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9、計画実行が決まった時

部屋に戻り、それぞれの部屋で荷物の整理をしてもらう

任務は明日からなのだしゆっくりしてもらいたい

ローズはマリアについて行き

聖獣の話しをながら整理を手伝っているようだ

マリアには悪いが、ローズは話しを聞いてくれる相手を

そう簡単に解放はしてくれない


私はと言うと、何故かカイトの荷物整理を手伝っている

皆が部屋に行くのを見送ったのだが

カイトは私の斜め後ろから離れようとしないので、

無理やり寝室に連れ込んで整理する事にした


「カイトさんは、荷物の整理はされないのですか?」


「少ないので、すぐ終わりますから

寝る前で大丈夫ですよ」


「では、少し休まれては?任務は明日からですし」


「お気遣いありがとうございます

ですが、休息は不要ですライラ様のお傍におります」


とまぁ、こんな感じで

忠実なんだかマイペースなんだか分からない護衛は

私から離れそうにないので、、、、

ならば!私がカイトの荷物整理をしてしまおう!

と、今の状況である

そろそろ、心の声に被った猫が逃げ出しそうだが

キラキラ笑顔のカイトと共に作業をこなしていく



カイトが選んだ部屋は簡易的なベッドと机

それに備え付けの椅子しかない

普段使い用の部屋ではないので収納はない

なので、元々半分しか使っていない

私の寝室のクローゼットを使ってもらう事にした


「この部屋は本当に狭いですが大丈夫でしょうか?」


「問題ありません、ライラ様がお休み中でも

直ぐに駆け付けられる場所ならどこでも、、、、」


無駄に見つめる時間が長い、、、、

私はキラキラに耐えきれず直ぐに目を逸らしてしまうので

それ以上を聞けなくなってしまう


思いがすれ違っている気がしてならない、、、、



何種類か形の違う騎士服を整理していて思ったのだが

全てが新しい、、、、

私の護衛につくために新調したのだろうか?


「その制服は護衛用です

私は王宮では、騎士団に所属しておりますので

普段来ている騎士の制服とは異なるのですよ

ヨシュアは元々護衛騎士なので王宮でもこの制服になります」


(なるほど、だから新品なのか

形が様々なのは、夜会やお茶会等の席で

傍にいてもおかしくないようにだろう)


「リン国の騎士団は強い方々が沢山いると聞きました

訓練など、とても大変そうですね」


私の、質問とも呟きとも取れる言葉に

ニコッ と笑顔だけで答えるカイト

きっとホントに大変なのだろう


コンコン


「お茶が入りました、

ライラ様、少し早いですが午後のお茶に致しましょう」


少ないなりに時間がかかっていたようで

私達よりマリアとローズの方が早く終わったようだ


「ライラ〜早く〜」


応接室でローズが椅子から身を乗り出し

手招きしている

いつの間にかヨシュアもヨルシュも席に着いていた


「ローズ様のお話は本当に興味深い物ばかりですね」


疲れた様子もなくマリアはまだまだ聞きたい!

と言う笑顔で答えている

きっと本当にそう思っているのだろう

今夜は長くなりそうだ、、、、


「では、我々も参りましょうか」


床に座り込んで整理していた私に手を差し伸べ

起き上がらせるカイト

本当に紳士なんだなとつくづく思う


「ありがとう、、、、」


被っていた猫が1匹迷子になった

私はここから敬語を忘れてしまう

キラキラの瞳を一瞬開いて笑顔にもどるカイト

いや、さっきより嬉しそうなのは気のせいか?



「同じ席で頂くのはと思ったのですが

ローズ様もお話の続きをしたいとおっしゃいまして」


「構いません、

明日からもお茶の時間は皆さんと一緒がいいです」


「はい、いえ、、、、分かりました、、、、」


席につきながら、マリアが戸惑っていたが

1人でお茶を飲むのも味気ないので

無理やり座って貰おうと決意する


相変わらずのキラキラ紳士は

私の椅子を引き、横に座っていたヨルシュを移動させ

私の隣を陣取る


、、、、


その行動に一瞬沈黙が走ったが

ローズが聖獣の研究について話し出したので

皆、ローズの話しに相槌を打ち始める


一通り話し終えたローズは満足気に紅茶を啜る

ここまででかれこれ2時間近くは経っただろうか、、、、


「それでね!ライラ

私と一緒に遺跡調査に行ってくれない?」


「構わないけど」


「やった!!じゃあ早速今週末からって事で!」


話しが纏まった


しかし、マリアが慌てだす


「あの!?授業はどうなさるのですか?

