晩御飯
厨房に着いたので雲雀に魔法収納袋を持ってきて貰う。白菜と豚肉…って、これ名店の豚肉じゃないか!空人の財産は凄いんだなと思った。
「雲雀好き嫌いある?」
雲雀は少し考えて、
「特に食べ物の好き嫌いはないよ?あ!でも辛子とか山葵ダメかも」
クスっと笑ってしまうクロエ。
「雲雀らしくて可愛いじゃん」
可愛いと言う言葉に飯能したのか雲雀があわあわしている。
「雲雀ー?可愛いって言われてるそんなに挙動不審になられるともっと可愛い所言うよー?」
ボンッと顔を赤らめる雲雀。
「クロエ君ちょっと意地悪」
ぷいっとそっぽ向いた雲雀。いや、それも可愛いんだけど。まぁ、料理に取り掛かりますか。
先ず土鍋に研いだ米を入れて水を注ぎ蓋をする。ご飯が炊きあがるのは少し時間掛かるからその間に白菜を水洗いして豚肉を揃える。
「雲雀?時間少し掛かるから30分リビングに行こうか」
「直ぐ出来ないの?」
「ご飯が炊きあがるのに時間が掛かるんだよ。ミルフィーユ鍋は直ぐ出来るんだけど」
「私もうお腹ぺこぺこだからご飯炊きあがる飲まてないー」
「それならミルフィーユ鍋だけで済ます?ご飯は炊くけど」
「いいの?!」
「待てないんでしょ?」
「クロエ君分かる男だね!それなら鍋にしようー?」
「はいはい。もう鍋には出汁も白菜も豚肉も入れてるから火をかけるだけ」
卓式IHコンロをダイニングの机に置いてその上に鍋を置く。
「湯気が出たら出来上がりだから雲雀見てて、僕は調味料取ってくる。雲雀はポン酢派?ゴマだれ派?」
「ポン酢!」
「僕もポン酢派だから気が合うね。取ってくるよ」
クロエは厨房の調味料の棚からポン酢を取ろうとしたが…ポン酢だけで5種類あった。えー?どうしよう一応全部持って行くか。
「ねぇ?雲雀?ポン酢だけで5種類あったんだけど」
「あ、それ微妙な違いがあるんだよオススメはコレ」
「一番高そうなポン酢を指した」
「僕それで食べていいの?」
「勿論良いよ?嫌だった?」
「いや、高そうだなぁって思って…」
「気にしない気にしない…あ!湯気がでたよ!出来上がり?」
雲雀は鍋の方見て見てとばかりに腕を引っ張る。クロエは鍋の蓋を取って
「うん、程よく出来上がってる。もう食べれるよ」
配膳をして雲雀と手を合わせて、
「「いただます」」
雲雀は豚肉から行っていた。僕は白菜。
「んーーーー!!!美味しい!こんなに手軽なのにボリュームもあるし物凄く箸がすすむよー!でも、確かにご飯が欲しくなるね」
「だから待ってって言ったのに…あ、このポン酢物凄く美味しい」
「私のオススメって言ったじゃん」
ふふんと鼻を鳴らす雲雀。
「でも、雲雀豚肉ばかり食べてる」
「成長期だもん!お肉食べなきゃ!クロエ君も食べだ方が良いよ♪美味しいから」
それは作る時に具材見たから分かってる。恐れ多いんだよなぁ。
「僕は野菜でいいよ」
「男の子って肉が好きなイメージだったよ」
雲雀がそう言う。
「僕はバランス良く食べるのが好きなんだ。全く肉に手をつけない訳じゃないから安心して」
もぐもぐと食を進めるクロエと雲雀だった。