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黒き獣と黒の誓約  作者: 夢未多
第3章 勇士
29/33

3、指示には従うが

正月休みいただきました。

再開します。

 翌朝には出発する事になった。時は金なり。


 荷馬車に槍を買えるだけ積んでいる。他の武具なんて素人には使いこなせないという判断だ。


 他に乗せているのは、ジョージだけだ。残りの六人は馬に乗っている。


 先頭にいるのは、マルコだ。道に詳しいのもある。元々が戦士だと言うのもあるが、前にあるのが似合う男だ。風格がある。


 次にいるのが、レイヴン。その横にはヴァルカスがいる。


 昨日、話をしたら付いていくと言って聞かなかった。オークに詳しいのは誰だと言うのだ。オークの特徴だけを聴くつもりだったが、失敗だった。ヴァルカスの性格が読みきれていなかった。


 その後ろにアグライア、そして荷馬車の横と後ろに、クロノスとサートゥルヌスという賞金稼ぎ(ハンター)二人がいる。


 クロノスとサートゥルヌスはマルコの昔馴染みらしい。未だに賞金稼ぎを続けるただのロクデナシとの話だが、既に白髪がかなり混じる二人が生き残り続ける技量かあったのは明確だ。二人ともかなり体格がいい。クロノスが横幅があり、サートゥルヌスが身長がある。


「おーい。さっきは聞けなかったが、嬢ちゃんは何でここにいるんだ? 嬢ちゃんもソリィ村の生まれなのか? 」


 ソリィ村というのが、今回の目的地、オークに狙われたと思われる村だ。ヴァルカスが言うには、ソリィ村近くの森は大狼の縄張りでオークがうろうろするのはやはりおかしいらしい。


「マルコの店には昔から世話になってる」


「あいつも隅に置けないなあ」


「どういう意味だ? 」


「いや、俺もまだ諦めなくていいと自信を持てたよ、嬢ちゃん」


「だから、どういう意味だ? 」


「若い子も顔や歳だけでは選ばないって事がわかったからな」


 アグライアが、ベテランの賞金稼ぎにからかわれている。荷馬車の横にいるクロノスがすぐ近くのアグライアと話しているのは彼なりのコミュニケーションの一つなんだろう。あまりイイ方法とも思えないが、彼が今までの流儀をすんなり変えるとは思えない。


 レイヴンは全体の指揮をマルコから頼まれている。年若い自分がその任をこなせるのか不安はあったが、クロノスとサートゥルヌスがすんなり納得したので決定された。どちらにしろ、レイヴンは農民達の動きに関しては自分がやるつもりだったので受けるしかなかった。


 オークとまともにやりあえるのは、レイヴン、マルコ、クロノス、サートゥルヌスの四人と見て良いだろう。アグライアは弓矢で、農民達は柵ごしに槍を突き出してもらうしかない。


「ふざけるな! アグライアさんはお前らみたいに遊びで来ていないんだ! 」


 ジョージが馭者台から叫ぶ。レイヴンはジョージみたいなやる気がある若者がどれだけいるかにかかっていると見ていた。


 オークの戦士を前にして、恐怖を振り払い、どれだけ槍を突き出せる村人がいるのかっていう事だ。防御方法なんてそもそも数も時間もない。防御柵を作り、堀を作り、槍で刺す。これに尽きるからだ。槍が突き出せないと本当に終わるのだ。


 背の高いサートゥルヌスが後ろから声を出す。


「指示には従うが、俺達に細かい指示はいらんからな」


 サートゥルヌスもクロノスも自身の事が良くわかっている。自分達に何が出来るか、何が出来ないかをよく知っている。これは本当に心強い。


「本当に受けてくれるとは思わなかったよ、駄目で元々だったんだ」


 マルコが話しかけてくる。レイヴンは意識を戻して答える。


「マルコが約束に応えてくれるなら、これくらいの事やる……」


 そう、無理な事ではない。やり遂げれば問題ない。それに見合う対価を手に入れられる。


「それに、これくらいの事で躓くならそれだけの男だったて事さ」


 レイヴン自身を奮い立たせるように話した。その話に続いて、アグライアの独り言が流れてきた。


「大丈夫、あなたは死なせない」

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