第1話:勧誘された
「おーーい!!くーれーはー!!」
「んだよ…朝っぱらからやかましい…」
「なんだよつれねぇなー。ていうか今日早いな…なんかあった?」
「ああ…昨日学校から帰るの面倒だったからここで一晩…」
「え!?まじかよ…。お前相当めんどくさがり屋だよなぁ…。てか親心配しなかったのか?」
「…大丈夫。親に連絡し……zzz」
「だぁーー!また寝やがった!」
さっきから騒がしいこいつは小学校から一緒の“火花 優流”。高校二年生になって同じクラスになった。
「あ、見てみて、紅羽くんまた寝てる。イケメンだねぇ〜」
「本当、かっこいいわね…しかも銀髪でオッドアイでカッコいいし!」
「ああやって少し抜けてるところもいいよね〜」
「おーい紅羽、お前が話題になってるぞぉ」
「ん〜……うるさい優流……」
「まったく……あ、そうだ!なあなあ、最近有名なゲーム知ってるか!?」
「あ?……俺が知るか……」
「そのゲームな、VRゲームなんだってよ!異世界に行ったみたいな感覚になるらしいぞ!俺予約で当たったからお前も予約して買えよ!」
「めんどそう……一人でやってろ」
「まあまあそう言わずに…なんとそのゲーム、体感時間が加速されるらしいんだぜ?」
「ん…?つまりそれは……」
「まー、やんないってんならシャーないなー。他のやつ誘ってみっかー」
「おい、待て!」
「痛てててててて!腕腕!!そんなに強く握るなぁ!!折れる!!」
「それはつまりそん中でずっと寝てられるってことだよなぁ……。教えろ……!」
「お前普段だらけてるくせに力強ぇ…。しかもこんな積極的なの珍しいな…。そのゲームの名前はファンタジーオンライン、通称FOって言われているやつだ」
「…俺の姉ちゃんが言ってた気がする……」
「んで、この前予約が始まってて昨日当たった奴は発表されたんだ。んで、届く人はもう今日にでも届くらしい」
「ん?じゃあ予約してない奴はどうなるんだ?待つのか?」
「第二次の予約があるらしいが、それはゲームが始まってから少し後らしい」
「……じゃあしばらくできないのか……。寝る」
「あっ!こいつわかったらすぐ寝やがった」
(…今日は姉ちゃんになんか言われそうだから帰るか…)
俺も一回学校で泊まってみたい。
夜の学校とかワクワクすっぞ!