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めんどくさがり屋のVRMMO物語  作者: 海夏世もみじ(カエデウマ)
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第23話:母親の遺伝が俺




《ゲームの使用時間が一定数を超えました。

後三十秒で強制ログアウトをします》



 ん……?あれ、まじか。


 早すぎじゃね?



「ってあれ?優流いないじゃん……。なんかメールがあるな……“お前寝すぎ。先にログアウトするわ”」



 そんなに寝ていたか……というか……。



「なんだこれ?」



 俺の周りにはプルプルと怯えた動物達が囲んでいた。



「いや……どういう状況だこれ……」



 俺は怯える動物たちに見送られ、ログアウトされた。



〜〜



「………戻ってきた……」



 起きると目の前にはアリア……じゃなくて律がいた。



「あっ!紅羽兄ぃやっとログアウトした!ってあれ?どうしたの!?紅羽兄ぃがニコニコしてるっ!?」


「ああ……実はな、上質な枕を手に入れたんだよ…。それがたまらなかった……!」


「お、おお…そこまで紅羽兄ぃを唸らせるとは……っていうかニコニコ顔の紅羽兄ぃ超久々に見た気がするな……」



 ふっ……優流はいい仕事をした……。



「今日は紅羽兄ぃの家でご飯食べてくからね!」


「えっ……まじか……まあ何言ってもどうせどかないだろうし……しかたない」



 俺が何か言ったとしてもどうせ聞かないからな……。



 そういえば今日は母さん帰ってくるのか?



 そんなことを思っていると。




「ヴァァァ……た、だいまぁ…」



 ゾンビのうめき声のような声が聞こえた。



「む……母さんか……」



 俺はリビングに行き、そのまま母さんの姿を見た。母さんの名は“銀水 琥珀(ぎんすい こはく)”。


 髪は黒で腰のあたりまで伸びているが、ボサボサである。



「あ……母さんお帰り……」


「んぁ……?あぁ……紅羽ぁ……だるいからベッドまで連れてってぇ……」


「母さん何言ってんの…俺がそんな重労働するわけでないじゃん……」


「そうだったわ……あんたは忠実に私の遺伝子継いでるんだったわ……まあ面倒ごとはごめんだからね……」


「そうそう……さっすが母さんわかってりゅぅ」



「じゃないわよ!!ほら母さん!!先にシャワー浴びてきて!」



 母さんと共感し合っていると姉ちゃんが割り込んできた。



「あいぃ……私を風呂場へ連れてって!」


「風呂場はスキー場じゃないからね……ほらよいしょっと!!」



 姉ちゃんは母さんをおんぶして風呂場へ連れていった。



「ほんと……紅羽兄ぃはお母さんの子供ってすぐわかるね……」


「ん……?ありがとう?」



 律に褒められた…のか?


 俺はソファでゆっくりさせてもらおう…。


帰った時のうめき声が紅羽と同じぇすねぇ。

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