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8

はぁさっぱりした、と気持ちよく風呂から出ると、理人は床でぐーすか寝ていた。

実に気持ちよさそうな健やかな顔をしている。


昔の俺の感覚からすれば軟弱そうですぐに絡まれそうな顔だなとしか思わないが今の流行りはこういう”なよなよした”顔なのか……?


俺はさほど長湯したわけではない。


まぁ、泥だらけのまま布団を使わなかったのは褒めてやろう。一応は風呂に入ろうという気があったんだろう。


まぁ現代の箱入りの高校生が長時間歩けば疲れもするだろう。現代人の体は電車と自転車に慣れきっている。


だがしかし、このまま寝かせてやる選択肢はない。


「おいこら、起きろ」


汚れるのが嫌なので、使ってあとは洗濯するだけのしめったタオルでばしばし叩く。

案外痛いんだ。濡れタオルって。


「ぅ、いたッ、いたぃッ」


何度目かで目を覚ました理人が身体を守るように丸くなり、起きた、起きましたッ! と言うので手を止めた。


「ほらさっさと入って来い」


風呂の方を顎で示す。


理人は目をしょぼつかせ、目を擦りながらよたよたとした足取りで移動している。なんだあの動きは……もしかしてもう筋肉痛か?

粋にセットしてあった髪もぐしゃぐしゃに乱れてしまっていて見る影もない。


風呂場で適当に洗濯した服を備え付けられていたハンガーに吊るす。明日には乾いているといいな。

ちなみに今は借りた簡易な服を着ている。ちょうど病院の検査の時に着るような頭からすっぽりと被り込むものだ。


とりあえずは明日はこの村や世界について教えてもらうことにしよう。


俺は押入れから布団一式を次々に取り出していき、ついでだからと理人の分も敷いてやる。

かび臭いとまではいかないが、あまり使っていないしけた感じがするが、贅沢は言ってられない。


早々に布団に潜り込んですぐに寝た。


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