プロローグ
温かい目で見てください。
おかしな箇所、気になる箇所がある場合は教えてもらえるとありがたいです。
――大勢の人で一人を悪だと責め立てている
――絶大な権力を持つ人が一人を悪だと責め立てている
そんな時、どう行動するだろうか?どう対処するだろうか?
俺の考えは一つだ。人が多い方、権力を持っている方。つまり、優勢であるだろう勢力の意見を何も考えずに信じ、一緒になって一人を責めるか、傍観するか。
――この考え方は酷いだろうか?
――この考え方は寂しいだろうか?
こんな考えしか浮かばない俺は、クズで醜いゴミ人間だろうか?
きっとそうなのだろう。でも、仕方がない。俺が今まで出会ってきた人間は、そんな人ばかりだったのだから。
人間なんてそんなものだろう。他人のために行動しようなんて綺麗事を言う人は、こんな状況には関わったことはないのだろう。
気遣いレベルの小さい事ならば、他人のために率先して動く人は多いだろう。でもそれは、相手に良いように見られたいからやるものだと思う。
その人が悪だと、その集団の雰囲気がもう一つにまとまっている。そんな状況の時、人は誰しもその人のために動こうなんて思わないだろう。
なぜなら、その人をかばったところで何も変わらないから。ただ、自分も同じように痛い目をみるだけだから。
結局は、自分が一番大事なのだ。気遣いをするのも、その人の悩みを解決しようとするのも、結局は、その相手の自分に対しての好感度を上げたいがために行うこと。
俺も同じだ。俺は昔から良く気が利くと褒められることが多かった。相手のために動くことが癖になっていたのだろう。
でも、俺の気遣いは時々いき過ぎる時があるらしい。小学生の時、一度いき過ぎてしまったことがあった。俺のその気遣いは、誰にも理解されなかった。
誤解が誤解を生み、結局俺が全部悪い事にされた。俺はただ、その人のために、その人に喜んでもらうために行動した。ただ、“ありがとう”と言ってもらえるだけでよかった。
――でも、返ってきたのは真逆のものだった。
もう、他人のために何かするのは止めよう。そう思った。でも、やはり癖になってしまっているのかすぐに助けてしまった。どうやら俺はクズでゴミで、さらにバカだったらしい。
でも、小学生の時のような事はなかった。それで安心した。少しは傷が回復した。
でも、また中学の時に同じような事が起こった。塞がったと思った傷は、さらに深く広くなった。
――もう傷つきたくない。
――もうこんな思いはしたくない。
俺は思った。俺の気遣いがいき過ぎてしまうのは、周りとの交友が深まって色んな人に好意を抱くようになってからだ。
――――なら、好意を抱かなければいい。
それから俺は、傷つかない代償に好意という感情を捨てた。誰とも深く関わろうとしなくなった。気持ちが軽くなった。
でも、傷はよりいっそう深く広くなっていく。
生きる意味が分からなくなる。
生きていても、ただ辛いだけだった――――
――ヒュッ、と強い風が一瞬俺の体を横切る。
下を見下ろす。まだ寝る時間帯では無いのだろう。街全体がまだ明るく光っている。
上を見上げる。星が綺麗に輝いている。南の夜空にオリオン座が見えた。
夜空を眺めながら、誰に聞かせるわけでもなくただ静かに呟く。
――――まだ死ぬには早いよね
面白かった、続きが気になると思った方はぜひ評価お願いします。