各教授からの認定証を頂かないと候補からも外れてしまいます、それに

他の候補者の方からお茶会など、夜会のお誘いもあると思いますが!!」


「大丈夫大丈夫、私達みたいなのを誘う令嬢はいないし

候補者なら皇太子殿下が出席する夜会だけでいいでしょ!

私は、明日にでも候補者から外れるつもりだし」


「ですが、認定証は!?」


マリアが私達の事を本当に心配してくれてる事が良く分かる


しかしローズは慌てるマリアを椅子に座らせながら

まぁまぁ落ち着いてと肩を優しく叩き


「ライラ、

私が言ったように各教授に話してくれた?」


と私に話しを降る

そう、マリアの心配は[要らぬもの]なのだ


「ええ、ローズに言われた通りに話して

教授達の認定証を貰いました」


言いながら、首から下げているネックレスの鎖を引っ張り出す

先には生徒である証の紋章とは別に鎖にそって

色とりどりの小さな宝石が着いている


「えっ!!」

「嘘だろ!」

「マジか!!」

「拝見しても!?」


またも揃って眼を見開いて見つめて来る


カイトが拝見したいと手を伸ばすので

ネックレスを渡す


「数的に、全教科でしょうか?、、、、」


カイトの答えに3人とも唖然としたままネックレスを見ている


「ズルはしてないわよ!

ちゃんと教授達の前で、教授達の用意した

認定証獲得の試験を受けたのよ

ねえ、ライラ」


「ええ、ローズに最初にそうするように言われて

他の生徒より2週間早く入り、試験を受けました」


「だから、マリア

何も心配しなくて大丈夫

これでライラが候補から外れる事もないでしょ?

私の研究に付き合ってもらうのに、

ライラの人生まで付き合わせる訳にはいかないからね!」


もぉ十分に振り回されているが、、、、


ふふん、と胸を張って主張するローズだが

認定証を獲得したのはライラだけである


「私は受けてないわよ」


「えぇっ?」


マリアが素で驚いている


「だって、候補者に残る気はサラサラ無いし

全教科とか、私には鼻っから無理でしょ!?」


いや、誰もそんな事知らねーし

と言いたくなるような問い掛けを皆に向けている

しかしカイトが会話から拾ったのはそこでは無かった


「やはり全教科ですか、、、、

ライラ様はクリアしたと?」


カイトが珍しく真顔で聞いてきた


「はい、、、、」


いけない事をしている子どもになったようで顔を伏せてしまう

ネックレスに輝く宝石は全部で50個近くある


「しかし、候補に残るのに全教科は必要無いのでは?

必須の10教科だけで良かったはずですが、、、、」


ネックレスを覗き込みながらヨルシュが聞く


「必須教科が発表されたのは、候補者が揃ってからだったでしょ?

私の計画はそれより前に始まっていたから

漏れのないようにしたかったのよ」


「しかし、受かったんですね、、、、

この宝石は魔力関係の教科だったはず、、、、」


カイトは考え込みながらネックレスの宝石を

ひとつひとつ確認していく


「あの!簡単な内容ばかりでしたよ?

アクア国で習った内容も多かったですし、、、、」


「簡単?、、、、」


カイトは呟きでしか返さなくなった


「そうですか、それなら問題ありませんね」


いつの間にか立ち直ったマリアがお茶のお代わりを注ぎながら

納得していた


「ですが、遺跡調査には我々もお供致します

ライラ様のお世話と護衛が我々の任務ですので」


「了解!!人数は多い方が助かるし

何より楽しいよね」


ローズとマリアはなんだかんだで意気投合して

出発の日取りを早速話し合っていた

カイト達3人は、何度目になるのか

宝石の数を数える作業を3人でしていた



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