朝御飯
雲雀と食事にする事にした。さっきのキスのせいか雲雀は目が合うとすぐに逸らしてしまう。
「ねぇ雲雀?」
「ん?何?」
「挙動不審過ぎ…もしかして意識しちゃって恥ずかしいの?」
「むぅ…だってクロエ君も人の事言えないと思うけど、恰好良いし初めてのキスの相手だし意識しない方が難しいよ」
「僕が恰好良い?馬鹿な事言ってないで食器並べて…後、意識され過ぎると困る…」
雲雀は食器と箸などを並べながら言う。
「ホントだよ?てか!クロエ君も初めてなんでしょ!!キス」
「手を出さないでおこうって思ってたんだけど好きになっちゃったからね無理だった…初めてだけど恥ずかしいなんて思ってないし」
料理の準備をしながら淡々とクロエは応える。
「目線くらい合わせてくれてもいいじゃん…前髪長くても視線は感じる?」
「そりゃあ…まぁ…」
「ならいっその事前髪切っても良いんだよ?」
「それは心臓に悪いから辞めて!!」
何が心臓に悪いのか分からないけど、雲雀は前髪はそのままにしててと言ってきた。
「まぁ、いいけど…準備出来たよ?食べよ」
テーブルには炊きたてご飯に肉じゃがおひたしと豚汁を並べてみた。
「和食って良いよねー…いただきます」
「いただきます」
2人して手を合わせていただきますの合図。
「美味しい!!クロエ君料理上手!!」
「昨日仕込みの時に和食ならデザートも和菓子が良いかなって思ってあんみつ作って冷やしておいたよ。求肥の入った」
「ホント?!私求肥ってモチモチしてるのに柔らかくて好きなんだよね!!クロエ君て起用過ぎだよ」
「寒天と求肥さえ何とかなればフルーツと餡子の盛り付けだけだからそんなに難しくないと思うけど…」
「世の中にあんみつ作れる男子がそんなに居ないと思うんだけど…」
空姫は常識あんまり無い筈なのにジト目でそんな事を言われてしまった。
「元々料理好きだからね…作れても不思議じゃないと思うよ」
モグモグと食を進めながら応える。
「早く食べてあんみつに黒蜜掛けて食べよっと♪黒蜜もあるよね?」
雲雀は食べるスピードを少し上げながら応えた。
「勿論だよ。てか、ゆっくり食いなよ。あんみつは逃げたりしないから」
「だってこんなに美味しい料理作れるクロエ君作のあんみつだよ?期待しない方がおかしいよ!」
モグモグと食べ進める雲雀。最後の一口を食べて美味しかったって綺麗に食べ終えた雲雀とそれより少し早く食べ終えてあんみつの準備をしているクロエ。
「はい、お待たせ。黒蜜はそのシロップの容器に入れてるから…僕は掛けないから雲雀が好きなだけ掛けていいよ?」
僕は餡子の甘みだけで行けるので黒蜜は雲雀に全部あげた。
「うわぁ…美味しそう!!それではいただきます!」
黒蜜をたっぷり掛けて美味しそうに頬張る雲雀。それを愛おしそうに見るクロエ。
「美味しい!!美味しいよクロエ君!!」
「気に入ってくれて何より…そう言えば雲雀の両親の旅行はいつまでなの?」
んーっと考えながら雲雀は応える。
「多分後2週間?連絡は朝と夜に来てるけど…今海外飛び回ってるみたい」
「僕はいつまで居てもいいのかな?」
「いつでもいいよ?クロエ君が嫌じゃなければ」
「はぁー…雲雀?さっきの事忘れかけてない?男は獣なんだよ?」
「分かってるよ…でも、クロエ君と居たいなぁって…」
頬を赤らめて上目遣いで言ってくる雲雀。
「僕の理性保つかな…」
はぁと溜息を吐く。
「理性?」
雲雀は何の事?って顔をしてる。
「何でもない…こっちの話。食べ終えたら食器洗おうか」
雲雀はあんみつをお気に召したのかまた作って欲しいと言われた。勿論良いよって応えた。