事が確認できるはずです。このタカオの真鑑定スキルで反映させましたので」


 どよめきが生まれる。

 人々は思った以上にこの品々を気に入ったらしい。


「では次に、競りを始めようと思います」


 ついにオークションが開始された。

 タカオの秘策はきっとその紙なのだろう。

 価値は鑑定スキルを所持している者でしか分からない。

 だがそれを伝達させる方法があった。

 紙を媒体にする事。その紙を鑑定して本物か調べる必要があるだろう。


 複数の人間がこの情報は間違っていないと言えば。

 その紙の情報は本物と言う事になり、人々の買い物欲求を満たしてくれる。


 次から次へと競り落とされる。1つの品で1億金貨を超える事がある。

 それだけで、税金についてはちゃらなのだが、もう払った状況。


「退屈だな、誰か暴動でも引き起こさないかな」


「不潔な事を言わないでくださいよガルフ様」


 ゼーニャがそわそわしだすと。


 オークション開始から5時間が経過していた。

 ちょうど、ゼーニャメイド長と聖女ジーラと賢者ナタリーがトイレ休憩にはさみ。

 リンデンバルク執事長が飲み物を取りに行った。 

 残されたのはガチャで当てた8人の人物。

 ミヤモト、アキレスドン、パトロシア、アーザー、ウィンダム、クウゴロウ、ロイガルド、ババスだけ。


 皆それぞれ椅子に座っている。

 

「では、最後の品になります!」

 

 タカオ宰相が叫び声を上げるのと同時に。

 8人の何かが動いた。


 現在、ガルフ領主は剣を持っていない。

 

「今だ!」


 と言う声と共に。

 闇の矢が飛来。

 ガルフの脳天を貫くはずであったそれは、1人の少年が手でつかんでいた。


「おいおいおい、物騒だな」


「アーザー、助かる」


 そう言いながら、ガルフは剣を異空間から出現させる。

 ガルフの剣はどこにいてもやってくる。


「そこまでは知っているさ、がーるーふー」


 闇の矢が爆発した時。

 そこから闇の炎がガルフを包み込む。

 

「の、呪いか」


「それは闇の召喚だ、さぁ、こい、闇の世界へな」


 地面から闇の手が伸びてくる。

 ガルフは引きずり込まれて生き。


 8人のガチャで当てた伝説達がそれぞれの武器を引き抜くのと同時に。

 ガルフはこの世界から消滅した。


「ものども、オークション等知った事か、ガルフの配下を皆殺しにせよ」

 

 ライス卿が叫ぶ。

 タカオ宰相が叫ぶのと同時に何かがぶつかりあって。

 会場が大爆発した。


 大勢の領民が吹き飛び。

 悲鳴と苦痛の声がなだらかに響き渡る。

 ガルフはどこぞの闇に包まれながらそれを認識していた。


「やぁ、ガルフ、久しぶりだな」


「なんだ、ハルガドじゃないか」


「今は死神ジニアだよ」


「君の事だから国王に直訴したんじゃないかと」


「それをやるより自分の手で始末するだけだ。今の私にはそれが可能だ。死神との盟約を結んだのだから」


「へぇ、面白そうだね」


 闇の渦が巻き上がる。

 まるで海の中にいるように体を包み込む。


「空気は吸えるか」


 だが重苦しい。


「お前の配下もミナゴロシダ」


「それは無理だろうね」


「なぜだ」


「だってあいつら強いから」


「お前が一番強いんじゃないのか」


「そうだと良いけど、彼等は伝説だよ?」


「伝説?」


「遥か昔の伝説たちが俺より弱い訳ないだろ?」


 時間にして10分。

 体を包み込む闇が強くなる。

 

 その時、空間に亀裂が走り。


「まったく、ガルフ様~」


 1人が入ってくる。そして2人目と、合計で8人が入ってくる。


「なんだと、8人のあいつらは」


「全員殺しましたよ領主はタカオ宰相の指示の元捕らえましたよ、これもガルフ様の計略の一部なんでしょ?」


「‥‥‥」


 ちなみにガルフは何のことか理解していなかった。



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