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03話 ラゼラインド王家

私が記憶を取り戻し、暴言を吐きまくってから、1週間がすぎた。


どうやら、私の夕食に毒が盛られ、3日ほど目を覚まさなかったらしい。

その衝撃で記憶を取り戻した、と。


あの現場にいたメイドさんはピアラと言うらしい。

女王付きの侍女さん。

どうりで綺麗だと思ったわけだ。


あと一人、アルフィーと呼ばれていたあの銀髪美少年は私の兄である。


ラゼラインド王国。


建国300年ちょっと、言語は英語の発音に似ており、それに日本語の語彙を加えた感じの言葉だ。

ちなみに表記はアルファベット、続け字が主流。


この王国を建国時から支えるのが、ラゼラインド王家だ。


完全な王政では無いが、基本的に王家が政治を取り仕切る。

そんなやり方で上手くいくのか、と聞かれれば、上手くいったのだ、と答えよう。


うちの家系は、そこらの王家とちょっと違うのである。



シフバディットでは産まれる時、ギフトが一人一人に宿る。女神・精霊信仰なので、それは女神達から贈られるものだ。


だが、そのギフトは、平べったく言えば才能である。


商人は商才を、魔法使いや魔女は魔力を、戦士や騎士は身体能力を・・・と言った具合に。


だから、魔力をギフトに貰わない限り、特に魔法とかが使える訳では無い。


そのギフトが並外れてヤバい奴が、王家にはごろごろ居たのだ。



王家のおかげで、建国千年単位の大国がいくつもある中、ラゼラインドは300年ちょっとで小国からシフバディット1の大国にのし上がってこれたのだ。



そして、そのギフトがヤバいやつは、今の王家にもたっぷりいる。


まず王。

私の記憶にある限り、筋骨隆々の親バカだ。頭はそこまで回らないが、ギフトとして、戦闘面では強いらしい。

幼い頃、いや今も幼いのだが、「俺はお前らの母さんを勝ち取るために、シフバディット中の武術大会で優勝しまくったんだぞ」とか自慢げに言われたことがある。

それ以外には父様について明記することはない。

強いて言うならうざい。親バカがすこぶるうざい。


次に女王。

非常に頭が回る絶世の美女、そしてギフトのおかげで生命力が桁外れに強い。

王家の例に漏れず、ラゼラインドも11人姉兄なのだが、妾などは一切おらず、全て母様が産んだらしい。

それでいて常に王である夫を陰で支える、(操るとも言う、)なんとまぁ良妻賢母の見本であろうか。

持論としては、良妻賢母が幸せだとは人それぞれだと思うのだが。


アルフィーは──── アルフィー兄様と呼ぶべきかもな────アルフィー兄様は、世界一の世紀の大天才だ。

これも勿論ギフト。

まぁ欠点としては、極力部屋から出たくなくて自らの姉兄弟を使い部屋の中に風呂場と資料室を増築したことだろうか。勿論自分の姉兄弟なので人件費はタダ、国費を使うことがないので誰にも文句は言われない。

ちなみに材料は、姉の1人が統括責任者を務める王立実験農園の木材をモニターと言う形で譲り受けたようだ。つまりは無料。



この3人だけでもちょっと最強すぎるのに、こんなのが少なくともあと10人(私含め)いるわけだ。


ラゼラインド王国が栄えた理由がもろに映し出される、うちの家系である。

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