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第18話 リサイクル中にすみません、税金払ってないようです

「リサイクル~リサイクル~」


 ガルフの脳裏にはリサイクルしかなかった。

 人の領地だけど、一応自分の領地になったので、リサイクル可能。

 ガチャ券にして、夢のようなものたちを手に入れる。


「ガチャ~ガチャ~」


 ガチャ中毒になりつつあったガルフ。

 

 アキレスドンは鉱山地帯の視察に出向いた。良さそうなら勝手に採掘を始めるとのこと。

 ロイガルドとクウゴロウは生存者を探したが見つからなかった。

 ゼーニャメイド長と賢者ナタリーはガルフに寄り添ってくれている。

 リンデンバルク執事長は森に向かった。ラッサー将軍を探しに行ったはずだ。

 どうやらラッサー将軍は超幸運の持ち主らしく、そういう特殊な運勢を持つ人はぜひとも配下にしたい。


 ちなみに、ガルフの脳裏には野望がなく、ただ人を集めてただ能天気に領地を治めればよい。

 あとはリサイクルガチャして、皆ハッピーになればそれで良いはず。


「神声、このバフォメット領地、元だけど、生存者いないみたいだから、全部リサイクルしちゃって」

【承知、分析結果。全ての元バフォメット領地のリサイクル品、瓦礫、家具、死体、動物、虫、植物、食べ物、服など、何もかも全て、土以外は】


 ガルフはこの時、神声の言ったことの意味を理解していなかった。

 全てがリサイクルされた。

 そう全てが。

 大地だけになったのだから。


「うへ」


「これはものすごい」

「あなたの力は神ですか!」


 バフォメットの領地は何もかもなくなった。

 これでハルガド領主の故郷は無くなった。

 その時だ。リンデンバルク執事長と民が戻ってきた。


「なんという事だ!」


 どうやら無精ひげの生やしているおっさんがラッサー将軍のようだ。

 とても逞しい。

 その傍らには1人の緑色の髪の毛のパーマがかった、柔らかそうな笑顔を浮かべている女性がいた。

 ゼーニャと同じ年ごろくらいだろうか。

 彼女はこちらを鋭い瞳で見ていたが。

 彼女が見ているのはガルフ自身ではなく何か別の物の様だ。


「バフォメット領地がただの土と化したぞ、どれほどの激しい戦闘が行われたのだ。ガルフ様、魔王討伐の任、本当にありがとうございます。ハルガド様が魔王と繋がっていたとは」


「えーとどゆこと?」


「リンデンバルク執事長が教えてくださいました。ハルガド様はハーレムづくりの為に魔王と繋がり、ライクド領地を滅ぼそうとしていたとか、魔王はハルガド様を裏切ったのでしょうが、あなた様は心優しくハルガド様を説得しようとした。しかし、ハルガド様はどこぞへ逃げた。魔王をあなた様が倒したと!」


 なんか話が飛躍しすぎてる気がした。

 リンデンバルク執事長が世界樹の酒の力を使って意識で話しかける。


【すみません、ラッサー将軍は一筋縄ではいかず、追加でウソをつきました】


【そうか、分かった】


「すみません、領地は焦土と化しました、が、1日以内に建物を復旧させます」


「な、なんと、そんな神様みたいなことが!」


「条件があります。あなたの幸運を分けてくれませんか、配下になって欲しい」


「もちろんだとも、この領地はあなた様の物、ラマルド司祭、ジーラ良いな」


「私は構いませんが」


「わたくしもでございます。父上」


 ジーラと呼ばれた緑色のパーマのかかった女性はこちらをじっと見ている。

 何もかも見透かしている目だった。


「ウィンダムさん、今からこれますか」


【ああ、構わないよ、建物の要望は聞いておくとして、資材を搬入しないといけない。20名程選抜しとくから、今から向かうよ】


「助かります、ガルフ様、少し話がありますわ。こちらへ来てください」


「は、はい」


 ジーラと呼ばれた女性がにこやかに告げる。

 どことなく亡くなった母親にそっくりで怖い。

 何もかも見てますよという顔がさらに怖い。


 ジーラに呼ばれて、少し離れた場所に移動する。


「全ては了解していますわ、わたくしの目は光の目と呼ばれており、その人の心を光で映し出すのです。聖女なんて呼ばれてますけど、そんなものはいないと思っていますわ、ただのスキルみたいなものですから」


「はは、やっぱり」


「はい、あなた様が勘違いして領地を滅ぼした事はしっておりますわ、あの、滅ぼした人もあの麦わら帽子を被った人でしょ? あの人から罪悪感の光を感じますもの」


「はは、見透かされてましたか」


「ただ。あなたの光は二種類あって、少し気持ち悪いですわ、まるで灰色がかった光と、もう一つはなんだか物凄くぴかぴかしていて、純粋すぎるまるで何かをやるのが楽しみすぎて楽しみすぎて子供みたいな」


「たぶんそれは、人を殺す事なんだと思う」


「……」


「俺はなぜか何かを殺すと無性に楽しくなるんだよな、武器を握っちゃうとやりたくなっちゃうんだよ」


「は、はは、それはものすごいわ」


「そうかな」


「君はハルガドに忠誠を?」


「いえ、あんな女たらしの事は知りません、わたくしは皆が元気でいられるなら、ハルガドよりあなたの方を選びます」


「そうか、ならその聖女の力を貸してくれ」


「もちろんでございます」


「この領地の基本的な統治はラッサー将軍とラマルド司祭と君に一任したいんだが」


「いえ、このジーラあなたのそばで働かせてもらいたいですわ」


「えーと」


「こんな女邪魔でしょうか?」


「そんな事はないんだけど、ジーラの目はとても助かる、だけど、こんな無能呼ばわりされている俺なんかのそばにいるとさらにバカにされるけど」


「それは慣れてますから、ラッサー将軍は父上、父上はいつも幸運がものすごくて生き残ってバカにされてきましたから、そんな娘がバカにされない訳ないじゃないですか」


「そ、そうか」


「と言う事、よろしくお願いしますわね」


「はは、善処するよ」


 ラマルド司祭とラッサー将軍が近づいてきて、ゼーニャメイド長と賢者ナタリーも近づいてくる。


「さて、父上、ラマルド司祭、わたくし、ガルフ様に嫁ぐ事にしましたわ」


「ちょ」


「な、なんですとおおおおおお」


「ガルフ、ちょっと来なさい」


「が、ガルフ様?」


「聞いてないよおおおおおお」


 最後はガルフの慟哭の叫び声。

 この日、修羅場というのを初めてしった。

 誤解は解けず。


「なら、私もガルフと婚約する!」


 なんかゼーニャと婚約する事になり。


「頭がおいつかねえ」


「えと、ならワタクシも」


 賢者ナタリーまで追加され。


「こ、これは、まさか」


 リンデンバルク執事長が何か思いついたように。


「ハルガドの呪いなのか」


 そう囁いたのであった。

 ハルガド領主。

 女だらけのハーレムを築き。

 いつか、いつか、大陸を統一する為に。

 頑張った男は、現在どこかに消えた。

 彼の居場所を知る者はいない。

 

【ガルフ様、大変です。本国より、使者が着て、税金を払っていないそうで王国騎士団が徴収しに来ます!】

「え、ええええええええええええええええええ」


 どうやら父上は完全に何もかもを無能領主である自分に投げつけるつもりだったようだ。

 せめて、税金くらい払ってくれえええええ。

 そう教えてくれたのは、軍師担当で人々に知識を本や語りで繋げている天使王ババスであった。



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