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デンバト!〜電脳バトル〜  作者: 小鳥遊シュウマ
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2章 戦場は電脳世界!?

2章 戦場は電脳世界!?

よく分からないデンバトってやつににエントリーした次の日、一秒でも早くデンバトがなんなのかを信彦に聞きたくて俺は早朝のテレビ番組のジャンケンを終えるとすぐさま支度して学校へ向かった。

ちなみにジャンケンの方は言うまでもなく勝利した。


俺が学校に着くと時刻は昨日より1時間半くらい早く、運動部で朝練をしている人はいても教室には誰もいなかった。

さすがに早く来すぎたことを反省しつつ、どうせ信彦が来たら話しかけてくると思うので俺は自分の席で仮眠を取ることにした。


俺が仮眠を取っていると横から俺を呼ぶ声がした。

その声に反応して俺が起きるとそこには予想通り信彦がいた。

「おはよう、霊珸。デンバト、エントリーしたか?」

「おはよー、信彦。ああ、したぞ。そういえばよぉ・・・。」

「なら、早速行くぞ!」

俺がデンバトとは何かを聞こうとすると信彦が食い気味に言って俺の事を外に連れ出した。

外に出ると信彦は少し隠れた校舎の裏に俺を連れて来た。

「よし。行くか!」

信彦が俺に向けて言ってきたので。

「おい、行くってどこに行くんだよ!それに学校はどうすんだよ!まだホームルームも始まってないぞ?」

俺は疑問をいくつか信彦にぶつけた。

「大丈夫だ!学校側も承知の上で公欠扱いになる。まあ部活の大会みたいなもんだ。」

「そうなのか。」

「ああ。とりあえず行くぞ。」

「だから、行くってどこに行くんだよ!」

俺がそう言うとそれを無視して信彦は自分のスマホを触りだした。

すると信彦のスマホの指す方向から大人1人普通に入れるようなどこかへ行く為の入口のような穴が現れた。

そして信彦はその穴の中に俺を押し入れつつ言った。

「どこに行くかって?そんなもん決まってるだろ?」


俺が信彦に押されつつ穴をくぐるとそこには近未来的でかつ中世的な街があった。

「「電脳世界だよ!」」

「はあ?電脳世界?なんだそりゃ!」

「電脳世界ってのはな、人工的に作られた空間にある世界だ。ネット空間みたいなもん!」

「ほー。すげーな。」

「まあな。」

電脳世界ってやつに着いてから少し歩いたところで信彦が俺に言った。

「もちろん、デンバトに必要な物は用意してきたんだよな?」

「デンバトに必要なもの?なんだそれ。大体デンバトって結局なんなんだ?」

「は?お前、デンバトにエントリーしたんだよな?」

「したぞ?」

「でも、デンバトが何か知らないのか?」

「そういうことだ。」

「は?お前、デンバトが何か知らないのにエントリーしたのか?ってことは電脳防具もないってことか?」

「なんだそれ。電脳防具って。」

信彦は一瞬、言葉を失っていた。

「あのなぁ、まずエントリーする時はちゃんと調べてからエントリーしろ。」

「あぁ、わかった。」

信彦はとても呆れた顔をしていた。

「じゃあ仕方ねえから俺が電脳防具について教えてやる。電脳防具ってのはな、デンバトに使われる防具や武器でデンバトに欠かせないものなんだ。」

「へぇー。」

「普段はスマホの中にデータとして入っているけど、使う時はスマホから取り出して電脳カードにしてスキャンするんだ。そしてそれを使って戦うのがデンバトだ。わかったか?」

「だいたいはな。」

信彦に一通りデンバトについて説明してもらい俺はようやくデンバトについて理解した。

「もう、今回は仕方ねえから俺が練習用に使ってた電脳防具を貸してやる。」

そう言って信彦はスマホから電脳カードを出して俺に渡してくれた。

「おう、さんきゅ。」

「俺はもう予選の1回戦は終ってるから、専用のスマホの機能でそいつをスキャンしな。そうすりゃ、勝手に着替えられる。あとは専用の機械で予選の予約をしてくれば戦えるぞ。」

「おう、わかったぜ!」

そうして、それから俺は信彦が言っていた通りにして電脳防具を付けて、予選を予約して1回戦に向かった。


そして迎えた人生初めてのデンバト。

ちなみに俺が信彦から借りた防具は錆びた全身鉄の鎧とよく見るメジャーな刃こぼれしてて切れ味の悪そうな大剣だった。

まあ練習用に使ってたやつって言ってたからには期待してなかったけど案の定このザマだった。

そして俺の初試合は予選だからか、狭めで某天下一の武道会くらいの大きさのフィールドに相手は学ランを気に入っているのか鎧を着ないスタイルで金属バットみたいなものを持ったザ・ヤンキーって感じの見るからに頭悪そうな奴だった。

そして少し動いて準備運動をしていると俺もヤンキーも動きを止めるように言われ、俺達が完全に止まるといよいよ戦いの鐘が鳴った。

鳴ってすぐに動いたのはヤンキーだった。

身軽で扱いに慣れてるであろう金属バットを振り回し俺に攻撃してくる。

一方、装備は重いし武器の扱いにも慣れてない俺はただその鉄の塊のような剣でヤンキーの攻撃を防ぐしか無かった。

しかし、だんだん剣を持った動きに慣れてくると相手は所詮防御もしないアホなヤンキーなので、勝負運が強い俺の相手ではなく、俺はヤンキーの攻撃を剣で受け流してその反動を受けているヤンキーの防具もない体を剣で振り払った。

そしてそれが決定打となり俺は1回戦を勝利で納めることが出来たのだった。


戦いが終わると先程の機械へ強制転移させられていて、その近くには信彦がいた。

「霊珸!人生初のデンバトどうだった?」

「剣の切れ味が悪すぎる。これじゃただの鉄の塊だぜ。」

俺は素直な感想を言った。

そして次の戦いまでにちゃんと自分の剣を手に入れようと心に決めた。

「試合の感想じゃねえのかよ。つかお前がクレーム言うなし。」

「まあな。ごめんごめん。」

「大丈夫。それでな・・・。」

信彦曰く、どうやら次の試合からはスマホに通知が行くらしい。

それとデンバト内での怪我はどんな怪我でもなかったことになるらしい。そのせいか、確かに試合中も痛みが3割くらいしか無かった。


まあそんなわけで2回戦も絶対勝って、俺はデンバトで優勝してやるとさらに強く心に決めたのだった。

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