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第21話 ギャンブラーのダメ男の宰相

 タカオ・レイオはとある施設のとあるサイコロ賭博をしていた。

 これに人生をかけていたはずだったのだが、全てぼろ負け。

 10年間ライクド領地の領主を騙し続けて得た金貨はとうに尽きていた。


「く、殺せ」


「誰が殺すか、さっさと去るんだな素っ裸のおっさん」


 タカオ・レイオは現在下着一枚になり、とぼとぼと地下施設から出て行こうとしていた。

 そこへ1人の少年? いや青年がやってきた。


 隣には緑色の髪の毛のパーマがかった女性もいる。


「あ、あなた様は」


「や、タカオ、久しぶりだね」


「【スキル:鑑定】発動!」


「残念ですが、鑑定で存在価値を薄くしても私の眼を偽る事は不可能ですよ」


「な、なんとおおお」


「じゃあ、ちょっと話をしようかタカオ」


「ぐぬぬぬ」


 タカオの計略、この領地に戻ってきたのは、ガルフ様を騙す方法を探していたからだ。

 ただまだ準備が足りなかった。


 その元手とばかりに宿屋の地下施設のサイコロ賭博でお金を稼ごうとしていたのだが失敗に終わった。

 だが、まだ諦めるのは早い。

 

 ガルフ様がこちらを先に見つけてしまう事も計略の一部。

 あとは嘘をつきまくってまたガルフ様の父君のように騙し、金貨をむしとる!


 現在、宿屋の椅子に腰かけて、対面にはガルフ様と知らぬ女性がいる。


「タカオ・レイオよ、また戻ってきてくれないか?」

 

 即座に答えたかったがこれは罠の可能性がある。

 深呼吸をばれないように微量ながら繰り返すと。


「なぜ? 俺は税金を着手していたのですよ」


「知っているよ、先程国王から親書が届いてね、1億金貨用意できなければこの領地を没収されるよ」


「そうですか」


「1億金貨用意してみる。君の力が必用だ」


「は? 無理でしょ、いやまてよ」


 タカオ・レイオの脳裏で高速に何かが回転していく。

 つまり、1億金貨稼げばまた宰相として君臨出来るはずだ。そしてまた搾取を。


「それは出来ません」


 緑の髪の毛の女性が心を見透かして何かを呟いてきた。


「ガルフ様を騙すともれなく死にます」


「え」


「あんたの心の中は見透かさせていただいています」


「なんだって」


「私のスキルの関係だと思ってください、遅れましたが聖女シーナと申します」


「えーと聞いた子がある。バフォメットの聖女と」


「そうです」


「と言う事は真っ当に生きるしかないのか」


「ガルフ様はそれを求めていません」


「は?」


「ガルフ様は豹変領主として世界を、いやこの大陸を支配します。よってその足掛かりとして金貨が必用です。あなたは金貨を稼げば良いんですどんな方法を使ってでも」


「はい?」


「だから、ガルフ様の為なら何をしたって良いんですよ?」


「あなたは本当に聖女?」


「はい、ガルフ様の聖女です」


 ダメだ。聖女ジーラの目がハートマークになっている。

 いつからだ。このバカ領主、いや無能領主はこんなにモテモテになったのだ?

 領民に聞けば皆ガルフ様ガルフ様と。

 意味が分からない。 

 あれだけ皆からバカにされていたはずなのに、確かにダンジョンに潜ると驚異的な強さを持つという噂は幼少期からあった。


 3歳の頃に剣王である男性をぶちのめしたとか。

 5歳の時に老師元帥を半殺しにしたとか。


 あれ、嘘だったと思ったのに。

 まじで本当なのか。


「分かりました。どんな手を使ってでも金貨を稼ぎましょう」


「まぁ、リサイクルの自由市場で金貨を設けるんだけどいい方法が見つからず、君なら何か知ってるだろうかと、商売の息子だったんだろう?」


「あ、父上が豪商でした。母上はトレジャーハンターで。2人でコンビネーションでしたね」


「なら、1度自由市場に移動しよう」


 ★ 自由市場 ★


 ガルフとジーラとタカオがやって来たとき。

 商品と内容の説明をしていく。


「ふむーそれは物凄い価値があるものですよ」


「へぇ」


「この回復ポーションSランクは事実上製造は不可能です。あ、俺鑑定スキルがあるんですよ、しかも進化系の真・鑑定スキルですね、これだと製造するのに1万金貨必用です。さらに計算すると10万金貨で売れるでしょう、効果ほぼ万能ですしね、魔剣については属性を選択できるので、1千万金貨が妥当です。魔剣は普通ダンジョン再奥地に眠る装備ですが、今は枯渇しています。魔鎧も1千万金貨でしょうね、万能マップについては、5千万金貨です。この代物普通存在しませんよ、ジョブ種ももはや神の領域ですね1個1億金貨が妥当ですが払える人がいないだろうし、1千万金貨でしょう。えーと強化酒も同じくらいですね、伝説シリーズは1つ1千金貨とまぁこんな所ですが、払える人がいないと思うのでオークションが良いでしょう、オークションをするには情報をありとあらゆる領地に流す必要がありますが、もしかしたら1億金貨の10倍は稼げる可能性があります。さらになんですが、商売の基本は売りて買いたいと思わせる事、なにより問題があるとすれば、売りてに金がなくても借金させるくらいの魅力を饒舌に……」


「あのージーラさん?」


「えと」


「話が止まりませんが」


「そうですわね、情報が凄くてもはや意味が分かりません」


「すべて一任しよう」


「ですね」


「よし、全て了解した。タカオ・レイオよ商売をして1億金貨以上稼げ、もし100億金貨稼いだら、10億金貨好きにさせてやる」


「お、おおおおおおおおおおおおお」


 突然の発狂。

 タカオが死に物狂いの顔になる。


「このタカオ、ガルフ様に忠誠を誓います。必ずや100億金貨稼いで見せましょ、どんな手を使ってでもね!」


 なんかこの人、相当な詐欺師になりそうだよ。

 ガルフ脳裏にそんな危険な事が浮かびあがってきた。

 

「が、ガルフ様、このジーラを見張り役にさせてください、で、ですが、情報量が多すぎて、この目でも追い付けるか」


「あ、任せた。たぶんジーラには嘘付けないと思うよタカオは、きっと嘘をずっと見破られてると思ってるからね」


「そうですかね」


「じゃあ、俺はオークションの事を各領地に伝えてくるよ」


「え、その足で?」


「運動に良いだろ?」


「は?」


 ガルフ・ライクドは足腰を伸ばしながら、こきこきと関節を動かしながら。

 猛ダッシュでその場から消滅したのであった。


「は、はやすぎるわ」

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