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コロナとデマ

11.コロナとデマ


捜査が進展しないのに連れて、桶狭間殺人事件について、SNS上でまことしやかにささやかれていたことがある。コロナ下のデマ、誤情報と言われるようなものと同じで、たちまち拡散していった。コロナについてのデマは「ワクチンを打つと不妊になる。」とか、「ワクチンで遺伝子情報が書き換えられてしまう。」「ウイルスは熱に弱いからお湯を飲むと予防できる。」「5Gの電波がウイルスを拡散している。ウイルスは5Gで活性化される。」というような内容だ。今となっては誰も信じない。しかし、当初は誰かが勘違いしてこれは大変と思ってしまい、意図なく、次へ情報を流した結果、間違った情報であっても本物だと信じ、うわさとなり、広がっていったのだ。

桶狭間殺人事件についても、警察の捜査が進展しないのを見て誰かがフェイクニュースを流した。これを見た一部の人が信じ、次々に広めていった。

一番のデマは今川氏が殺されたのでなく、コロナが原因で死亡したというものだ。しかも、ラブホテルで急死した。元気だったのにこんな場所で急死したのは猛毒性の未発見の新種のウイルスだったから。だから当局は防疫の観点から連れの女性を急いて探している。早く見つけて隔離しないと猛毒のウイルスが広がってしまう。慌てて探しているのは警察というよりも、むしろ保健所だ。何より、事件後、現場のホテルが1週間も封鎖になったのはうなずける。という途方もない内容だ。それでも人は信じる。

きっと、ムーンライトがコロナ禍にもかかわらず、繁盛しているのを羨ましく見ていた同業のホテル関係者がふと流したのであろう。さもなければ、日頃から今川によってハラスメントを受けていた足利の社員などの関係者が彼の名誉を傷つけようとして、あえて流しているのかもしれない。これだけ敵の多い今川だから打ち取ってやろうと社内で虎視眈々と狙っている者がいてもおかしくない。

警察もこの情報に注目していた。後者の場合、今川に対して不満、反発している者がやはりいるのだ。姿を見せずSNSを使って流している。警察はひょっとして、今川を殺害した犯人が殺害だけでは飽き足らず、更にSNSに流しているのではないかと疑った。念のため情報源が誰かを総力を上げて調べようとしたが、なかなか本人に辿り着くことはできないでいた。


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