入学式
親友登場です。次話で幼馴染み登場です。
おかしいと思った箇所、気になる箇所があったら教えてもらえるとありがたいです。
「野球部入りませんかー。一緒に甲子園目指しましょー!」
「坊主という名のハゲ集団は黙ってろ!やっぱり、高校といったら青春。青春といったら恋。さぁ!モテたいと思ってるそこの君。サッカー部に入ればモテること間違いなし!」
「サッカー部はチャラいのでオススメしませんよー。今の時代は爽やかさが大事!そこでモテる部活の代表格、バスケ部に入りましょー!」
ガヤガヤと賑やかな校門を、部活動勧誘に捕まらないように気配を消して歩く。まるで幻の何とかマンだ。
「よっ!」
後ろから肩を叩かれ、聞き慣れた声が呼びかけてきた。挨拶しようと後ろを振り返る。
そこには茶色に染めた髪をいじる、俺よりも少し背の高いチャラい感じのイケメンがいた。
「おはよ」
「おはよー!なんか早速疲れてない?」
「うん、ちょっと部活動勧誘が鬱陶しくて」
「そう?どこもこんなもんでしょ。それより早くクラス見に行こ」
「そうだね」
今日は入学式だ。初対面ばかりのこの時期は、いかに知り合いが同じクラスにいるかがとても重要だ。
チャライケメンの隣を歩いて、勧誘ゾーンを抜ける。生徒玄関に着くと、そこは新入生で溢れかえっていた。
「うわー、これじゃクラス見れないじゃん」
「待ってれば空くと思うけど」
「甘いな。こういうのは友達とクラスが一緒だの違うだの、その場に留まって騒ぐ奴らがいるんだよ」
なんて迷惑な話なんだ。少し移動して騒いでほしい。
「でも、騒ぎたくなる気持ちも分かるよね」
「えっ、れいとも騒ぐの!?」
「うん、同じクラスに知り合いがいたらうれしいよね」
「れいとの騒ぐは、俺からしたらテンション 30%だけどね」
そんなに俺は暗いだろうか。初対面の人が大勢いるわけだし、やっぱり笑顔でいかなきゃだよね。
指で頬を上げ笑顔の練習をしてたら、隣の涼真から何やってんの?とでも言いたげな視線が送られてきた。高校デビューの練習です!
指でグイグイと頬を押してたら、いつの間にか人が少なくなってきた。クラスが書かれている紙に近付き、自分の名前を探す。
「あっ、あった。俺2組だ」
「おっ、俺も2組だ。やっぱり俺とれいとは運命で結ばれてるんだな」
「ほんとビックリだよ。やったね、一緒のクラスだ」
「なんかちっとも嬉しそうじゃないね」
「これでもテンション上げてる」
「そ、そう」
嬉しいのは事実だが、それよりも驚きの方が強かった。それは同じクラスに良く知っている名前があるのを見つけてしまったからだ。
――――『水瀬 麗奈』――――
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